ニュースなどを見ていると、頻繁に耳にする「ベストセラー」という言葉。要は本がめっちゃ売れたということで、著者は印税でボロ儲けである。
ところで、世界一のベストセラーが何かを、あなたは知っているだろうか。
「世界一のベストセラーとか…書いた人どれぐらい儲かったのかな…」などと想像してしまうが、この本は儲かるとかそういう考えとは無縁だ。だって、聖書なんだもん。
そう…聖書の発行部数は、どんなに売れた本も叶わないぐらいで、軽く億を超える。今回はそんな世界一のベストセラー本、聖書に関する雑学を紹介するぞ!
【面白い雑学】世界一読まれている本は聖書。
【雑学解説】聖書が世界一読まれている本である理由とは?
世界一のベストセラーである聖書の発行部数は、もはや天文学的数字といえ、人知を超える域である。
その数は歴史が長すぎて定かではないが、少なくとも50億部以上。なかには150億、3,880億部などという説まで存在する。2017年時点で3,200語にも翻訳され、もはや聖書の行き届いていない国などほぼ存在しない。
「世界で一番売れた本」として、堂々のギネス記録に認定されている!
現在も発行され続けているため、宇宙人に支配される大事件でも起こらない限り、この記録が塗り替えられることはないだろう。
聖書が世界一読まれていることは必然
聖書が世界一読まれていることは、もはや必然だ。聖書は言わずと知れたキリスト教・ユダヤ教の教典。ときにイスラム教でも取り扱われることもある。
世界人口の多くが座右の書とする、宗教的に地位が確立された書物だ。
『朝日新聞データ年鑑ジャパン・アルマナック2006』によると、キリスト教には約20億人、イスラム教には11億9,000万人、ユダヤ教には1,400万人の信者がいる。
3つを合わせると約32億人と、現在の世界人口約70億人の半分近い数になる。単純に考えて、今でも世界の半数近くは聖書を読んでいることになる計算だ。
さらに聖書の成立は紀元前4世紀と圧倒的な歴史を誇る。途方もない期間に渡って人々の指標となり続けたことを考えると、その発行部数を推測することは不可能に近いことも想像に容易い。
【追加雑学①】聖書の内容がすごい!
聖書は1冊のなかで、「旧約聖書」と「新約聖書」に分かれている。
前者は神様が世界を作る話やアダムとイヴの話など。後者はイエス・キリストの活動や神の啓示といった感じ。すべてを執筆するのに1600年もかかったという、世紀をまたいだ超大作だ。
万有引力の法則のアイザック・ニュートンをして
聖書にはいかなる世界の歴史より、たしかな真理がある。
と言わしめる。
奴隷解放宣言のリンカーン大統領だって
人間にとって望ましいものはすべて聖書のなかにある。
と言っている。
なにがここまで世界の偉人たちをうならせるのか? その内容は一言でいって「見返りを求めない愛」である。
すべてのものに対し、自分がしてほしいと思うような愛を向ける。相手が迫害してこようが、何をされようが愛す。
個人的にここまで貫ける聖人はそうそういないし、行き過ぎているとさえ思う。しかし実現できたら間違いなく世界は平和になる。
人類全員が幸せになることを目指す、究極の教え。目を通してみる価値は大いにあるぞ!
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【追加雑学②】世界のベストセラーランキング!
世界で1番のベストセラーは聖書で、50億以上という圧倒的な発行部数を誇るのは、宗教的な絶対的指標として人々を導いてきた歴史があるからだった。
そうなると次は発行部数2位以下のラインナップや、その内容がどんなものかも気になってくる。
これに関して、アメリカの情報サイト「List Challenges」にて、過去50年の発行部数を合計したベストセラー本、10冊をランキングにした「10 Most Read Books In The World(世界で読まれている10冊の本)」という記事が紹介されている。
この記事を参考に、聖書を除く2位以下の書籍を詳しく辿ってみよう!
