皆さんは運動前にストレッチをする派だろうか。それともストレッチしない派だろうか。私は以前していた時期もあったが、現在は運動前にしていない。理由としては、ストレッチが運動のパフォーマンスを下げるという話があったからだ。
しかし、新たにストレッチが筋力を上げてくれるかもしれないことが分かった。運動前にするべきか、しないべきかで揺れ動くストレッチ。
今回の雑学記事では、そんな乙女心のように揺れ動くストレッチの効果について紹介しよう。
【人体雑学】ストレッチは短時間の方が筋力はアップする
【雑学解説】15秒のストレッチが筋力アップに効果的
トルコのガジ大学の研究で、ストレッチの時間の長さについて調べたものがある。この実験では、15名のアスリートを対象にして、4パターンのストレッチを試した。
- 体の各部位を15秒間ストレッチするパターン
- 体の各部位を30秒間ストレッチするパターン
- 体の各部位を45秒間ストレッチするパターン
- ストレッチをしないパターン(基準となるパターン)
その後、参加者に筋力テストをしてもらい、ストレッチの効果の確認を行った。つまり、ストレッチをする時間によって、効果に違いが出るのかを確認したのだ。
その結果、15秒ストレッチするグループは、筋力が+7%~-1%の間でアップした。一部、下がったケースもあったようだが、おおむね筋力アップできているのではないだろうか。
これだけだと効果がわかりづらいので、他のストレッチするグループを見てみると、次の30秒ストレッチするグループは、筋力が+4%~-8%の間となり、45秒ストレッチするグループは、0%~-11%となっている。
ストレッチは長時間やると筋力が下がってしまうが、15秒程度の短時間のストレッチであれば、筋力を上げてくれる可能性が高いのである。
なので、運動前には短時間の軽めのストレッチで体をほぐしておくと、良い結果が出せるかもしれない。
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【追加雑学①】ストレッチは長期間続けると筋力アップする
また、早稲田大学などの研究でも、静的ストレッチについて調べたものがある。この実験では、20名の男性を対象にして、2つのグループに分けて行われた。
- 足を伸ばすストレッチを週に3回するグループ(ストレッチは1回30秒で、これを6セットする)
- ストレッチをしないグループ
その結果、6週間後に筋力テストを行ったところ、ストレッチを続けたグループは、最大筋力と素早く筋力を発揮させる能力が約20%アップしたのだ。おお、これは素晴らしい効果である。
しかし、筋持久力は約20%ダウンした。…う~ん、なるほど。
つまり、瞬間的に出せる筋力はアップしたけど、それをキープするスタミナは下がったということか。なんとも悩ましい結果である。
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【追加雑学②】寝る前にストレッチをすると睡眠改善に役立つ
公益財団法人明治安田厚生事業団が、ストレッチと睡眠改善との関係を調べたものがある。この実験では、軽い睡眠障害をもつ35歳~59歳の女性7名を対象にして行われた。
参加者にストレッチを10分間行ってもらった直後に寝てもらい、睡眠中の脳波・眼球・筋肉などの活動を測定した。さらに、睡眠前後のストレス反応も調べた。
その結果、ストレッチを行なっていないときと比べて、ストレッチを行なったときは、不快な感情を弱めてくれるレム睡眠が出現しやすくなり、ストレス反応が下がったのである。
つまり、寝る前に軽いストレッチを行なうと、睡眠改善とストレス緩和に効果が期待できるのだ。
これは非常に使いやすい方法ではないだろうか。私はこの方法を取り入れて、寝る前にベッドの上でストレッチを行なうようにしている。特に、足のストレッチを行なうとむくみ解消につながり、疲れも取れやすいように感じている。
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雑学まとめ
今回はストレッチについての雑学をご紹介した。ストレッチは長時間行なうと筋力が低下し、短時間で行なえば逆に筋力が上がるのは意外だった。運動前は、軽めのストレッチにとどめておくのが良いかもしれない。
しかし、継続的にストレッチを続ければ、瞬発力が上がるかもしれないので、ストレッチを続ける価値はあるように思われる。筋持久力は下がるが……。
おすすめとしては、運動後や寝る前のストレッチである。特に寝る前は、睡眠改善効果が期待できるので、試してみて損はないだろう。
ちなみに、私は瞬発力・柔軟性のアップと快眠効果を期待して、寝る前に1日分のストレッチをまとめて行うようにしている。今のところ、快眠効果は実感できている。体はなかなか柔らかくなってくれないが…。