今、筆者は絶賛風邪っ引き中である。昨日から鼻水が止まらなくて、このままいくとしまいには脳みそまで溶け出てきそうな勢いだ。
ところで、鼻水といえば、このような「風邪を引いたときに鼻の穴から流れ出る液体」というイメージをもたれている方も多いことであろう。しかし実はこの鼻水、健康な体でも相当な量が毎日鼻から分泌されているのである。
なにも鼻炎もちでなくても、「あたくしは普段、鼻を垂らしたりはしませんわよ」なんていう澄ました顔のご婦人であっても、その上品な鼻の穴の中は鼻水チャップチャプ製造中なのである。今回はそんな、鼻水にまつわる驚きの雑学をご紹介!
【面白い雑学】鼻水は、元気なときでも平均1リットル出ている
【雑学解説】健康体でも一日の平均鼻水量は1リットル
普段鼻をかむ機会が少ない人でも、一日1リットル程度鼻水は分泌されている。しかしその大半はのどを通って胃に降りていくため、それほどの量が体内で作られているとは気が付かないのだ。
そんな鼻の奥に潜む鼻水は、ただいきなり流れ出て、周囲にちょっと気まずい雰囲気を漂わせるというだけの存在ではない。実は、大事な役割をもっているのだ。
鼻から吸い込んだ空気を加湿させる加湿器的役割や、ウイルスやホコリが呼吸器官に侵入しないよう洗い出すという洗浄液的役割をもっているのである。
ここで「なぜ、外部から取り込んだ空気を加湿する必要があるのか?」と疑問をもたれる方もいるかもしれない。乾燥した空気をそのまま体内に取り込むと、気道の粘膜が乾燥してしまい、ダメージを受けてしまう。鼻水で空気に湿度を与えるのは、それを防ぐためなのである。
潤いが必要なのは、お肌と心だけではないのだ。
鼻水はどうやって出来ている!?
さて、この鼻水を出す司令塔は脳にある。鼻水の約8割はそこからの指令により作られている。残りの2割は、鼻の中の血管から水分が小さな孔を通して漏れ出ており、この流れ出てきた水分なのだという。
風邪や花粉症などにかかった際、鼻水が止まらなくなったという経験をされている方も多いであろう。これは、鼻やのどに侵入したウイルスや花粉などの異物を体の外に押し出すために、通常よりも大量の鼻水が分泌されるからなのだそうだ。
このほかにも、温かいものを食べたとき、鼻水がじゅるっと出てしまうことがある。これは、湯気の熱さを体が感知し、鼻水の気化熱でこれを冷まそうとする反応なのだという。すごいぞ、鼻水!
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【追加雑学】鼻水の色でわかる体の状態
ところで、鼻をかんだとき、鼻水の色が透明のときもあれば、色つきのときもあることにお気づきの方も多いことであろう。鼻水の色は透明から緑色まであり、健康状態によってその色は異なる。
レベル0を健康な状態とし、風邪の症状進行レベルを3段階に分けてご紹介しよう。
レベル0の鼻水(健康):透明
レベル0の通常状態の鼻水は、透明である。水分が大半を占めるが、たんぱく質やウイルスなどを退治する酵素・抗体なども含まれている。
レベル1の鼻水(風邪初期):白色
そしてレベル1は、白色。風邪の引きはじめなどにみられることが多い。鼻水の力だけではウイルスと戦いきれないとき、白血球が助太刀として登場する。鼻水の色が白くなるのは、この白血球の色によるものなのである。
レベル2の鼻水(風邪中期):黄色
レベル2の鼻水は、黄色。ウイルスたちと激しい戦闘を繰り広げた末に果てた戦士・白血球たちの死骸の色である。黄色っぱながついたティッシュは、丁重に供養したい。
レベル3の鼻水(風邪後期):緑色
最終段階・レベル3の鼻水は、緑色。
白血球の攻撃によりウイルスたちも次々と倒れ、膿が大量発生している状態である。「緑色の鼻水が出たら、風邪は治りかけ」という人もいるが、ウイルスと白血球たちの死闘はまだ続いている。ここで無理をすることは避け、静かに白血球を応援しよう。
ちなみに、現在風邪こじらせ真っ最中の筆者の鼻水、昨日は白っぽかったが今は緑味を帯びてきている。がんばれ、私の白血球! そしてありがとう、散って逝った勇者たちよ…!!
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鼻水の雑学まとめ
健康な人でも、一日に1リットルの鼻水が作られているという雑学をご紹介した。これは、自らの体を守るために備わった人体の仕組みである。
鼻水はただの液体ではない。鼻水で鼻の中を潤わせておくことで異物の侵入を防ぎ、呼吸器官を守る聖なる水なのである。「鼻水は汚い」なんていわずに、「鼻水さん、いつも私たちを守ってくれてありがとう」といえる大人になりたいものだ。