ドラえもんはその放送期間の長さもあって、子どもから大人まで、幅広いファンをもつ作品である。
未来の便利な道具を出してくれるロボットという設定でありながら、「道具に頼りすぎると痛い目に遭う」という教訓が毎回込められているのも、この作品の深いところ。子どもたちも自然と道徳を学べるような作風といえる。
…ところがそんなドラえもんにも、アニメの放送が始まったころには、PTAからクレームが寄せられるようなことがあったという。今回は、ドラえもんに寄せられたクレームについての雑学をご紹介しよう!
【面白い雑学】ドラえもんが浮いている理由とは?
【雑学解説】クレームから生まれた「ドラえもんは浮いている設定」
ドラえもんの足が地面から3mm浮いているというのは有名な話だ。しかしこの設定はアニメが放送されてから付け加えられたもので、もともと原作にはなかった。
アニメから設定が追加されたのは、ドラえもんが広く認知されるようになったことをきっかけに、ある学校のPTAからこんなクレームが入ったからだ。
「土足で家にあがるなんてけしからん!」
当然のように、ドラえもんは外へ遊びに行くときも靴を履いていないし、家に帰ってくるときもそのままである。これを見た保護者たちが、子どもへの悪影響を懸念してクレームを入れたのだ。
いやいや…アニメですやん。そもそも猫や犬が外に出て帰ってきたときはみんな土足じゃないか。
何はともあれ、このクレームをきっかけにドラえもんには、「反重力装置によって地面から3mm浮いている」という設定が付け加えられたのだ。
ちなみにこの設定は藤子不二雄先生ではなく、アシスタントの方倉陽二氏が考えたものだったため、後で知った藤子先生が仰天するというおまけつきである。
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【追加雑学①】ドラえもんは浮いているので海の上を歩ける
反重力装置で常に地面から浮いているドラえもんは、実は海の上も歩くことができる。
ただ2010年公開の『のび太の人魚大海戦』をはじめ、多くの作品で海に潜っているし…浮くのか沈むのかどっちなんだ? と問いたくなるところ。
いやいや、彼は海面を歩くことと海中に沈むこと、どちらもできるのだ。
1991年公開の『のび太のドラビアンナイト』で砂漠を歩いたときなど、足跡が残る場面も多々ある。つまり反重力装置のオンオフは切り替え自由なのだ。ただ砂まみれの砂漠をなんで足をつけて歩こうと思ったのかは謎だが…。
【追加雑学②】ドラえもんは足の短さがコンプレックス?
ドラえもんの身長は公式設定で129.3cmとされており、対する足の長さは129.3mm。そのほかにもジャンプ力や走る速さなど、いろいろと数字を揃えて設定されているのだが…それにしたって短足すぎる。
身長に対して10分の1しか足がないなんて、歩くのに10分の距離でも30分ぐらいかかりそうな勢いではないか。しかしその短さで正座したりあぐらをかいたりするものだから、「座るときは明らかに足が伸びている」という物議もかもしていたり…。
案の定本人もこれがコンプレックスらしく、長い足に憧れるシーンは割と登場する。足を無理矢理伸ばそうとして部品のバネを壊してしまい、余計に短くなったという設定まであるぐらいだ。
そしててんとう虫コミックス11巻に登場する「からだの部品とりかえっこ」という話では、「人体とりかえ機」という道具を使い、なんとしずかちゃんと足を交換している。
こうして長年の夢だった美脚を手に入れたドラえもんだったが、周囲の人間はドン引きしていた。というか、なんでしずかちゃん選んだんだよ…。
ドラえもんの雑学まとめ
ドラえもんは「土足で家にあがるな」というクレームから、体が宙に浮いている設定になった。
クレームをきっかけにドラえもんが靴を履くようになっても嫌だし、犬小屋で生活しだしても嫌だ。「ドラえもんはアメリカ人だから土足なんです」なんて言っても、ここは日本だ! と一蹴されそうである。
反重力装置の設定は考えてみると、キャラクターのイメージを変えずに解決するかなりの良案だったといえる。