イタリア・フィレンツェのアカデミア美術館に、ルネッサンス期の彫刻家・ミケランジェロが制作した、あの有名なダビデ像がある。凛々しい顔立ちと引き締まった筋肉。なぜか裸なのに気取っているのがカッコイイ像だ。
このダビデ像、実は雑学の宝庫であることをご存知だろうか? ダビデの戦いのエピソードが像のモデルになっていたり、目がハート型になっていたり、なんか肩にかけてたり、男性の象徴的なモノがアレだったり…ダビデ像は知れば知るほど面白い!
というわけで、今回はそんなダビデ像にまつわる雑学を紹介していくぞ!
【面白い雑学】ダビデ像の秘密を徹底解剖!
【雑学解説】ダビデ像はミケランジェロの最高傑作!
まずは、アカデミア美術館のダビデ像を動画で観てみよう。
この動画では珍しく、なかなか見れないダビデ像の後ろ姿も映されている。
ダビデ像はミケランジェロの代表作で、1501~1504年という3年の歳月をかけて作られた大理石製の巨像である。
古代イスラエル第2代国王・ダビデを模したこの作品はミケランジェロの最高傑作、もといルネサンス期でもっとも優れた作品とも名高い。
細部まで見ていくと、そう称されるのも納得の技術が詰め込まれているぞ!
ダビデ像のモデル「ダビデ」とは?
ダビデは古代イスラエル第2代国王で、旧約聖書にも登場している英雄である。
古代イスラエルを最初の国王・サウルが統治していた時代、イスラエル人はペリシテ人と戦いを繰り返していた。ペリシテ人の中には一際大きい体のゴリアテという巨人がおり、イスラエル人に挑発を繰り返して怖がらせていたという。
そんな訓練された兵士でも怖がるゴリアテの挑発を恐れず、立ち向かったのがダビデだった。
当時イスラエルを治めていたサウルは、神の声を聞ける預言者サムエルによって選ばれた王である。しかしサウルが神の声に背いたことから、サムエルは次の王を探していた。そして密かに目を付けていたのが、羊飼いのダビデだったのだ。
ダビデはとても勇敢だったが、ただの羊飼いなので剣を持っていない。なんと投石器ひとつでゴリアテに立ち向かったのだ。…裸で。
そして彼の投石器から放たれた石は、見事ゴリアテの額にヒットし、なんと一撃で倒してしまったのだ! 本当は見かけだけでめっちゃ弱かった…という話ではない。
こうしてイスラエルを勝利に導いたダビデは、見る見るうちに民の信頼を勝ち取り、以降40年に渡って王国を統治していくことになるのだ。
スポンサーリンク
【追加雑学①】ミケランジェロがダビデ像を作るまでの経緯がすごい
ミケランジェロがダビデ像の制作を依頼されたのは、26歳のころの話。これは1501年のことだが、実はダビデ像の制作自体は、これより30年以上前の1463年から始まっていた。
ん…? 30年以上も前から制作が始まっていたのに、なんでミケランジェロに話が回ってきたんだ? となるところ。彼の前にもふたりの彫刻家が制作にあたったのだが、いずれも完成させることができなかったのだ。
未完成のまま放置されていたダビデ像
ダビデ像が飾られる予定だったサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂では、旧約聖書の登場人物12人の像を作って飾る構想があり、1400年代初頭から順に「預言者ヨシュア」「ヘラクレス」の2体が制作されていた。
これは国外からの侵攻に備え、フィレンツェの機運を高めようという試みで、ダビデ像もその流れから制作されることになったのだ。
そして1463年にこれを依頼されたのが、アゴスティーノ・ディ・ドゥッチオという彫刻家。前述のヘラクレスの像もこの人の作品である。彼はダビデ像の胸部や脚部など、おおまかな外観を作るところまで制作を進めていたが、1466年に制作を中断し、契約も破棄してしまう。
理由は定かではないが、師匠のドナテッロがこの年に亡くなったことが関係しているという。彼は預言者ヨシュアの作者であり、ヘラクレスの制作監督も務めたプロジェクトのキーパーソンだったのだ。
