ピアノを習ったことがある人はもちろん、そうでない人でも知っている有名な曲、「エリーゼのために」
エリーゼって誰だよ? と思ったことはないだろうか。
妹? 恋人? 生徒? ブルボンのお菓子? いやいや、そもそも作曲者であるベートーベンですら「エリーゼって誰だよ?」と思っているかもしれないのだ!
なぜなら…実は、エリーゼはエリーゼではなかったからである!
今回は、「エリーゼのために」にまつわる雑学をお教えしよう!
【面白い雑学】「エリーゼのために」は「テレーゼのために」だった?
【雑学解説】「テレーゼのために」が「エリーゼのために」になった理由とは?
では、なぜ間違ったタイトルで普及してしまったのか? それは、ベートーベンの悪筆が原因なのだ。
ベートーベンはとにかく字が汚かったのである! その豪快な殴り書きたるや、字どころか、もはや絵画、まさに「芸術は爆発だ!」を地で行くようなレベル。
当然ながら、本人以外は容易に判読できる代物ではなく、テレーゼもエリーゼに間違えられてしまった、というわけだ。
しかし、「Therese」が「Elise」に見えるって…どんだけ汚いんだよ!
ベートーベンは恋多き男だったようで、この「エリーゼのために」の他にも「月光」など、恋する女性へ贈った曲が存在する。華麗な恋愛遍歴は、数々の名曲を生み出すモチベーションともなったのだ!
もしや、「芸術は爆発だ!」といわんばかりの悪筆も、こうした情熱的な性格から来るものだったのだろうか? それにしても、写譜師の苦労が思い浮かぶ…。
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【追加雑学①】エリーゼの正体その1:テレーゼ・マルファッティ
それでは、エリーゼ…じゃなかった、テレーゼの正体についてみていこう!
ベートーベンが「エリーゼのために」を贈ったのは、テレーゼ・マルファッティ。ウィーンの商家の生まれで、一時期ベートーベンにピアノを習っていたことがある。
当時39歳のベートーベンは、18歳の若くて美しいテレーゼに恋をし、プロポーズまでしたのだが…結果はあえなく撃沈! テレーゼは別の男性と結婚してしまった。
【追加雑学②】エリーゼの正体その2:エリザベート・レッケル
しかし、近年になって「いやいや、テレーゼじゃなくて、そのままエリーゼでいいのでは?」という説が浮上してきている。こちらの正体は、エリザベート・レッケルという女性だ。
彼女は、ベートーベンと友人だったテノール歌手、ヨーゼフ・アウグスト・レッケルの妹。兄同様、エリザベートも当時10代ながら、ソプラノ歌手として名を馳せており、しかもしかも! 「エリーゼ」の愛称で呼ばれていたのだ!
ちょうどテレーゼと同世代、親しく付き合っていたのも同時期なのだが、ベートーベンがエリーゼに恋愛感情をもっていたかは定かではない。ともかく、エリーゼも後にベートーベンのライバルでもあった作曲家と結婚した。
「エリーゼのために」の雑学まとめ
「エリーゼのために」にまつわる雑学をご紹介したが、いかがだっただろうか。
「エリーゼのために」は、長年提唱されてきた「テレーゼのために」説と、近年になって浮上した「エリーゼのために」説で議論が分かれているようだ。しかし、肝心のベートーベン直筆の楽譜はすでに失われているため、彼女の正体(ついでに、世にも汚い原稿も)は謎に包まれたままである。
しかし、名曲の謎を解き明かしていった結果、アラフォー時の手痛い失恋を暴露されてしまったベートーベン…なんとも不憫である。
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