スルメイカといえばおつまみの定番だが、当然子孫繁栄のために産卵をしている。
そんなスルメイカは、産卵をすると名前の通り干からびてしまうという噂が…。
ご安心あれ、普段我々が食しているスルメイカは、産卵後に干からびたイカが出回っているわけではない。では、干からびるとはどういうことなのか、真相に迫ってみたいと思う。
【動物雑学】スルメイカは産卵すると干からびてしまう
【雑学解説】スルメイカは産卵後に死んでしまう
結論からするとスルメイカは産卵後に死んでしまうのだ。日本鯨類研究所資源管理研究センターが発表している資料によると、産卵後少なくとも数日間のあいだに死んでしまうというのだから驚き。生命の神秘を感じる。
隠岐(おき)諸島では冬にさしかかる前に、スルメイカが大量に打ち上げられていたようだ。産卵後に力尽きたイカ達の姿であったと考えられている。命をかけて子孫を増やす…改めて生きる意味を考えさせられる。
ちなみに、産卵後すぐに死んでいたら数が増えるどころか激減するのではないかと思われがちだが、そうではない。実はスルメイカの成長はとてつもなく早いのだ。
成長が早い分寿命も短く、スルメイカの寿命は約1年といわれている。つまり、成熟するのが早いため、子孫を増やす効率が上がっているのだ。
ちなみに、大きなイカとして有名なダイオウイカの寿命は2~3年といわれている。やはり大きな分だけスルメイカより長生きである。
スルメイカの産卵期は?
スルメイカの産卵期が気になるのではないだろうか。どのタイミングで成熟し、どんなときに産卵しているのか、そこも詳しく追求してみよう!
1~3月・6~8月・9~11月と、年に3回のタイミングでスルメイカは産卵を行う。産まれてくるタイミングによって個体の大きさにかなり差が出てくるという。
また、スルメイカは浮遊性の卵を産む。海に漂っているのだが、残念ながら自然界で見つけるのは困難きわまりない。
塊で浮いているらしいが、それを見つけられないというのだからものすごい透明度なのがわかる。研究施設でも自然界からもってきた卵ではなく、研究室で産卵した卵を使用して調査を行なっているようだ。
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【追加雑学】産卵後に死んでしまう動物とは?
ちなみに、産卵後に死んでしまうのはスルメイカだけではない。そこで、産卵後に死んでしまう動物をいくつか紹介しよう。
アンコウ
アンコウはとても神秘的な交尾を行う。オスはメスを見つけると身体の一部にかみつき、メスの身体の一部になっていくというのだ。
どういう意味なのかわかりにくいかもしれないが、言葉の通りで精巣だけが残るのだ。メスにかみついたまま身体は一体化していくため、内臓などもキレイに一体化し、最後に精巣だけとなる。
カゲロウ
カゲロウという昆虫もかなり神秘的だ。2~3年のあいだ水中で幼虫として過ごすのだが、神秘的なのはここからだ。
実は羽化すると口などの器官がなくなり、食べ物を摂取することができなくなるのだ。したがって寿命も1日程度とかなり短い。そのあいだに産卵のための相手を探す必要があるのだ。
つまり、産卵し子孫繁栄していくために羽化しているという珍しい生き物だ。
カマキリ
産卵時に命を落としてしまう生き物として有名なのが、カマキリではないだろうか。産卵中にメスがオスを食べてしまうのはよく聞く話だ。
食べられてしまうオスは、産卵のための栄養になると考えられている。
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雑学まとめ
今回は、スルメイカの産卵に迫ってみた。スルメイカの産卵は命がけで、子孫を増やすためにはそれも惜しまないことがわかった。
その他にも産卵中に命を落としてしまう生き物がいることがわかり、産卵が生命の神秘であるといわれている理由に近づけたのではないだろうか。
冒頭でもいったが、産卵後に命を落としたイカがスルメイカと呼ばれているわけではないので、安心してこれからもスルメイカを楽しんでほしいと思う。