このあと大聖堂造営局は、彫刻家のアントニオ・ロッセリーノにダビデ像の続きの制作を依頼しているが、彼もまた完成を待たずに契約を破棄した。以降25年以上のあいだ、未完成のダビデ像は吹きさらしで放置されていたのだ。
採掘されたカッカーラからフィレンツェに巨大な大理石を運ぶには膨大な労力と費用がかかる。そのため、かたわらに置いておくだけでも大聖堂の威厳になると、完成が急がれなかったのである。
しかし1501年になると、いよいよ大聖堂造営局がダビデ像を完成させようと芸術家を選定し始める。候補にはレオナルド・ダヴィンチなどの有名芸術家が挙げられていたが、そのなかでも若手のミケランジェロが選ばれることになったのだ。
ミケランジェロの制作過程は門外不出
ミケランジェロはダビデ像の制作にあたって、その過程を他人に見られることを嫌い、像の周りに仕切りを設けて外から一切様子がわからないようにしていた。
フィレンツェ市長が視察にやってきたときも、建前上、制作現場に入れはしたものの、作っているフリをして誤魔化したという逸話が残っているぞ。なんでも金槌の音だけ鳴らして、手の中に忍ばせた石の粉をパラパラまき散らしていたのだとか…。
ミケランジェロの技術はまったくの門外不出。このこだわりもまた、彼の作品の価値を高める要素となっている。
このようにダビデ像は、さまざまな製作者を回り回った結果、最後はミケランジェロの最高傑作として完成を迎えるのだ。
【追加雑学②】ダビデ像は想像以上の大きさを誇る
ダビデ像は、ずばり高さ5.17メートル。台座抜きでも4.1メートルと規格外の大きさだ。ちなみに重さは5トンと、これまた想像の上を行く。
画像や動画では実感しにくいため、美術館を初めて訪れた人は揃ってその大きさに驚くぞ!
海外のSNSで清掃員と一緒に映された画像が投稿されて話題になったことも。なにやら、等身大だと思っていた人が大多数だったようだ。
ミケランジェロのダビデ像を清掃しているなかで、その大きさが話題になっているそうな。確かにデカい。現物はこんなに大きいんだあ‥ pic.twitter.com/VZyfk8QrjL
— 沖田 幸寿 (@ippinntennya) March 1, 2016
でかいことは知ってたけど、正直ここまでだとは思わないよね。なかには「清掃員が小人なんじゃね?」みたいなことを言う人もいるが…。
【追加雑学③】ダビデが肩からかけているものはなに?
上記のダビデ像をよく見てほしい。
肩からなにかをかけているのがわかる。風呂上がりではない。
実は、これがさきほど紹介した「投石器」なのだ。巨人・ゴリアテを倒した武器である。
そう、ダビデ像はまさに投石器片手に、ゴリアテを睨みつけている最中のダビデの姿なのだ! 裸で!
ちなみに投石器は羊飼いの必須アイテムで、害獣に当てたり、羊の誘導に使用したのだそうだ。害獣を追い払う道具で倒されるゴリアテ…やっぱり弱かったんじゃ…。
背中には投石器の紐が通っており、まるで乾布摩擦…ではなくて、左手に握った石をこれから飛ばすことがよくわかる。
ゴリアテと戦う姿だとわかって見ると、印象も変わってくるのではないだろうか。
スポンサーリンク
【追加雑学④】ダビデ像の頭と手がデカすぎる理由とは?
ダビデ像を見て、美少年というよりは「頭デカイな…」と思った人もいるんじゃないだろうか。ついでに手もデカイし、スタイルが良いのか悪いのか…。
まあ弘法も筆の誤りっていうし…と思うところだが、これは決してミケランジェロがバランスを間違えたわけではない。
彼が制作を依頼された当初、ダビデ像は「サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂」の一部…通行人からすれば見上げるような位置に設置される予定だったのだ。
それが紆余曲折あって「ヴェッキオ宮殿前」→「アカデミア美術館」と、設置場所が変更になった。つまり! そんなに近くで観られることは想定していなかったため、頭のデカイ、アンバランスな感じになってしまったのである。
そして2010年には、実際に設置される予定だった場所にレプリカを設置するプロジェクトも行われたぞ!
