皆さんは、アイスクリームはお好きだろうか。筆者は大のアイスクリーム好きなのだが、胃腸の調子が芳しくないため、アイスクリームを我慢する日々をおくらなければならない。
ところで、世界中で愛されているアイスクリームだが、とくに消費されているのがアメリカである。アメリカ人は世界で最もアイスクリームをよく食べる国民だという。いわば、アイスクリーム消費大国なのだ。
その人気はもちろん、忙しいアメリカ人兵士にもおよぶ。彼らはいったいどのようにアイスを嗜んでいるのか!? というわけ今回は、アメリカ軍とアイスの関係についての雑学をご紹介しよう!
【食べ物雑学】アメリカ海軍とアイスクリームの関係とは?
【雑学解説】アメリカ海軍はアイスクリームが大好き!
食後のデザートや暑い日などに食べることが多い「アイスクリーム」。なかには毎日口にしている方もいるかもしれない。実はこのデザート、アメリカでは戦場でも食されていたことをご存知だろうか。
アメリカ海軍は、艦内に製造機を持ち込んで、アイスクリームを口にしていたといわれている。それは何も美味しいデザートを口にする目的だけではなく、軍の士気を低下させないためにも用いられていた。
アメリカ陸軍省の決まりのなかには、軍の士気を維持するために、アイスクリームについて記した項目があったほどだったという。アイスクリーム大国としての面目躍如といったところか。
アメリカ軍の艦内の雰囲気を感じてもらうため、実際に艦内で兵士たちが食事をするシーンの動画をご覧いただきたい。それがこちらだ!
本題に戻ろう。アメリカ海軍にはアイスクリームにまつわる逸話が多く残されている。
アメリカの海軍司令官、チャールズ・A・ロックウッドは、船内の待遇に努める際、船員たちにアイスクリームを提供したほか、アイスクリーム製造機が故障した潜水艦は出撃を禁じた、という話も伝わっている。
また同海軍は第二次世界大戦時、太平洋上に展開する兵士たちに報いるために、「ナショナル乳業」という企業の協力のもと、100万ドルをかけて、アイスクリームを製造するための特務艦を作ったともいわれている。
この船は1945年に就航し、「世界初のフローティング・アイスクリームパーラー」として名を轟かせたといわれている。
また、兵士のなかには、アイスクリーム製造機にはしゃぎすぎて負傷した兵士がいたほど、アメリカ人のアイスクリームにかける情熱は凄まじいものがあった。
この他にも、駆逐艦が海に落ちたパイロットを助けると空母からご褒美としてアイスクリームがもらえたり、指揮官が約100リットルのアイスクリームを褒賞として受け取ったりと、後世にはさまざまな逸話が伝えられている。
アメリカ人とアイスクリームの関係は、私たちの想像をはるかに超える深さでつながっていたのである。いや、アイスクリームが美味しいのは分かるけどね…。ちょっと、やりすぎではとも思ってしまう。
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【追加雑学】日本海軍もアイスクリームを製造していた
アイスクリームを製造していたのは、何もアメリカ海軍だけではない。日本海軍でも製造していたのである。最も有名なのが、樺太(からふと)にある海峡の名前から付けられた、日本海軍の給糧艦・間宮(まみや)である。
下の動画は、給糧艦・間宮をもとに作られた700分の1のサイズのプラモデルである。少しでもその雰囲気を感じてもらうために動画を貼っておく。
給糧艦とは、艦艇に食糧を供給する補給艦のことで、艦内には最新式の巨大な冷蔵・冷凍庫が設けられていたという。艦内では肉・魚・野菜など、18,000人分の食料が貯蔵できたという。
一般の食料のほかに、アイスクリームやラムネなど多くの食品が製造できる設備があったといわれており、部屋ごとに多数のキッチンが存在したという。まるで、船上を移動する海上の「帝国ホテル」といったところだろうか。
このことから給糧艦・間宮は、帝国海軍のなかでは最も有名な艦だったといわれている。とくに艦内で製造される「間宮羊羹(まみやようかん)」は、人気が高かったという。
また当時、世界最強と讃えられた、全長250メートル以上を誇る「戦艦大和」も、「大和ホテル」と呼ばれるほど贅沢を尽くした設備を誇っていた。
間宮と同様に、戦艦大和の艦内ではラムネやアイスクリームが作られていたという。これはアメリカ軍の製造機とは違い、冷凍室を使用して製造していたとされる。
実はアメリカだけではなく、日本海軍も冷凍庫を利用してアイスクリームを食べていたのだ。一度でいいから海軍アイスクリームを口にしてみたいものである。
「アメリカ海軍とアイス」の雑学まとめ
以上、アメリカ人とアイスクリームの関係性と、日本海軍でもアイスクリームを作っていたという2つのトリビアをご紹介してきた。
海上では見渡すかぎり、四方は海に囲まれている。まして、いつ敵艦と遭遇するとも限らない。そんな艦内で兵士たちの唯一の楽しみのひとつが、アイスクリームを食べることだったのだろう。
いつ敵におそわれるかもしれない艦内において、無邪気にアイスクリームを口にしている兵士たちを想像すると、どこか笑みがこぼれてしまうのは私だけだろうか。