日本には文化や風習が数多く存在する。たとえば、新しい年を迎える際には年越しそばを食べたり、節分には豆をまいて鬼を祓ったりと、日本独特の行事が多々ある。
小さい頃からそういった風習が身近にあるため、特にその理由について考えたことはないのではなかろうか。この日はこうする日なんだ、といった認識で昔から伝わる風習をまた子孫へと伝えていく。
しかし、どうしてそうするのか理由を知りたい人もいるだろう。今回の雑学では、「冬至にはゆず湯に入る」という風習について調べてみたいと思う。なぜ冬至にはゆず湯なのか? その理由を解説していこう!
【生活雑学】どうして冬至にはゆず湯に入るの?
【雑学解説】冬至にゆず湯に入る理由には2つの説がある
前述のとおり、二通りの説が存在する。語呂合わせ説から解説していこう。
冬至にかけた「湯治」とは、温泉地に長期間(少なくとも一週間以上)滞留して、病気の温泉療養を行う行為のことである。ゆずにかけた「融通が利く」とは、一体何に対しての事柄なのかは定かではない。
どちらかといえば、ゆず自体に意味がある説の方がしっくりくるかもしれない。ゆず湯に入るのは、禊(みそぎ)の名残りではないかといわれている。冬が旬のゆずは香りが強く、強い香りには邪気が寄り付かないと考えられていたという。
要約すれば、新しい年を迎えるにあたって、無病息災で一年を過ごすための禊の意味をもつのではないかということだ。
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【追加雑学①】ゆず湯の実際の効果は?
ゆず湯に入るのは、良い年を迎えるための願いが込められた風習であることはわかってもらえたと思う。しかし願いとは別に、ゆず湯には実際に期待できる効果が多々あるのだ。
まずは血行を促進する効果である。これはゆずに含まれる精油成分の働きのおかげであり、冷え性を緩和させたり、体を温めて風邪を予防したりといった効果が期待できるという。
次に芳香成分によるリラックス効果である。ゆずの香りによって精神安静し、気持ちの切り替えなどにも効果的だそうだ。
さらに、ゆずに含まれるリモネンやα-ピネンなどの成分による抗菌・消炎の効果もある。冬の大敵である、ひび・あかぎれに効き目があるようだ。
昔の人はゆずの成分についてまでは詳しくわかっていなかったと思うが、結果、人にとって良い効果をもたらしてくれるゆずを選んで大正解である。
【追加雑学②】ゆず湯にする方法
ゆず湯は、各家庭や地方によってその方法はさまざまなため、正解や間違いはない。自分に合った方法を見つけるといいと思う。いくつか紹介しよう。
ゆずを丸ごと二~三個浴槽に浮かべる方法。これだけでも充分に効果はあり、いい香りが漂うゆず湯を楽しむことができる。
輪切りや半分に切ったゆずを浴槽に入れる方法。ただしそのまま入れると果肉や種で掃除が大変なため、洗濯ネットのようなメッシュの袋に入れてから浮かべよう。
他にも、果実は入れず剥いた皮だけ浮かべたり、果汁を絞って入れたりといろいろな方法がある。この方法は肌がピリピリする人も出てくるので、あくまで参考にし、自分がリラックスできるゆず湯の方法を探してほしい。
雑学まとめ
冬至とゆず湯にまつわる雑学をご紹介してきた。現代にまで伝わるゆず湯は、健康を願い、身を清めるために欠かせない風習である。精神論だけでなく、実際に効果もあるというのだから、体にも心にもいい影響を与えてくれそうだ。
寒い冬の日、体をぽかぽかに温め、良い香りに癒されリラックスすることで、また頑張れる気がする。そしてゆず湯に癒されるのは人だけではない。こんなに可愛い動画を見せてくれるなんて、ゆず湯は視覚でも癒してくれるのか。
今までゆず湯に入ったことがない人も、この機会に楽しんでもらえたら嬉しい。