今では日本の動物園でふつうに見かけるキリンだが、日本にはじめからいたわけではない。外国から輸入されてやってきたのであるが、そのときのエピソードで興味深い逸話がある。なんと、日本にはじめてやってきたキリンのせいでクビになった園長がいるらしい。
クビになったからには何か悪いことをしたのだろうが、一体なにをしでかしてしまったのだろう。今回の雑学記事では、この確信に迫る。
【動物雑学】日本初のキリンでクビになった動物園の園長がいる
【雑学解説】キリンじゃなくて神獣「麒麟」なんだよ!
世界に名だたる動物園にしたいと思っていた、当時の上野動物園の園長。そのために色々な動物を揃えようとしていて、ジラフも手に入れたいと考えていた。しかし当時、ジラフは希少価値が高く、なかなか手に入らなかった。
しかしちょうど動物商人が園長の元へ「ジラフを買いませんか?」ともちかけてきたのである。これは千載一遇のチャンス! と思った園長だが、なんとその値段は現在の価格にして約1億円だった。
当時、国から予算も支給されていたのだが、この価格は予算の7倍もあり、到底手の届く金額でなかった。しかし、どうしてもジラフを手に入れたい園長は、仰天の行動をとってしまう。
国に中国の神獣である「麒麟(きりん)」が手に入ったとウソをつき、強引に説得して買ってしまったのである。
ウソをついてお金をだまし取ったのだから、これはクビになっても仕方あるまい。ちなみに麒麟とは中国神話上の霊獣で、龍の頭と牛の尾っぽ、馬の蹄をもつとされている。キリンビールのラベルにも記載されている空想上の生き物である。
そしてウソがばれて、クビになってしまったのだ。すぐバレるウソをついてなんになるのかと思ってしまうが、それほどジラフが欲しかったのだろう。ちなみにこの園長、キリンだけでなくゾウとかライオンも買い付けている、やり手である。
…お気づきだと思うが、日本では「ジラフ」とは呼ばれず、「キリン」と呼ばれている。この「キリン」という名前の由来は、この園長のウソからきているのだ。
ちなみに動物園にやってきた日本初のキリンは2頭おり、名前は「ファンジ」と「グレー」である。
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【追加雑学①】キリンをリアカーで上野動物園まで運んだ
この日本に初めて来たキリンの2頭、ドイツから船で運ばれてきて、横浜港にまず到着した。そこから上野動物園への輸送方法だが、なんとリアカーで運んだのである。横浜港から上野動物園まで40kmあるにもかかわらずである。
そんな長距離を人力で運んだのだから、とてつもない重労働だったことだろう。当時は明治時代で列車は存在した。
しかしなぜ列車を使わなかったのだろうか。それはズバリ、首がトンネルにぶつかってしまうからである。なるほど、考えてみたらたしかに考えてみたらその通りである。
【追加雑学②】はじめてのキリンは現在国立博物館に展示されている
日本初のキリンは今では剥製となって、茨城県つくば市の国立科学博物館に展示されている。
今もリアルな状態で残されていて、蹄やしっぽの毛も当時のままだ。剥製が作られたのは明治時代であるので、ひびが見受けられたり葉っぱが出ているなど技術にあらが目立つが、そういったところも含めてリアルだといえる。
キリンの姿を見て楽しむというより、昔の技術を後世に伝えるために残されているという意味合いが強いのだ。興味を持った方は、ぜひ国立科学博物館に足を運んでみてはいかがだろうか。
「日本初のキリン」の雑学まとめ
今回の雑学はいかがだっただろうか。キリンをどうしても欲しかった当時の上野動物園の園長は、キリンを手に入れるために中国の神獣「麒麟」が手に入ったとウソをつき、国からお金をだまし取った。そしてウソがばれ、クビになったのだ。
これが真相だが、どう感じただろうか。個人的にはこの園長のウソがなければ、キリンは日本に来ていなかった可能性があるのだから、クビになってはしまったが園長はいい仕事をしたのでは…?
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