こちらの動画がその様子を撮影したものだ。
なるほど…そもそも今みたいに近くで観られる感じではなかったわけだな。
スポンサーリンク
【追加雑学⑤】ダビデ像の目がハート型になっている理由とは?
ダビデ像の顔をよく見てみると、実は目の形がハート型に彫られていることに気付く。…え、視線の先に居るのってゴリアテだよね? ダビデさん…まさか…。
…なんてことは当然ない。また、戦いの最中に好きな女の子のことを考えていたわけでもない。このハート型は、目に差し込んだ光を表現したものなのだ。
ダビデが睨みつけている相手は巨人のゴリアテ。ということは、ダビデは敵を見上げることになる。見上げた時というのは、目の上側に光が反射して白く見えるものだ。
そう、ダビデ像の目は、黒目の上側に光が反射しているように見せるため、ハート型に彫られている。像を見る人がみんな下から見上げることを考慮して、光の入り方を計算するとあの形になるのだ。
このときのダビデはこれから戦いを挑もうという心持ちである。イキイキしている人を「目が輝いている」と表現するように、光が差し込んでいる描写は"彼の闘志燃える心情"を表している。
ど…どんだけ緻密に作られているんだ!?
ちなみに恋愛の意味でハートが使われるようになったのは18世紀のこと。トランプの図柄としては15世紀後半のフランスで登場しているが、これは僧侶を意味しており、ダビデとは関係がない。イタリアまで浸透してもいなかっただろう。
このことからも、ダビデ像の目がハート型になっているのはまったくの偶然で、ミケランジェロ本人はハートマークだとは認識していなかったとわかる。
ダビデ像の目は斜視
右目と左目で見ている方向が違うことも近年の研究で判明している。
右目が正面を見ているのに対し、左目はやや外側を見ているという、いわゆる斜視だ。誰が気にするわけでもないわずかな差も、ミケランジェロにとっては重要な表現の一部だったのだろうか。
念のためいうと、ダビデが斜視だったという記述は旧約聖書には見られない。像を作る際、モデルを務めた男性が斜視だったのかも…?
【追加雑学⑥】ダビデ像の右半分は「静」、左半分は「動」を表している?
ダビデ像は右半分と左半分で「静」と「動」を表現していると考察する専門家もいる。
そう聞いてから像を正面から見てみると、右側は真っ直ぐ…凛とした感じで立っているのに対し、左側は足を投げ出し、今にも動き出しそうな印象に見えてくるから不思議だ。
人体を忠実に再現した緻密さに加え、静と動という芸術的な観点も両立させる。ミケランジェロがどう考えていたのかはわからないが、いかにも天才の仕事っぷりである。
スポンサーリンク
【追加雑学⑦】ダビデ像の筋肉には欠けている部分がある
ミケランジェロは彫刻で人体を再現するため、医師に頼み込んで遺体解剖の現場を見学するほどの研究家だった。そのため彼の彫る彫刻は生物学的な観点から見てもおかしな部分がまずないことでも知られている。
しかし…最高傑作であるはずのダビデ像には一ヵ所おかしな部分がある。通常なら筋肉で膨らんでいるはずの肩甲骨と背骨のあいだがくぼんでいるのである。
数百年間知られていなかったこの新事実は、1992年に行われた「デジタル・ミケランジェロ・プロジェクト」と題した3Dスキャンによって明らかになった。
プロジェクトで集められたデータを元に、カレッジ大学病院のマッスィモ・グリサーノ医師、フィレンツェ大学のピエトロ・ベルナベイ教授のふたりが、スペシャリストの観点から筋肉の構造の違和感を指摘したのだ。
ダビデ像に欠けているのは、脊柱起立筋と僧帽筋。どちらも背骨や肩甲骨の安定に欠かすことができず、なければ真っ直ぐ立っていることもままならない筋肉である。完璧主義者のミケランジェロが、よりによってそんなに大事な筋肉を彫らなかったなんて…。
ただ、これはミケランジェロのミスではない。その筋肉分を補うだけの大理石が用意できなかったことによる苦肉の策だったことが、本人の手紙で明らかになっているのだ。
ミケランジェロは嘆いていたようだが…大丈夫。言われないと気付かないよ、そんなこと。
【追加雑学⑧】ダビデ像はなぜ包茎?なぜあんなにアレが小さい?
