春になると憂うつになる花粉症の人は、年々増加している。また、食物アレルギーをもつ人も昔に比べるとかなり増えている。食品関連会社や飲食店ではアレルゲンとなる原料の表示が義務付けられ、怠ると大きな責任問題になる。
さらにハウスシック症候群という、新築の家の建材に含まれる化学物質に反応を起こす病気もある。一昔前は聞いたことがなかったはずだ。アレルギーは現代病といえるだろう。
なぜ現代人はアレルギーを発症しやすいのだろう。様々な説があるが、ひとつには、生活が近代化するにつれて生活環境が清潔になったことが考えられる。
きれい過ぎるところで育ってきた人は、免疫機能が鍛えられていなくて、外からの刺激に弱くなるというわけだ。そのため、実際発展途上国より先進国の方がアレルギーの人の数が多い。
中には“水”にでさえもアレルギー反応を起こしてしまう人がいるという。生活の中で欠かすことのできない水に拒否反応が出るなんてことがあるのだろうか? 今回の雑学記事では、そんな水アレルギーの真相にせまるぞ。
【人体雑学】「水アレルギー」とは?
【雑学解説】水アレルギーになると、自分の涙や汗にも反応してしまう
世にも珍しい水アレルギーは、世界でもまだわずか35例しか確認されていない。2億人に1人ほどの確率で発症する奇病だ。
その名の通り、水に対して体が異常な反応を起こす。「アレルギー」という名前だが実際にはアレルギー性の病気ではない。別名「水蕁麻疹」という。
アレルギー性とは、アレルゲンとなる物質が体内に入ってきたときに、身体の免疫機能が働いてそれを排除しようとすることで、様々な症状を引き起こすものである。
しかし、水アレルギーの場合は体内で起きるわけではなく、水による物理的刺激が原因で起こる症状なのだ。皮膚に水がかかると15分後には赤く腫れあがり、痛痒くなったり、ときには激痛を伴う。
水をたくさん飲むと呼吸が苦しくなることもある。お風呂やプールなどで水に長時間浸かるなら、ショックを起こして死に至ることさえある。非常に恐ろしい病気だ。
水アレルギーになると、雨やシャワーの水だけでなく、自分の涙や汗・唾液などに反応することもあるという。症状は数時間で収まるが、本人にとってはとても苦痛だ。日常生活の中で、水に触れずにはいられないからである。
そのため水アレルギーの人は、シャワーも週に1~3回ほど、時間もたったの数十秒から1分にしなくてはならない。いつ雨が降るかわからないので外出も最低限にしている。
また、涙が出ないように感動する映画も控え、いつも感情をコントロールしなくてはならない。汗が出るため運動も十分にはできない。水を飲むのさえ2、3口にとどめる必要がある。
制限ばかりで普通の生活が送れないというのは大きなストレスであろう。しかし現代の医療では有効な治療法はない。大量の抗ヒスタミン剤(アレルギーの薬)を予防的に服用し、とにかく水を避けるしかないという。
患者数は少ないとはいえ、一刻も早く研究が進められて、普通の生活が送れるようになることを願うばかりである。
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【追加雑学】その他の珍しいアレルギー
他にも意外なものが原因になる、珍しいアレルギーが存在するという。ここでいくつかご紹介しよう。
「運動誘発アナフィラキシー」という、運動によって起こるアレルギーがあるという。また何か特定のものを食べた後に運動すると発症する、「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」もある。
「人体精漿(せいしょう)過敏症」という、精子に対するアレルギーも存在する。女性に多いが、男性が発症して、自分の精子に反応してしまうこともあるという。当然性行為が難しくなるが、コンドームの使用である程度防げるようだ。
さらに、女性が自分の月経ホルモンに対してアレルギーを示すこともある。重症の場合には、卵巣を取り除く人もいるという。
こうした奇妙なアレルギーがなぜ起こるかについて、科学者もまだはっきり解明できていないようだ。
雑学まとめ
今回は珍しくて恐ろしい、水アレルギーについての雑学をご紹介した。もし水アレルギーにかかったら、生活がすべて一変してしまうほど大変であることがわかった。
世界には他にも不思議なアレルギーが存在する。すべての物質や現象はアレルゲンになり得るようだ。会社でどうしても苦手な上司がいたら、アレルギーということにできるかも!?
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