ワインといえば世界中で愛されているオトナの飲み物だ。気の置けない仲間と「ルネッサーンス」なんてグラスを傾けるのはどこでも見られる光景だ。
ワインをついつい飲み干してしまい、気が付けば一本、また一本と次々と空のボトルが量産されてしまうのも酒好きになら必ずあるエピソードではないだろうか。
これも、飲みやすくておいしいワインがいけないのであって、私には何の責任があるだろうか!
そう考えると、アルコール度数がきつくて、ストレートじゃ飲めないなんてワインはないのである。みんなおいしく飲めてしまう。ウィスキーや焼酎はストレートだと厳しいのに、ワインはストレートでも簡単に飲めてしまうのはなぜだろうか?
【食べ物雑学】ワインのアルコール度数が低い理由とは?
【雑学解説】醸造と蒸溜の違い
お酒の種類には大きく分けて、アルコール度数が高めの「蒸留酒」と、アルコール度数が低めの「醸造酒」がある。
これが出来上がったアルコール度数に大きく影響してくるのである。
ワインのアルコール度数が20度以上にならないのは、ワインは醸造酒であるからなのだ。
醸造酒とは
醸造酒とは、蒸溜にかけないお酒のことである。
アルコール度数が高くなると、アルコールを作っている酵母が死んでしまうために、醸造酒の上限は20度未満となっているのだ。
日本酒やワインといった醸造酒のアルコール度数の上限が、およそ17度なのはこのためである。
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蒸留酒とは
蒸溜酒とは、できあがったお酒を蒸溜することによって、より強いアルコール度数にしたお酒のことである。
水の沸点はご存知100℃であるが、アルコールの主成分のエタノールはおよそ78℃が沸点なのである。その沸点の差を利用すれば先に気化したエタノールを集め、再度冷やして液体にすることにより水とアルコールを分離することができる。
この作業を蒸溜と呼ぶ。また、蒸溜することで他の細菌が繁殖しにくくなり、長期保存が可能になるのだ。
つまるところ、すべてのお酒はまず醸造酒としてうまれ、そのあとに蒸溜されることとなるのだ。
【追加雑学】醸造酒と蒸留酒の関係
醸造酒を蒸溜酒にすると以下のようになる。
- ビール→ウイスキー
- 日本酒→米焼酎
- ワイン→ブランデー
- シードル→カルヴァドス
こちらに挙げたのは便宜的な例で、ビール会社でウイスキーを造っているわけではないし、ブランデー工場でワインを作っているわけではない。
それぞれ一番おいしくなるようにウイスキーはウイスキー用の醸造を、ビールはビール用の醸造をしているのだ。
「ワインの度数」の雑学まとめ
というわけで、ワインが20度を超えない理由は、醸造では20度以上になると酵母が死んでしまうためそれ以上の度数にしてはいけないから…という結果であった。
お酒が作るのは簡単だが、そのお酒をおいしくするには何百年という時間を要す。もはや、過去の英知の結晶といっても過言ではないのだ。
さて、今宵もその過去の英知をおいしく飲めることを感謝し、実際に本当においしいのかを確かめるためにワインを開けることとしようか。
最後に一言。お酒は二十歳を過ぎてから。これ絶対ね。