2位:毛沢東語録(8億2,000万部)1964年初版
中華人民共和国の建国に伴い、当時の指導者・毛沢東の指示により、編集された語録集。本人の著作物などを引用し、毛主席がどのような考えをもつ指導者だったのかがまとめられた、集大成的な内容となっている。
彼が国家を率いた文化革命時代には、国民はこの本を常に携帯することを義務付けられた。書類を作るときも手紙を書くときも、毛沢東語録から言葉を引用するのが習わしとなっていたのだ。
表紙が赤のレザーになっているのは、持ち歩くことを意識し、汗や雨などで濡れてダメになってしまわないためだ。学生運動の集会などでは、集まった人たちが毛沢東語録を揃って天へと掲げる異様な儀式も…。
当時の中国の人口は約8億人。そのほぼ全員が持っていることを義務付けられていたから、これだけの数が売れているんだな…。宗教がそうであるように、集団をまとめるものはやっぱり強い。
毛沢東語録は中国だけでなく、ヨーロッパの共産主義国にも強く影響を与えている。なにより観光土産として買っていく人もいるため、実際にはもっと多く売れているのではないか。
3位:ハリー・ポッターシリーズ(4億部)1997~2007年
日本人でも知らない人はいないぐらい有名なファンタジー作品。こちらは単体ではなく、シリーズ累計の発行部数だ。世界で一番売れたシリーズ作品という肩書きがカッコイイ。
小説というと、ある程度大人になってからの娯楽という印象があるが、魔法と冒険をテーマにしたこちらは子どもにもとっつきやすい。それでもって、大人が呼んでも十分楽しめるという不思議な作品である。映画も人気だよね。
また著者のJ・K・ローリングスの壮絶な境遇を知ると、「ハリーポッターが世界的にヒットしたことが人生の救いになったのだなあ…」と、感慨深いものを感じさせられる。
そのトラウマは、ディメンターという化け物の姿に投影され、作中にも登場するぞ。
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4位:ロード・オブ・ザ・リング(1億300万部)1954年初版
こちらも映画のヒットで一躍有名になったイギリスのファンタジー作品。
巨大な力をもつ指輪を巡り、闇の軍勢との争いに主人公たちが身を落としていく。次々と集まっていく仲間に、まるでRPGゲームで遊んでいるときのようなワクワクを覚える作品である。
映画の3部作はすべて3時間に及ぶ超大作っぷり。私も学生時代に「3部作一気見するぞ!」といって、友人と徹夜の上映会をしたことがある。
…結論、途中で疲れて内容が入ってこないので、分けて観るのがおすすめだ。
5位:アルケミスト-夢を旅した少年-(6,500万部)1988年初版
ブラジルの小説家パウロ・コエーリョの代表作。初版から数年経った1993年以降、アメリカでヒットしたことをきっかけに世界67ヵ国語に翻訳され、一躍ベストセラーの仲間入りを果たした。
羊飼いの少年がピラミッドの宝物を探しに行くという、一見するとよくある冒険ものだが、少年の成長から多くのことを学べる自己啓発的な内容となっている。
執筆当初、著者は自分の存在意義を探求しており、その心境を少年に投影し、書き下ろしていったという。日本の芸能人にも座右の書として挙げる人が多い、ためになる小説だ。
「自己啓発本ってとっつきにくい…」と思っている人でも、物語になった本書なら自然と受け入れられるのではないか。
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6位:ダ・ヴィンチ・コード(5,700万部)2003年初版
2006年に映画化されたことでも話題になった、ダン・ブラウンの推理小説。
『最後の晩餐』や『モナリザ』といった、レオナルド・ダヴィンチの作品群をテーマにし、俗説として唱えられているそれらの謎に迫る内容だ。
しかしこれらの俗説がフィクションであるにも関わらず、著者が「ノンフィクションだ」と言ってしまったことで批判が相次ぎ、当時話題となった。優秀な作品であることは間違いないが、この側面から野次馬的に買う人もいたかも…?
