みなさんは、「トルコ石」をご存じだろうか? トルコ石は、夏の空のようで鮮やかな青色が特徴的な世界でも大変人気のある「宝石」である。そして「12月生まれの誕生石」ということはわりと知られた話だが…。
実はトルコ石が「トルコ」という名がついていながらも「トルコでは採れない石」だということは、あまり知られていない。
今回は、いったいどうしてトルコ石と呼ばれることになったのか、雑学としてご紹介する。そして、あの美しい青い石に秘められた意外なヒミツにも迫ってみたぞ!!
【世界雑学】トルコ石はトルコでは採れない
【雑学解説】トルコ石は「トルコ産」だと勘違いされてた
13世紀以前までのトルコ石は「カレース」と呼ばれていた。これは「美しい石」という意味をもつ言葉。とても素敵な名前である。
やがて13世紀ごろになると、トルコの商人たちがペルシャ(現在のイラン)一帯の産地を巡ってトルコ石を買い取り、トルコを「経由」してヨーロッパや地中海地方で売っていた。
その後、石をトルコの商人から買い取っていたフランスの商人たちが、トルコで採れたものだと勘違いし「トルコ人の石」という意味で「トルコ石」と呼び出したのが、この名前が広まるきっかけになった。
産地はトルコではなかったのに、毎度トルコを経由するかたちで売られていたため、このようなことになってしまったというわけだ…! まさかの勘違いから始まった呼び名が現代にまで続くとは…。
トルコ石にはさらにもうひとつ呼び名がある
カレース→トルコ石と名前が変化してきたトルコ石だが、実はもうひとつ有名な名前がある。それは、「ターコイズ」だ。ターコイズとトルコ石はまったく同じものである!
ちなみにターコイズは英語での名前。トルコ石は「アリゾナ(アメリカ)」も産地なので、そちらではターコイズの名前で通っていたのだろう。
実際のトルコ石はこちらの動画で見られる。色鮮やかな石だ…。
【追加雑学①】トルコ石は歴史上、最も古い宝石と呼ばれている
トルコ石の歴史はとても古く、メソポタミア(現在のイラクの一部)から約6000年前のトルコ石のビーズが見つかっている。こんなに大昔から宝石ってあったんだ…!
6000年前といえば、日本は縄文時代。縄文土器が生まれたことによって食料の煮炊きや加工などが出来るようになり、食生活が大幅に進化したころにあたる。
トルコ石はそんな大昔から、ブレスレットやネックレスなどの装飾品や日用品などに加工され、世界中の人々に愛されてきたのだ! 昔の人々もおしゃれには気を遣っていたんだな…。
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【追加雑学②】トルコ石の古い言い伝え
トルコ石には古い言い伝えがいくつも存在していて、これがまた興味深くおもしろいものだったのでいくつかご紹介しよう!
1.身につけた者を不幸や危険から守る
トルコ石にまつわる話がいくつかある。
- 持ち主に危険がせまると色の変化で知らせてくれる
- 「人が神から授かった石」とされ、神に背くような悪いことをするとそれまで色鮮やかだったトルコ石が一瞬で色あせる
- アメリカの先住民であるインディアンたちには「魔除けの石」としてお守りとして大切にされていた
…なんだか、映画にでも出てきそうな伝説だ。水分が抜けるなどの環境の変化で変色することのあるトルコ石は、昔の人々からしたら「魔法の石」のような、不思議な力があったと信じられていたのかもしれない。
2.プレゼントすると、送った人も幸せになれる
なかにはこんな幸せな言い伝えも存在する。
- 女性から男性にプレゼントをすると、送られた男性だけではなく送った女性自身にも幸せがおとずれる。
大昔、トルコ石は良くも悪くも、様々な効果があると言い伝えられていた。しかし自分で買ったものではなく「プレゼントされたもの」でないと効力がないとされ、結婚などのお祝いごとの贈り物として最も喜ばれるものであった。
昔のご祝儀のような存在だったんだろう。素敵な話である…。
雑学まとめ
トルコ石についての雑学、いかがだっただろうか。まさか、トルコ石が勘違いから名付けられたものだったとは意外だった。勘違いとはいえ今でも呼ばれ続けていることにも驚きだ!
日本の、お金を贈るだけのご祝儀もいいが、トルコ石のようなしあわせを願った贈り物でお祝いするのも素敵だな…!
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