「180℃の開脚ができるようになりたい!」などと、柔らかい体に憧れたことがある人は多いだろう。女性なら体が柔らかい人はたしかに綺麗なイメージがあるし、実際、痩せやすい体質にもなる。
もちろん男性だって、スポーツをするときに有利だったり、疲れにくくなるので、私生活のパフォーマンスが上がるメリットがある。
ただストレッチなどの習慣は、1日2日では意味がないとわかっていても、なかなか続かないものだ…。そして、そうやって挫折した経験がある人なら、一度は耳にしたことがあるであろう「酢を飲むと体が柔らかくなる」という噂がある。
本当に酢を飲むだけでいいのか? 今回はその真相に迫ったぞ!
【食べ物雑学】「酢を飲むと体が柔らかくなる」はウソ!
【雑学解説】「酢を飲むと体が柔らかくなる」というデマが生まれた経緯とは…
酢を飲むと体が柔らかくなるという噂は、結論からいって勘違いである。
フランス料理の「マリネ」という手法は聞いたことがある人も多いだろう。
日本では「南蛮漬け」などといわれていたりもする。あれは酢やレモン汁などを混ぜた液体のなかに、肉や魚を浸しておくことで風味を付けたり、柔らかくしたりするための手法だ。
そう、お察しの通り、この「酢に浸けておくと肉や魚が柔らかくなる」というところから、「酢を飲むと体が柔らかくなる」という勘違いに繋がっているのである。
マリネでどうして肉が柔らかくなるかというと、酸性の液体に浸けることで、肉に含まれるたんぱく質の分解や、コラーゲンのゼラチン化(ドロドロになること)が促進されるからだ。
同じ理屈で体が柔らかくなるというなら、酢を飲むと筋繊維が分解されてしまうということではないか。そんな危険なものを食用として扱うわけがない。毒薬じゃないのだから…。
酢の健康効果からの勘違い?
またこの噂は、「とあるサーカス団が公演の後に、酢を飲んでいるのを目撃したところから広まった」という話もある。
しかしサーカス団が酢を飲んでいたのは、酢に含まれるクエン酸やアミノ酸に、血行を促進し、肩凝りや疲労を回復する効果があるからだろう。ストレッチなどと組み合わせれば、次の日に疲れを持ち越さない、よい習慣となりそうだ。
そう考えると関わりはないともいえないが…。やはり飲むだけで体が柔らかくなるなんて美味い話はなかなかないのである。
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【追加雑学】酢にはうれしい健康効果が目白押し!
体が柔らかくなるというのはデマだが、酢には疲労回復や肩凝り解消以外にも、以下のようにたくさんの健康効果があるぞ!
- ダイエット
- 便秘解消
- 血糖値の抑制
酢には脂肪をエネルギーに変換したり、燃焼させたりするアミノ酸やクエン酸はもちろん、脂肪の蓄積を抑える酢酸も含まれているので、ダイエットには高い効果が期待できる。しかし脂肪の燃焼も運動あってのものなので、ただ酢を飲んでいればOKというわけではないぞ!
また腸内の悪玉菌・善玉菌のバランスを整えてくれる働きもあり、便秘解消および美肌にも効果がある。女性には総じてうれしい食品だ。
そして酢酸には血中脂質を低下させる作用もあるので、糖尿病などの生活習慣病が気になる人にもオススメ。体は柔らかくならないかもしれないが、これだけ健康効果があれば十分ではないか!
食事に取り入れるのもいいが、最近は以下の動画で紹介されている「ホンチョ」のような、フルーツフレーバーの酢も販売されているぞ。これなら自炊をしない人でも、気軽に取り入れることができそうだ! ぜひお酒で割って飲んでみたい…。
酢の雑学まとめ
酢を飲めば体が柔らかくなるというのは、残念ながらデマだった。しかし記事内で触れたように、酢のもつ疲労回復の効果にストレッチなどを合わせれば、直接的でないにしても、体を柔らかくする習慣のサポートにはなる。
またダイエットなどその他の健康効果にしても、結局は運動ありきだ。健康な体作りにはトータルのバランスが大切なのである。
とはいえ、その足掛かりとしてまずは酢を食事に取り入れてみるというやり方は大アリだ。そもそも習慣は、ひとつずつ、少しずつ身に付けていくものではないか。