7位:トワイライト(4,300万部)2005年初版
アメリカの作家ステファニー・メイヤーによるティーン向け小説。少女とヴァンパイアの禁断の恋物語で、アメリカではハリー・ポッターシリーズに続く人気作品だ。2008年から順次映画化もされている。
ヴァンパイアといえば中世ヨーロッパのイメージだが、トワイライトに登場するエドワードはもっと近代的。どちらかというと、アメコミヒーローに近い能力のような感じがする。
プラス恋愛の要素とくれば、どおりで10代には大ウケするはずだ。
8位:風と共に去りぬ(3,300万部)1936年初版
映画ではアカデミー賞9部門を受賞した名作としてもおなじみの作品。南北戦争時代を生きたスカーレット・オハラの半生を描いたもので、小説に関してもピューリッツァー賞を受賞している。
アメリカで奴隷が当たり前だったころの背景を知れる意義深い作品だが、白人目線で描かれたもののため、差別的であると批判されることも多い。
"風と共に去りぬ"というタイトルは文字通り、「奴隷を従えていた華やかな時代は、南北戦争と共に終わってしまった」と懐かしむものだ。以下はデジタルリマスター版の予告編。
9位:頭を使って豊かになれ(3,000万部)1937年初版
アメリカの著作家ナポレオン・ヒルによって書かれた自己啓発本。20年に渡ってあらゆる成功者の研究を行ったヒル博士が示した、成功哲学の決定版といえる作品だ。日本では『思考は現実化する』というタイトルで知られている。
鉄鋼王アンドリュー・カーネギーの依頼をきっかけに、20年の研究生活に身を落としていったヒル博士。研究期間は無給のため、借金にあえぎながらも諦めなかったエピソードは壮絶である。
依頼時のカーネギーによる「決断に1分以上かかるようなら、何をやらせてもダメだ」というセリフは有名だが、それだけのリスクを背負う研究を秒で引き受けられるヒル博士は只者ではない。一晩ぐらい考えさせてください…。
10位:アンネの日記(2,700万部)1947年初版
ナチスのユダヤ人狩りの中を生きた少女、アンネ・フランクの2年間の日記。オランダ・アムステルダムを舞台に、強制収容所送りを避けるため、息を殺して生活するユダヤ人たちの様子が記されている。
第二次世界大戦におけるドイツ支配の悲惨さが生々しく描かれた作品だ。戦争の歴史というのは目を覆ってしまいたくなるようなものだが、やはり学ぶことがたくさんある。
【追加雑学③】日本のベストセラーランキングも紹介!
最後に、わが国日本のベストセラーについてもランキング10位までをチェックしてみよう!
- 1位…窓際のトットちゃん(1984年・黒柳徹子著)580.9万部
- 2位…道をひらく(1968年・松下幸之助著)520万部
- 3位…ハリー・ポッターと賢者の石(1999年・J.K.ローリングス著、松岡佑子訳)510万部
- 4位…五体不満足(2001年・乙武洋匡著)479.3万部
- 5位…バカの壁(2003年・養老孟司著)439.5万部
- 6位…ハリー・ポッターと秘密の部屋(2000年・J.K.ローリングス著、松岡佑子訳)433万部
- 7位…脳内革命(1995年・春山茂雄著)410万部
- 8位…ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(2001年・J.K.ローリングス著、松岡佑子訳)383万部
- 9位…チーズはどこへ消えた?(2000年・スペンサー・ジョンソン著、門田美鈴訳)360.2万部
- 10位…日米会話手帳(1945年)360万部
1位は黒柳徹子さんの自伝書『窓際のトットちゃん』。彼女の知名度を一気に押し上げた1冊である。
2位は松下電器の創始者・松下幸之助の『道をひらく』。世界が誇る自己啓発本が『思考は現実化する』なら、日本が誇る自己啓発本はこれではないか。
日本のランキングなのにハリーポッターが食い込んできているのはさすがといったところだが、気になるのは『日米会話手帳』。これは日本における英会話本の元祖で、敗戦によってアメリカの統治が始まった1945年に発刊されたものだ。
統治が始まるまでは、アメリカは一貫して敵対視されていたが、ふたを開けてみると良い部分が目立ち、その流れに乗ってこの日米会話手帳が爆売れしたのである。
「世界のベストセラー」の雑学まとめ
今回は世界一のベストセラー本、聖書についての雑学を紹介した。
数千年という歴史をもつ聖書は、長きに渡って多くの人々を導き、億を超える途方もない発行部数を誇る。絶対に塗り替えられることのない記録をもつ、とんでもない書物だった!
聖書は教会だけでなく、本屋のキリスト教関連の棚の中に必ずあるし、海外などではホテルの部屋にも常備されていることが多い。見かけた際は、1度手に取って読んでみよう!
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