冬の高級食材といえばカニ。なかでも、その繊細かつ強い甘味と、濃厚なカニ味噌が特徴のズワイガニを真っ先に思い浮かべる人は多いだろう。
そんなズワイガニ、いかにも豪快な見た目をしているが、恋愛の仕方もまた豪快である。トゲのある男は魅力的に映るというし、彼らぐらい強引なアプローチもときには必要かもしれない! …いや、あまり真似しないほうが良さそうだが…その実態は?
【面白い雑学】ズワイガニのオスの求愛方法は「メスを振り回す」
【雑学解説】ズワイガニのオラオラ系すぎる求愛行動
カニの中でも大きいことで知られるズワイガニだが、オスとメスとではまた、そのサイズが全然違う。オスの平均体長が15cmなのに対して、メスは8cm。オスのほうが約2倍もでかいのだ! もはや同じカニとは思えないレベルである…。
そんなズワイガニの繁殖期は1月~3月。このとき、普段は異なる水深に生息するオスとメスが一堂に会して大婚活パーティーが開かれる。そして驚かされるのが、オスのその大きさを活かした、あまりにもオラオラすぎる求愛行動である。
気に入ったメスを見つけたら…とにかくはさむ! 一度はさんだらもう離さない。出逢いがしらから「もう君を離さない!」だ。…運命の恋と呼ぶには早すぎやしないか。
そして他のオスにちょっかいを出されようものなら、メスをブンブンと振り回して遠ざけようとする。一見DVにしか見えないが、これはメスを守る行動なのだという。
なんて俺様なアプローチなんだ…。どうやらズワイガニ界では「壁ドン」ならぬ「はさみブン」が、女子たちを魅了しているようである。
ちなみにこのオスの求愛行動は、長いときには3日ほども続く。3日も振り回され続けた挙句夫婦になるというのだから、メスズワイガニもとんだドMだ。
しかも交尾をした後はまた別々の生息地へ戻ってしまう。さんざんやりたい放題やっておいて、産卵にも立ち会わないとは…なんだかメスが不憫に思えてくる…。
スポンサーリンク
【追加雑学】まだまだある!面白いカニの求愛行動
メスをぶん回すという、過激なアプローチをするズワイガニ以外にも、カニには面白い求愛行動をとる種類が存在する。
代表的なのがチゴガニだ。彼らはメスに向かって万歳をするように、ハサミを上げ下げしてアピールする。
踊っているみたいで愉快だが、これもれっきとした求愛行動。ハサミをよりダイナミックに動かせるほどモテるので、「より早くっ! より高くぅっ!!」とオスたちは必死なのである。
ズワイガニほど強引ではないが、いずれにしてもやはり、運動能力の高い、強いヤツがモテるのだ。これはひょっとして人間も同じかもしれない…。
雑学まとめ
ある者はぶん回し、またある者はぶん回される。ズワイガニの恋愛活劇は、ある意味昼ドラよりも壮絶だ。
何より、私たちがカニを美味しくいただくことができるのは、彼らの愛が生み出す生命のおかげである。あんなにおいしいのだから、振り回されたってメスはきっと幸せに違いない! …え? 関係ない?