寒い時期、我々の心も体もほっかほかにしてくれるセーター。秋から冬にかけて絶対に外せないファッションアイテムのひとつだが、もともとは防寒目的の衣服ではなかった、と聞いて驚く人は少なくないはずだ。
では、セーターは一体何のために作られていたのか? その秘密は、セーターの語源に隠されていた。さっそく今回の雑学でこの真相をみていこう!
【面白い雑学】セーターはもともと防寒目的ではない
【雑学解説】防寒着じゃない!セーターはアメフト選手の「発汗スーツ」だった
セーターを英語でいうと、「sweater」。直訳すると、「汗をかく人、汗をかかせるもの」という意味だ。これは汗をかくという意味を持つ単語「sweat」に由来している。
かつてスポーツ選手がトレーニングで大量の汗をかき、減量する目的で使われていた衣服であったことから、この呼び名が付いた。
このときセーターをサウナスーツとして着ていたのは、ハーバード大学らアメリカの8つの名門大学からなる、アイビーリーグのアメリカンフットボール選手である。彼らの屈強な肉体を想像すると、セーターにより吸い出された汗がいかほどか…想像に難くない。
ちなみに「sweater」の発音は、「スウェター」と発音する。日本語のセーターはこれが転じたものだが、英語圏でショッピングする際は「セーター」と発音すると通じない可能性が高いため、要注意。
【追加雑学①】セーターの毛(ウール)は保温性だけでなく吸汗性も抜群
チクチク? ふわふわ? セーターといえばどんな素材を思い浮かべるだろうか? 冬のセーターの素材としてポピュラーな素材は、やはり毛(ウール)だ。これは主に、羊の毛から作られた天然素材である。
ウールは、水を弾く層と、吸水性に優れた層の2層からなるハイスペック繊維だ。適度な温度を保ってくれる「保温性」はもちろん、よく湿気を吸収する機能もあるが、汗をかいても湿った感じがしないといった「吸汗性(吸水性・吸湿性)」まで備わっている。
セーターがトレーニングウェアとして使われていたと聞き、「チクチクゴワゴワしないのか?」と思う人もいるかもしれない。実は毛で編まれたセーターは、汗をよく吸い、伸縮性に優れた衣類だったのだ。さらに保温性も高いため、当時のトレーニングウェアとしてうってつけだったのである。
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【追加雑学②】汗をかいても蒸れずに臭くならないセーターがある
「セーターを着て汗なんかかいたら、汗臭くなるんじゃないの?」 そんな疑いのまなざしを向ける人にこそ、チェックしていただきたいものがある。それが「メリノウール」のセーターだ。
メリノウールは、ウール素材のなかでも特に吸汗性や抗菌性・防臭性に優れている。汗をたくさんかいても蒸れず冷たくならないうえに、天然の防臭機能で汗臭くなりにくい。なんと、防臭効果を謳っているメリノウールの靴下も存在するほどだ。
メリノウールを提供してくれるのは、メリノ種の羊たち。彼らは夏場35℃、冬場はマイナス20℃と、想像を絶する寒暖差のなかでたくましく生きる羊だ。その毛は厳しい気候に対応するため、「夏場は涼しく・冬場は暖かく」過ごせるようにできている。
彼らの毛をありがたくいただいて作られたメリノウールは、気候変動への対応が必須となる登山用のウェアにも使われている。そんなすごい繊維なのだ。
一方、汗をかいたあとの臭いに注意したいのは、ポリエステルなどの化学繊維で編まれたセーター。これらは毛や綿といった天然繊維と違って、吸水・吸汗性がない。乾きやすい性質がある反面、汗臭くなりやすいデメリットもあるのだ。
価格はウールものよりも安くカラーバリエーションも豊富だが、冬場の臭いには要注意だ。
「セーターの由来」雑学まとめ
今回は、セーターにまつわる雑学を紹介した。セーターが、屈強なアメフト選手たちの減量目的に使われていたなんて…かなり意外に思う人もいるかもしれないが、ウールのスペックを知れば納得である。
実際の減量効果はどうなのか? 気になる人は、ぜひ実際に試してみてほしい。
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