12月。年末が近づき、クリスマスのころになると訪れる「冬至」。意識しないでいると、毎年なんとなーくやってきて、一瞬で通り過ぎてしまう日だけど、「冬至っていったいなんなの?」そう疑問に思ったことはないだろうか。
一般的なイメージでは、「柚子(ゆず)をお風呂に浮かべて入る日」の冬至だが、日本は広い…! 柚子風呂以外にもさまざまな「冬至の慣習」をしている地域が存在する。今回の雑学では、その中から「ん」のつくものを食べるという一風変わった慣習についてご紹介しよう!
【生活雑学】冬至には名前に「ん」がつくものを食べる
これは、「いろは順(現代でいうところの「あいうえお」)」の最後の文字である「ん」のつくものを、その年の締めくくりである「冬至」に食べることで「運気をアップしよう」という考えから始まった慣習だった!
【雑学解説】「ん」のつくものを食べると運気が上がる?
さて、なぜ「あ」でも「い」でもなく「ん」で運気が上がるといわれているのか。たとえばそれが「す」であったなら、「寿司」や「ステーキ」を食べる日だったかもしれないのに…! その疑問の答えを知るには、「冬至」とはどのような日なのかを詳しくお伝えしなければならない。
「冬至」とは、「一年のうち最も日が短い日」なのである。そして、冬至をすぎると日の長さが少しずつ長くなっていき、季節は春へと向かっていく。このことから、昔の人たちは冬至を「一年のはじまりである」と考えていたのだ。
「一陽来復(いちようらいふく)」…これは「冬至」をあらわす中国の言葉である。夏至から冬至に向けて日が短くなり力も弱まっていくが、冬至をきっかけに日の力がだんだんと強まっていき、それにともなって運気も上がっていく、という意味なのだ。
そして、日の力が一年で最も弱い冬至にいろは順の最後の文字を「食べる」ことは、縁起がよいことだと捉えられていたのだ…! 日本人って、昔から縁起がよいことやゲンをかつぐことが大好きなんだなあ。
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【追加雑学①】冬至には、どんな「ん」のつく食べ物が食べられているの?
縁起のよいとされる「ん」のつく食べ物には、どんなものがあるのだろう。どうやら頭に「ん」がつかないといけない、などの厳しいルールはなさそうで、ひと安心である。以下の食べ物が冬至に食べられている「ん」のつくものである。
- ナンキン(南京=かぼちゃ)
- ぎんなん(銀杏)
- にんじん(人参)
- きんかん(金柑)
- れんこん(蓮根)
- かんてん(寒天)
- うんどん(うどん)
このほかにも「みかん」や「大根(だいこん)」なども縁起がよいとされている。これらの七つの食べ物には「冬至の七草(とうじのななくさ)」というかっこいいグループ名があるのだ。
「春の七草」の冬バージョン、といったところだろう。ところで…うどんとか全然草じゃないけど七草でいいの?
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【追加雑学②】「ん」だけじゃない!冬至に食べるとよいとされるもの
冬至に食べるとよい、といわれるものには「冬至の七草」以外にもこんなものがある! 冬至の七草が苦手な人にはこっちから取り入れるのがおすすめ!
- 冬至がゆ…小豆(あずき)をいれたおかゆのこと。小豆の赤い色が邪気を払ってくれる厄除けの効果がある。
- こんにゃく…北関東の地域では「砂払い(すなはらい)」「砂おろし」と呼ばれていて、こんにゃくを食べることによって体内に溜まった悪いものを、体外へ追い出してくれると伝えられている。
- いとこ煮…小豆とかぼちゃの煮物。どちらも縁起が良いといわれるもので、食べると風邪をひかない、健康でいられるとされている。
雑学まとめ
「ん」のつく食べ物って意外に多いんだ! 筆者はかぼちゃも小豆もこんにゃくも、今回の雑学で紹介したものは全部好きなので、冬至にはぜひ「ゆず湯」に入るのに加えて「冬至の七草」を食べたい。
しかししつこいが、まだちょっと納得いかないのが、「うどん」だ。なんで七草やねん!