多くの映画の影響から「無人島」と聞くと、ジャングルのような場所で猛獣がいる場所を想像する人も多いんじゃないだろうか? 無人島は海外だけと思うかもしれないが、実は日本にも存在する。
ちなみに日本の無人島…その数、なんと6415。え? そんなにあるの? と思わずびっくりするような数だ。その数ある無人島で国内一大きいとされるのが「渡島大島(おしまおおしま)」という無人島である。
渡島大島か…。いったいどんな無人島なんだろうか。今回は日本一大きいとされる渡島大島の雑学を紹介していこう。
【自然雑学】日本で一番大きな無人島は北海道の「渡島大島」
【雑学解説】渡島大島は北海道の西の端に位置する無人島
北海道の道南・松前町の沖から50キロメートルほど離れた場所にある島、それが日本一大きな無人島「渡島大島」だ。
日本一大きいというと相当大きいんじゃないかと思うかもしれないが、渡島大島の面積は9.73平方キロメートル。追加雑学②で紹介している画像の地図を見てもらえると、ポツンとした米粒ほどの大きさであることが分かる。
想像していたよりも小さかったという人も多いかもしれないが、これよりも大きな島には全て人が住んでいるのだ。
ちなみに、渡島大島と同じく北海道にある天売島(てうりとう)・焼尻島(やぎしりじま)は、渡島大島の半分ほどの面積しかないにも関わらず、人が住んでいる。
ではどうして、渡島大島は無人島なのか?
渡島大島がなぜ無人島かというのは、ハッキリとした理由は実はよく分かっていない。最も有力といわれている理由は、本土から渡島大島までおよそ50キロと離れすぎているからではないかというものだ。
そうだよな…。海を挟んで50キロも離れているんだもんな。ちょっとそこまで…と、気軽に行けるような距離ではない。
もしも渡島大島だけしか入手できないような、珍しい何かがあれば無人島ではなかったのかもしれない。だが、現状そういったものは残念ながらみられない。
ほかにも、渡島大島はほとんどが山岳地帯で住居として生活するのが難しいからではないか、というのが無人島の理由として挙げられている。
もしも「そんなことはない! 渡島大島にも人は住めるんだ!」と熱い気持ちのある人がいるのであれば、試しに渡島大島に渡り、生活を始めてみるのも良いかもしれない。といってもライフラインは本当に何もないから、渡島大島で生活するのは至難の業といえるだろう。
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【追加雑学①】天然記念物オオミズナギドリの繁殖地でもある
渡島大島は国の天然記念物・オオミズナギドリの北限の繁殖地としても指定されている。
え? オオミズナギドリがどんな鳥か分からないって? そんな人のためにオオミズナギドリが飛んでいる映像を紹介しよう。
海面を飛んでいる多数の鳥が、オオミズナギドリである。ちなみに名前の由来は、海面を低く体を左右に傾けて飛ぶ姿から付けられている。遠目からみるとカッコイイが、予測できない動きをするため、身近で見ると怖そうだとも思う。
このオオミズナギドリは国内でも繁殖地が非常に少なく、渡島大島は国内で唯一の保護指定地として認定されている。まさに、オオミズナギドリにとってかけがえのない場所でもある。
しかし、1930年代頃に人間が渡島大島にウサギを持ち込み、そのウサギが爆発的に増殖し、あろうことかオオミズナギドリの巣を占領してしまう…という問題が起きている。
渡島大島に持ち込まれたウサギも恐らく、人によって捨てられたウサギだから、ウサギ側からすればウサギも被害者だと主張するだろう。
さらに近年、港の整備により渡島大島の上陸が以前より簡単になってきている。これによって、さらに渡島大島の自然環境・オオミズナギドリの生態系に影響が出るのでは? と危惧されている現状だ。
【追加雑学②】無人島なのにマクドナルドが出現!?
渡島大島はれっきとした無人島。そんな無人島に、2015年突如マクドナルドが出現したことがある。しかも店名が「マクドナルド恭子」…。
もちろん、渡島大島にはマクドナルドは存在していない。というよりいまだ無人島である。
Googleの間違いだろう、という結論になったが一時期「無人島にマクドナルド出現!?」と、Twitter上で話題になった。ひょっとしたら、当時Twitterで実際にツイートを見たことがある人もいるかもしれない。
マクドナルド恭子店とは pic.twitter.com/TZVmiXlMxK
— てぃーえー (@ta_castlepoint) April 5, 2015
なぜ渡島大島にマクドナルドが登録されたのかは、いまだ分かっていない。そして、この「マクドナルド恭子」という店名も謎である。もしも、この謎の事件の真相を知っている人がいたら、ぜひ教えてほしい。
雑学まとめ
「渡島大島」についての雑学、いかがだっただろうか。日本一大きな無人島「渡島大島」は、国の天然記念物「オオミズナギドリ」の貴重な繁殖地でもある。
渡島大島への上陸は文化庁の許可が必要なため、一般人が渡島大島に訪れることはまずないかもしれないが、オオミズナギドリがこれ以上他の動物から被害にあわないよう、見守りたいと思う。