春になると姿を見かけるようになるツバメ。温かい地を求めて旅をする渡り鳥だ。日本では夏に向けて巣を作り、子育てをして秋にはまた南へ渡っていく。
ツバメはよく人の家に巣を作っているのを見かけるが、ほかの鳥で家に巣を作っているところは見たことがない。なぜツバメは人を怖がることなく家に巣を作るのだろうか。
ツバメと人との関係を調べてみると、その秘密が明らかになった! 今回はその理由についての雑学を紹介していくぞ!
【動物雑学】ツバメが人の家に巣を作る理由
【雑学解説】ツバメが身を守るために選んだ場所が人の家だった!
ツバメは体長約17cmと小さく、くちばしも短いため外敵と戦うことが苦手である。そのため、天敵のカラス・ヘビ・スズメから身を守り、安心して子育てをするのに選んだ場所が民家なのだ。
人の出入りが多い玄関などは、人間を恐れて天敵たちが寄ってこないうえに、風雨もしのげるため、ツバメにとっては巣作りの絶好の場所なのである。
さらに、「ツバメの巣ができた家は幸運がくる」といった昔ながらの言い伝えが浸透している日本では、ツバメが巣を作ることを歓迎する人が多く、巣を壊したり、ツバメに危害を加えたりしないため巣作りにはもってこいなのだ。
そこでツバメは、人間に守ってもらいながら快適に子育てができる、人の家に好んで巣を作ろうとするのである。人間は特に何かをするわけではないが、ツバメの巣を温かく見守ることで、ツバメの子育てに貢献しているのだった。
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【追加雑学①】ツバメの巣ができると良いとされる理由とは?
それでは、なぜ人はツバメの巣が作られることを歓迎しているのだろうか?
実はツバメのエサは、蚊・ガ・ユスリカ・ハエ・シロアリといった虫で、作物や人間にとっての害虫なのだ。ツバメはそんな害虫を駆除してくれるため、農作物が豊富に育つといわれ、富の象徴として歓迎されていたのだった。
また、ツバメが巣を作るには温度・湿度・風通しなどの環境が素晴らしく、居心地が良い場所を好むため、そのような場所として選ばれた家ということから、「ツバメの巣が作られる家は良い家」といわれるのだ。
他にも、ツバメが巣を作る場所は人がたくさん出入りするところであり、それが繁盛している様子を連想するため、商店に巣を作ることが商売繁盛の兆しとして喜ばれることもある。
さらに、巣から落ちる糞からも「運がついた」と考えられたり、その糞が雑草の駆除に役立つとされていたりで、良いことと思われていたのだ。糞だらけにされたらたまらないのだが、昔の人はなんてポジティブ思考…。
今では家に巣を作られると、糞で汚されないように段ボールや傘などを使い糞よけを作って、自分の家を守りながらツバメと共存している人もいるくらいだ。
こちらの動画は、ツバメが巣を作り始めたため、段ボールでお手製の糞よけを設置しているお宅。こんな簡単なもので糞がよけられるのであれば、ツバメに巣を作られても歓迎できそうだ。
【追加雑学②】ツバメを傷つけると法律違反になる!
ツバメは野鳥であるため、ツバメとそのヒナや卵・巣を傷つけたり壊したりすると、鳥獣保護法に違反することになるのだ。最悪の場合、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金にあたるという。
子育てが終わって去っていった後の巣であれば壊してもよいが、ツバメは1シーズンに2回ほど卵を産むことがあるため、ヒナが全部飛び立った後も親鳥が残っていたら要注意である。
また、翌年の春になると居心地の良かった巣を待ち合わせ場所にして親鳥は戻ってくるといわれている。「来年もここでまた会おう!」と旅立っているのだろうか。ドラマティックなツバメたち…。
雑学まとめ
ツバメはなぜ人の家に巣を作るのか、その理由についての雑学を紹介してきた。ツバメは、天敵が近づけない民家に巣を作ることで、人間に守られながら子育てをしているのだった。そこには日本人の、ツバメを幸運のシンボルとして大事に扱う気質が大いに関係していた。
ツバメの巣が家に作られたときは、「ラッキー!」と思って見守ってあげると良いことがあるかもしれない…。
ただ、知らないあいだに作られた巣が扉の開閉の妨げになったり、糞で洗濯物を汚されたりしても、勝手に巣を壊したり撤去したりすると法律違反になってしまうため、近くの自治体に相談しよう。
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