どうしても目がいってしまうダビデ像の股間部分。
とっても立派な体格のわりに、皮を被っていらっしゃる包茎状態である。しかも大きさもまったく自慢できるサイズではない。銭湯では隠したいレベルだ。
これはどういうことなのか。
スポンサーリンク
ダビデ像が包茎である理由とは?
ダビデ像のモデルである「ダビデ」は、古代イスラエルの王=ユダヤ人である。ユダヤ人には「割礼」という儀式があり、これは男のアレの包皮の切除をするもの。
つまり、ユダヤ人であるダビデが包茎であるはずがないのだ。
ダビデ像が包茎であるのには、いくつかの説がある。
- 実はダビデはユダヤ人ではなかった(聖書のダビデではなく一般人がモデルだった)
- 古代ギリシャの美意識に基づいて包茎にした
- ルネサンス時代のヨーロッパは包茎が普通だった
- ミケランジェロの趣味でそうなった
500年以上前に作られた彫刻なので、もはや答えは迷宮入りしているのが実情だ。
ただ有力とされているものを挙げるとすれば"古代ギリシャの美意識に基づいた"という説だろう。古代ギリシャの彫像は包茎のものばかりで、ダビデ像以外のルネサンス期の作品にも、それを模して包茎にされているものが多いからだ。
古代ギリシャでは割礼はエジプト人が行う野蛮な文化と捉えられていた。さらに「包茎=少年の証=純潔」というイメージがあり、男性は女性と性交渉するより、童貞の美少年と交わるほうが高潔だとされていたのだとか…。
つまり古代ギリシャでは少年であるほど汚れがない状態と見なされ、包茎はそれを表す描写のひとつとして用いられていたのだ。
ダビデ像のアレが小さい理由とは?
そしてもう一点。
筋骨隆々の男らしさオーラ全開なのに、ダビデ像の男の象徴部分はやけに小さい。これでは貴婦人たちにガッカリされかねないのではないか。
その大きさは実に16.5センチで、ダビデ像の身長は台座の部分を除くと約4.1メートル。ここから実際の身長が170センチだと仮定すると、アレの大きさは7センチということになる。
まあ…通常時なら普通っちゃ普通だが、外国人だしもうちょっと大きくてもいいような…いずれにせよ王の威厳は皆無だ。
しかし、実はこれにも理由がある。
まず、古代ギリシャ彫像をモデルにした作品は、揃いも揃ってアレが小さい。その理由は意外なことに、古代ギリシャではアレが小さいほうが良いとされていたからである。
逆に大きいアレは醜さや欲望の象徴として忌み嫌われていた。現代でもエロいことばっかりしているやつに「サルかよ」と言ったりするように、古代ギリシャではアレが大きいことが動物的だと思われていたのだ。
- アレが小さい…理性的、論理的、知的
- アレが大きい…動物的、愚か、色浴
ミケランジェロによってダビデ像が作られたルネサンス時代は、古代ギリシャの影響をモロに受けていた。そのため、ダビデ像のアレも小さくなったと考えられるのだ。
ギリシャ彫刻にはアレが大きく作られているものもちらほらあるが、たしかに好ましくない特徴をもっている人物ばかりだ。
たとえば、自然と豊穣の化身としてギリシャ神話に登場する精霊「サテュロス」は、女性と美少年が好きな欲情の塊ともいわれる。さらにその姿は半人半獣と、動物的な要素もある。
ギリシャのアテネ考古学博物館の
サテュロス像がバッキバキですね pic.twitter.com/xyLATO2Aj3— ユイ (@mini_g36_gc8) September 7, 2019
小さすぎるのも恥ずかしいが、ここまでバキバキなのを誇らしげに披露するサテュロスさんやべーっす…。またこちらは絵画だが、生殖と豊穣の神・プリアーポスさん。糸で吊るされてるアレの破壊力がすごい。
https://twitter.com/tomozou1946/status/1269616343495536640
プリアーポスは、ゼウスとアプロディーテーという神のあいだに生まれた息子。しかし女神ヘラという人がゼウスに惚れていたため、アプロディーテーに嫉妬し、お腹のなかにいるプリアーポスに永遠に勃起し続ける呪いをかけたのだ。
