サラリーマンの必需品、ネクタイ。父の日のプレゼントの定番の一つでもある。首周りの装飾として、ビジネスマンやフォーマルな場での男性が身に付けるネクタイであるが、実は健康には良くないという話がある。具体的には、脳に良くないのではないかというのだ。
今回の雑学記事では、そんなネクタイの健康への影響についてご紹介しよう。少し首元のネクタイを緩めて、目を通してみてほしい。
【人体雑学】ネクタイを巻くと脳に悪影響がある可能性
【雑学解説】ネクタイを巻くと脳の血流が下がる?
ドイツのシュレースヴィヒ・ホルシュタイン大学付属病院の研究で、ネクタイと脳の血流について調べたものがある。この実験では、平均年齢24.6歳の健康な男性30名を対象として、2つのグループに分けて行われた。この実験で着用したネクタイの結び方は全てウィンザーノットである。
- ネクタイを着用するグループ
- ネクタイを着用しないグループ
そして、全員をMRIにかけて脳をチェックした。MRIは状態を変えて、3回実施している。
- 1回目:オープンカラー(開襟)でネクタイを緩めに巻いた状態(ネクタイ着用前を想定)
- 2回目:その後、シャツのボタンを全部止めて、少しきつめにネクタイ巻いた状態(ネクタイ着用中を想定)
- 3回目:さらにその後、再びボタンを外して、ネクタイを緩めに巻いた状態(1回目の状態に戻して、ネクタイ着用後を想定)
その結果、ネクタイをしっかりと結んだ人はネクタイをしていない人に比べて、脳の血流(血液供給量)が7.5%下がったのである。(2回目の状態)
また、ネクタイを緩めた後も、ネクタイを結ぶ前に比べて、脳への血流が5.7%下がっていることがわかった。(3回目の状態)
う~ん、怖い話である。今のところ、ネクタイによって脳の血流が下がることで、どのような影響が出るかは不明となっているが、脳機能が低下する可能性もあるので注意したいところである。
研究者は、「あまりにタイトにネクタイを結ぶことは、すでに動脈に問題がある人には危険が高い」といっている。
つまり、喫煙者や高齢者など普段から血圧が高い人は、ネクタイをきつく結ぶことで頭痛・めまい・吐き気を起こす可能性があるということだ。
仕事や状況によってどうしてもネクタイを結ぶ必要があるときは、型崩れしない程度に少し緩めに結ぶのが良いかもしれない。
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【追加雑学】血流を改善する方法
ネクタイを結ぶことで下がってしまう血流を改善する方法があるので、いくつか紹介しよう。
① ストレッチ
5分くらいの時間で構わないのでストレッチを行なうと、リラックスできるとともに血流のバランスを整えることができる。両腕を頭の上で組んで伸びるストレッチなど、取り組みやすいものを試してみると良いだろう。
② 階段を利用する
特別に時間を設けることが苦手な人は、日常の移動の中で血流を改善してみてはどうだろうか。移動の際に、エレベーターやエスカレーターを使わずに階段を利用すると、ふくらはぎが刺激され血行が活発になる。
③ 辛い料理を食べる
体を動かしたくない人には、食べ物で血行を良くする方法もある。それは辛い料理を食べることだ。唐辛子などに含まれているカプサイシンには、代謝を良くして体を温める効果があり、血行促進につながるのである。仕事の昼休憩に激辛料理を食べると、血流改善の即効性はかなり期待できる。
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雑学まとめ
今回は、ネクタイの健康への影響についての雑学をご紹介した。
ネクタイを巻くと脳の血流が下がることには驚いた。ネクタイを締めるということは、軽く首を絞めている状態と同じということかもしれない。脳の機能が低下しないか心配だ。
そう考えると、クールビズというのはエコだけでなく、ヘルシーということになる。働く人のことを考えた非常に良い取り組みなのだろう。であれば、年中そうであればいいのにと思う。
普段ネクタイを巻いている人は、仕事中などに考えが煮詰まったら、注意されない範囲でネクタイを緩めてみるのもアリだろう。そうすれば、脳の血流が多少は回復し、良いアイデアが生まれるかもしれない。