先日、とあるテレビ番組を見ていたところ、世の中の言葉の正式名称を特集している内容があった。なかでも印象的だったのが「教科書」だ。皆さんは教科書の正式名称を知っているだろうか。その名は「教科用図書」である。
へぇ、と雑学を知ったときの定番のリアクションをしつつ、さらに驚いたのが、教科書が無料で配布されているのは日本だけという話だ。思い返してみればたしかに大学などは別だが、義務教育のあいだは教科書代金を支払った記憶はない。
それを当たり前のように感じていたが、海外は違うのだろうか? 先進国ならどこでも無料で配布していそうなものである。気になったので今回はこの雑学について調べてみた!
【生活雑学】教科書がタダで配られるのは日本だけ
【雑学解説】アメリカの教科書は貸し出し制。大学では有料レンタルサービスまである
調べてみると、アメリカの義務教育では教科書は学校からの貸し出しということがわかった。ちなみにアメリカは日本における高校までが義務教育とされている。
アメリカでは日本のように教科書は個人の所有物ではなく、次の学年へと引き継がれていく。そのため、大事なポイントを書き込んでおくといったことは禁止だ(ラクガキも)。
生徒たちは教科書を宿題で必要といった事情がなければ、学校のロッカーに置いて帰るらしい。いわゆる「置き勉」が当たり前なのである。日本では先生によっては怒られることもあるだろう。置き勉常習犯だった筆者からすると、うらやましいかぎりだ。
また、この教科書の貸し出し制度はアメリカ以外でもフランスやノルウェーといった国で採用されている。無料という意味では日本と一緒だが、大事に使わなければいけないプレッシャーはズボラな人にとっては苦痛かもしれない。
筆者もズボラな性格なので、置き勉が許されるなら日本のシステムのほうが好きという結論である。
さて、なんだかんだ制度は違えど教科書が無料なのは変わりないんだなと思っていた矢先、驚くべきサービスを発見した。なんとアメリカでは大学の教科書の有料レンタルサービスがあるのだ。
アメリカの大学の教科書は日本と同じように個人で購入することになっている。が! その値段が恐ろしい。科目によっては日本の大学で使われている教科書の2倍の値段はする。これでは学生のお財布事情は大変だろう。
そこに注目して生まれたのが教科書のレンタルサービスが生まれたそうだ。昔は卒業生や先輩後輩同士で中古品を売買していたそうだが、今では大学の売店や図書館でレンタルできるところが増えたらしい。
なんと、あのAmazonまで「Textbook Rentals」という教科書のレンタルサービスを提供している。紙の教科書だけではなく電子書籍としても扱っているそうだ。なんと便利な世の中!
筆者はあいにく勉強嫌いな学生だったが、こうして熱心な学生が楽になるサービスがもっと増えてほしいものである。
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【追加雑学】日本の歴史の教科書で変更のあったもの一覧
さて、教科書の話題ついでにときおりネットニュースとして駆け巡る歴史の教科書の変更点を一覧にしてみた。筆者もこの機会に古い知識をアップデートしなければ…! なお、すべての教科書に共通しているわけではないので気をつけてほしい。
大化の改新
蘇我氏が滅亡して、政治的な大改革が行われた大化の改新は長年、645年とされていたが今では1年ズレて646年になっているそうだ。ちなみに「大化」は日本で使われた初の元号である。
鎌倉幕府の成立年
鎌倉幕府は1192年に成立とされていたのが、1185年に修正された。年号では一番覚えやすかった1192(イイクニ)作ろう鎌倉幕府が使えないなんて…。
聖徳太子
旧一万円札の代名詞・聖徳太子。だが、聖徳太子は後世でついた呼び名ということで、2019年時点では本名である「厩戸皇子(うまやどのみこ)」と記載することが推奨されている。そ、そんな名前だったのか…。
だが、これは教科書によってバラつきがあり、どちらの名前で教えるかというのは論争がある。また、実在しなかった人物の可能性があるため、そもそも教科書に載っていないことも増えたのだとか。今後の展開に注目である。
以上が歴史の教科書で変更になったとされる箇所だ。これらは一例で探せば他にもまだまだある。当事は必死に覚えた年号が、後から実は違ったといわれたらなんだか虚しいものだ。人間の知識もwifiにつないでアップデートできたらいいのにな…。
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雑学まとめ
今回は教科書にまつわる雑学を紹介した。アメリカでは置き勉が当たり前とは驚くべき話である。日本ではなんだかんだ教科書を全部持って帰るのは重たくて仕方ない人が多いだろう。
しかし今の時代の流れを考えると、教科書もすべて電子書籍となって、学生はタブレット1つで勉強する時代が来るのだろうな…。筆者もオジサンと呼ばれないように日々ついていきたいものである。