なぜ食べ放題のことをバイキングというのか、考えたことはないだろうか。
バイキングは戦場だから?
インスタ映えにとりつかれた者、もとを取ろうと高級食材にばかり群がる者、おかずとデザートがごちゃ混ぜになった無法地帯の皿を持つ者…。
なるほど、フォークは武器、皿は盾というわけか! 一理ある…のだろうか?
それでは、なぜ食べ放題のことをバイキングというのか、今回はこの雑学をいっしょに見ていくことにしよう!
【食べ物雑学】食べ放題"バイキング"の名前の由来とは?
【雑学解説】バイキングの由来となった「インペリアルバイキング」
「バイキング」は日本オリジナルの意味をもつ英語、つまり和製英語である。英語のViking(バイキング)は、かつて西ヨーロッパ制覇していた海賊を指す言葉だ。
では、なぜ日本では食べ放題のことをバイキングというのだろうか? これにはあの帝国ホテルが深く関係していた…!
昭和32年(1957年)、当時の帝国ホテル社長・犬丸徹三は新しいレストランのアイディアに煮詰まっていた。そんな時に出会ったのが、デンマークのコペンハーゲンで知ったスモーガスボード!
スモーガスとはサンドイッチのこと。つまり、スモーガスボードとは、テーブルから肉や魚など様々な具を好きに選んで、自分が食べたいオープンサンドを作る形式の食事である。犬丸氏はパリで研修中だった料理人に研究を命じ、日本初の食べ放題レストランのオープンを目指す。
オープン間近、ぶち当たったのが新レストランの名前だ。スモーガスボードという名称になじみがないことから、犬丸氏は社員たちからレストランの名前を募集する。
ここで複数の社員が挙げたのが「ヴァイキング」であった。「ヴァイキング」は1958年製作のアメリカ映画で、ちょうど帝国ホテル近くの映画館でも上映されていた。
映画の中で海賊たちが豪快に食事するシーンがあったのだが、これがスモーガスボードのイメージとぴったりハマっていたのだ!
このような経緯で帝国ホテルの新レストランは「インペリアルバイキング」と名づけられる。それ以降、バイキングという呼び方は食べ放題の代名詞として全国に広がっていく。
また、今でこそバイキングはお得なイメージが強いが、開業当初は何せ帝国ホテルということもあり、結構な高級価格帯だった。それにも関わらず、押し寄せる客で行列の日々が続いたという。
その後も「インペリアルバイキング」は改良を重ね、平成16年(2004年)に「インペリアルバイキング サール」としてリニューアルオープン! 朝食からランチ、ディナーまで網羅している。
こちらは、バイキングの呼び名の元となった帝国ホテルにある「ブッフェレストラン インペリアルバイキング サール」の動画だ。
価格は平日と休日で変わるが、大体5000円~8000円前後と、なかなか気軽には行けないお値段…! だが、機会があればぜひ行ってみたいものだ。
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【追加雑学①】バイキングとビュッフェの違いとは?
ここ最近、食べ放題のことを「ビュッフェ」と表現することが多くなってきた。バイキングとビュッフェの違いが分からない、という人もいるだろう。
結論からいうと、バイキングとビュッフェは同じ「食べ放題の食事スタイル」という意味で使われている。よって、どちらを使っても間違いではない。
しかし、ビュッフェは本来立食形式を意味するため、「好きなものを食べる」ところは同じでも、定額料金で好きなだけ食べられるバイキングと違い、おそろしや、「食べた分だけ請求される」ことも…! 加えて、こちらは国際儀礼でも使われている。
海外や畏まったパーティーのビュッフェに参加する場合はご注意あれ!
ちなみにビュッフェは、もともとフランス語で「飾り棚」という意味がある。飾り棚の上に置いてある料理を取ってきて、立ちながら食べるスタイルが流行していたそうだ。
【追加雑学②】バイキングのおすすめの食べ方3箇条
最後に、バイキングの食べ方で役立つだろう3箇条を伝授しておこう。
- その1:朝食は抜かない(空っぽの胃は機能が鈍る)
- その2:軽く運動するのもおすすめ(消化機能を促進するため)
- その3:味の薄いものから濃いものへ(スイーツならゼリー&果物→ケーキ→プリンやムース)
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【追加雑学③】食べ放題は英語で何て言うの?
バイキングが海外で通じないことは理解できた。では、英語で食べ放題と表現したいときは何といえばよいのだろうか?
最もスタンダードなのが「All you can eat」である。直訳すると「あなたが食べられるすべてのもの」となる。
もう1つ、「Buffet」という呼び方もある。これは日本でいうビュッフェのことだが、正式な発音は「バフェ」なので注意したい。
バイキングの雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。バイキングの由来は映画「バイキング」だった!
「北欧だしバイキングにするか~」ななんとも安直…ではなく、わかりやすさを重視してつけたネーミングがここまで定着するとは、当時の帝国ホテルは想像できただろうか?
都市伝説のような由来でちょっと拍子抜けしまったが、「バイキングは戦場だから」は、あながち間違っていなかったのかもしれない。ただし、我々は野蛮な海賊ではないので、くれぐれも食事マナーには気をつけたいところだ。
ちなみに、帝国ホテルのバイキングレストランではオープン記念日の8月1日を「バイキングの日」としている。この日だけは伝統的なスモーガスボードを味わえるらしいぞ!
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