Twitterで募集した「あなたの雑学教えてください!」企画。
編集部のちぶりが、独断と偏見で気になった雑学を記事にしちゃうという企画だ! さて、今回ご紹介する雑学は…
スーツの袖のボタンは
兵士が袖で鼻水を
拭わないようにするため
ナポレオンが
付けさせたのが始まりです— にゃんころさん (@natunoumiha) August 17, 2019
「にゃんころさん」さんからいただいたこちらの雑学。それでは記事本文をどうぞ。
皆さんは、スーツの袖口になぜボタンが付いているかをご存知だろうか。
袖口のボタンは、現在では使い勝手のないものに成り下がっているが、そのルーツをたどると意外な事実が隠されていた。この記事では、スーツの袖口に付いたボタンのトリビアをご紹介する。
【生活雑学】スーツの袖のボタンは、ナポレオンによる鼻水対策
スーツの袖口にボタンが付いているのは、フランス軍がロシアへ侵攻しようとする際、寒さの厳しい山中で、隊員たちが袖口で鼻水を拭えないように、ナポレオンがボタンを付けて対処したことが始まりとする説がある。
【雑学解説】袖口のボタンは隊員たちが袖で鼻水を拭えないようにつけられたもの?
スーツの袖口にボタンが付けられているルーツをたどると、2つの説にいきあたる。「飾りボタン説」と「ナポレオン説」だ。
前者の説は、中世のヨーロッパで、王侯貴族や上流階級が、袖口にボタンを付けて飾りとして着飾ったことにルーツがあるというもの。では、後者の説はどうか。以下にその経緯をご紹介しよう。
ナポレオンといえば、そのカリスマ性と天才的な手腕で、一時、ヨーロッパ大陸の大半を支配下に置いたフランスの英雄とされる人物である。
現在のスーツに付いている袖口のボタンは、実はこのナポレオンを起源とする説がある。それはナポレオン率いるフランス軍が、ロシアへ侵攻した際のことである。
ナポレオン指揮するフランス軍は、ロシア領土へ侵攻する際、極寒の山中を超えなければならなかった。その途上、兵士たちはあまりの寒さに、鼻水をジャケットの袖を拭いながらの強行軍となった。
当然ながら、兵士たちのジャケットは鼻水まみれになる。それを見かねたナポレオンは、兵士たちが鼻水を拭えないように、袖口にボタンをつけたといわれている。現在のスーツのボタンは、このときの名残で付けられているというのだ。
あなたも指揮官の立場で考えてみてほしい。今から敵国に侵入しようする際、部下たちが寒さにふるえながら、赤ら顔で袖口を鼻水でびしょびしょに塗らしたまま、相手国を侵略しようとする姿を。
その様子を見て、敵国の兵士たちはなんと思うだろうか。むしろ、敵兵士の士気は上がるいっぽうだろう。戦争には、兵士の士気が重要な意味をもつが、これでは敵国に利するだけになってしまう。
ナポレオンは極寒のさなか、士気をできるだけ維持するために、袖口にボタンを付けたというわけだ。なお、スーツの袖口のボタンの数が、現在のように3つから4つに落ち着いたのは20世紀に入ってからである。
またヨーロッパの国々のなかには、軍服の袖口のボタンの数やデザインの違いで、その人間の階級を表すこともあるという。
現在でこそ、スーツのボタンは飾りになってしまったが、ナポレオンの時代や諸外国では、ボタンはそれなりの意味をもっていたのである。
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【追加雑学】缶詰が生まれたのはナポレオンのおかげ?
さて、スーツの袖口のボタンは、ナポレオンがロシアに侵攻した際の対処法にルーツがあることをご紹介した。ナポレオンに関連して、もうひとつ現代の私たちに多大な影響を与えているものがある。それが「缶詰」だ。
戦場においても、兵士たちは毎日食事をしなければならない。そこで問題になるのが、兵士たちが口にする食料の確保やその保存方法である。
そこでナポレオンは、軍用食の保存方法を広く公募したというのだ。その公募で採用されたのが、ニコラ・アペールという人物が発明した「瓶詰」だった。食材を詰めた瓶詰を湯煎(ゆせん)することで殺菌し、食品を長期にわたって保存する方法である。
だが、冷静に考えてほしい。戦場に重い瓶を携帯すること、割れやすいガラスを持ちまわることはさすがに苦労する。そこで後世に、瓶の代わりに金属性の容器を使う缶詰が生まれたのだ。
いわば、密封した後に加熱して殺菌するという食材の処理方法が、「缶詰」に活かされたわけである。缶詰が発明されたのは、1810年のイギリスでのことだった。
災害時や緊急時、またはちょっとした食事に、私たちは間接的にナポレオンの恩恵を受けていたのである。
雑学まとめ
以上、スーツの袖のボタンはナポレオンの進言による鼻水対策だったトリビアと、缶詰が生まれた背景には、ナポレオンが間接的に関連していたことのトリビアについてご紹介してきた。
私たちの身近にあるスーツや缶詰は、実はナポレオンに関連していたのである。あなたがスーツの袖口のボタンを目にとめたり、お酒のつまみに缶詰を食べる際は、ナポレオンにそっと感謝を捧げてはどうだろうか。