このイチモツのせいで彼は神々から嫌われ、追放されてしまっている。常時その状態って、きっとどこに行っても生きづらいよね。可哀想…。
このように、古代ギリシャでは、アレが大きく描かれることが不名誉の象徴だったのだ。
スポンサーリンク
恐怖でアレが小さくなっているという説も
ダビデ像のアレが小さい理由は、古代ギリシャの影響という説が有力だが、一方で、「恐怖でアレが小さくなっている説」もある。
これは、フィレンツェの2人の医師が発表した論文に記載されているのだが、なぜダビデが怖がっているかというと、ダビデの状況を思い出してほしい。巨人・ゴリアテとの戦闘前なのだ。
男性のみなさんはわかるだろうが、恐ろしい状況に陥ったときにギンギンになれるはずがない。そんなヤツはただの変態である。
というわけで、ダビデのアレも縮んでしまっているという説だ。
表情や姿勢は悠然としているのに、アレが小さくなっていることが恐怖を表している…。面白い解釈である。
【追加雑学⑨】ダビデ像はフィレンツェの人々の「戦いの象徴」でもある
フィレンツェには、最初にしょ動画に出てきたショーニリア広場や、街を一望できるミケランジェロ広場など、ダビデ像のレプリカがたくさん設置されている。街のいたるところでダビデ像に会えるのだ。
そう、フィレンツェの街とダビデ像の関係はかなり深い。
1861年にイタリア王国が樹立されるまでのあいだ、イタリアは小国が乱立するバラバラの地域だった。フィレンツェも都市ではなく、強国に囲まれる小さな国のひとつだったのだ。
当時のフィレンツェの人々は、ダビデが巨大なゴリアテに勝ったように、自分たちも大きな権力に屈しないぞという意志をダビデ像に反映していたのだという。
つまりダビデ像は、フィレンツェの人々の「戦いの日々の象徴」なのである。どおりでいたるところに作られているわけだ。
スポンサーリンク
【追加雑学⑩】ミケランジェロ以外にもある!ダビデを再現した作品たち
ダビデ像というとミケランジェロの彫刻が一番に浮かぶが、これ以外にもダビデをテーマにした作品はたくさんある。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニのダビデ像
ミケランジェロのように投石器を構えるシーンを再現したものなら、17世紀イタリアの彫刻家・ベルニーニのダビデ像が、ローマのボルゲーゼ美術館に飾られている。
ベルニーニのダビデ像は投石器に石を装着し、今まさに投げようとしているかのような姿。
ミケランジェロのものよりも動きがわかりやすく作られている。しかも裸ではなく、腰に布を巻いているぞ! …え? そこじゃない?
ドナテッロのダビデ像
同じくイタリアの彫刻家・ドナテッロが作成したダビデ像も有名である。
こちらは作られたのが1400年代なので、ミケランジェロのダビデ像より100年ほど古い。大理石製とブロンズ製の2種類がフィレンツェのバルジェロ博物館に飾られているぞ!
ドナテッロのダビデ像は動画の1:40~だ。
剣を片手にポーズを取っているから、これはゴリアテと戦った後の姿だろう。
ダビデはゴリアテが倒れるとゴリアテの剣を奪い取り、その首をはねたという逸話もあるのだ。けっこう容赦ないな…。
ほかのダビデ像に比べると筋肉もなく、少年っぽさがある。まあ聖書の登場人物だから、実際どんな姿をしていたかはわからないよな。
ダビデ像の雑学まとめ
今回はイタリア・フィレンツェのアカデミア美術館に飾られているダビデ像の雑学を紹介した。
ダビデは強靭な巨人に、羊飼いの道具である投石器だけで立ち向かった勇敢な人物だ。断じて風呂上りではない。
この英雄を模したダビデ像には、作者であるミケランジェロの並々ならぬこだわりと技術が、これでもかと詰め込まれている。フィレンツェの人々を励ましてきた歴史もあり、年月と共に作品の重みはも増し続けている。
どうか今後もフィレンツェの街の象徴として守り続けてほしいものだ。
おすすめ記事
-
ロダンの"考える人"は、実は"見ている"像だった。日本でも本物が観れるよ!
続きを見る