町中でよく見かける野良猫。田舎でたまに遭遇できたりする野良犬。脇道から飛び出してくる狸。
ハクビシンや猪、地域によっては鹿や熊など。遭遇したことある野生動物といえば、大体こんなところだろう。
だがしかし、あなたは遭遇したことがあるだろうか? 野生の馬に。
今回は、野生の馬「御崎馬」についての雑学をご紹介しよう!
【生活雑学】宮崎には野生の馬が生息する場所がある
【雑学解説】300年以上も放牧されている御崎馬
日本在来馬とは、読んで字のごとく日本に在来する馬。外国産の馬と交わることなく育ってきた大和魂全開の馬たちだ。日本には現在、8種類の日本在来馬が生息しているが、国から天然記念物指定されているのは御崎馬だけだ。
そんな日本在来馬代表の御崎馬。その歴史は江戸時代前期にまでさかのぼる。
現在の宮崎県児湯郡高鍋町を中心地とした高鍋藩の秋月家が、軍事用の馬を育てるため、1697年に藩営牧場(現在の御崎牧場)で馬の放牧をはじめた。
この馬たちはほとんど人の手で管理をされていない。エサを与えるなどのことは一切せず、繁殖も育成も自然任せだ。それがそのまま300年以上も続いている。
これは99.9%野生といっていいのではないだろうか。
今では、ほぼ野生状態を維持された希少な日本在来馬として宮崎県串間市の重要な観光資源となっている。御崎馬は現在120頭ほど生息している。
こちらがその御崎馬を見られる動画だ!
丘の上でゆっくりと暮らしている。本当に馬の世界といった感じでなんだか癒やされた。
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【追加雑学①】分類はポニー
馬というと競馬場にいるに品種改良されたサラブレッドようなに大きくスタイリッシュな馬を想像するだろうが、御崎馬はサラブレッドに比べると一回り小さい。
御崎馬はサイズからして147cm以下の馬の総称であるポニーに分類される。
その体もがっちりとして・頭が大きい。日本在来馬の中では、農耕馬(足が太い)より乗用馬(足が細い)の特徴が出ている。
ポニーの特長として温厚があげられるが、御崎馬たちも警戒心はかなり低い。駅前にいるハトレベルで人馴れをしているため、思った以上に接近できる。ただ、そうはいっても野生なので限度を超えた接近はご法度だ。
当然、むやみに触れたり、エサを与えようなどしてはいけない。後ろから近づこうものなら、物凄い蹴りをお見舞いされることになるので注意が必要だ。
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【追加雑学②】純国産馬じゃなくなりかけた?
そんな産地偽装なしの純国産な彼らだったが、国策として肉体改造の対象となった時期があった。これは御崎馬に限らず、全国の馬が対象となった。
都井岬に派遣されたのは洋種馬の父をもつハーフ種馬・小松号。1年ほど都井岬に放った結果、数頭の馬が生まれた。それ以来、小松号の特徴である栗毛・流星・鼻白などの特徴をもつクォーター御崎馬が出てくるようになったが、その数は限られたものに留まっている。
そのため御崎馬は現在も健在である。
雑学まとめ
御崎馬についての雑学、いかがだっただろうか。野生とはいえ一応管理されているので、会うためにはお金が必要だ。都井岬入り口の「駒止の門」で、車は400円・バイクは100円を払う必要がある。これは都井御崎牧組合の保護・管理の協力金という扱いになる。
4・5月に会いに行けば「春駒(はるこま)」と呼ばれる1歳未満の子馬にも会える。午年の元旦には、ぜひ都井岬で馬たちと一緒に日の出を撮ってみるなどしてみてはいかがだろうか?
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