辻褄が合わないことを意味する「矛盾」という言葉がある。
この言葉は、古代中国で「最強の矛」と「最強の盾」を売っている商人に対して、「その矛でその盾を突いたらどうなるのか?」と質問したところ、返答できなかったことから生まれた故事成語だ。
この「最強の矛」と「最強の盾」と同じように「最強の下剤(便秘薬)」と「最強の下痢止め」。どちらの効果が強いのか…と疑問に思ったことはないだろうか?
今回の雑学テーマは、新世紀の「矛盾」ともいえる、下剤vs下痢止めの対決…! それでは、レディー・ゴー!
【人体雑学】「下剤vs下痢止め」はどっちが強い?
【雑学解説】下剤と下痢止めの効果について
さて、なんとなく煽ってみたものの、結論としては下剤の圧勝である。もちろん、体質などにもよるが、下剤と下痢止めを一緒に飲んだ場合は下痢になるといっていいだろう。
それでは、なぜ下剤のほうが効果が強いのだろうか? まずは、下剤と下痢止めが効果を出す仕組みを説明したい。
便秘薬を始めとする下剤は、腸の働きを活発化することで排便を促す薬である。一方の下痢止めは、活発になりすぎている腸の働きを抑えることで下痢を止める薬だ。
これだけ見ると、腸の働きを「活発化する薬」vs「抑制する薬」という真逆の効果をもつものであり、矛盾のようにどちらが強いかわからない…ように思える。
しかし、人間の体の仕組みとしては便を出すほうが自然の作用であるので、下剤のほうが強い効果を発揮するのだ。やはり自然の力には敵わないということか。
そんなわけで、最強の下剤と最強の下痢止めの戦いは、「最強の矛」vs「普通の盾」くらいの力関係だったようである。
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【追加雑学】下痢止めがないときの対処法とは?
便秘に関しては多少放置しても即時に影響はないが、下痢はそういうわけにはいかない。電車内での急な腹痛など、緊急に対処しないと社会的に死亡してしまう可能性だってあるのだ!
だが、急な腹痛のために下痢止めを常時携帯している人は少数派だろう。そこで、下痢止めを持っていないときの対処法を紹介していきたいと思う。
お腹を温める
先ほども述べたように、下痢が起こるのは、腸が活発化しすぎて水分の吸収などがうまくいかないのが理由だ。そのため、お腹を温めて血行をよくすることで腸の働きを正常に戻し、下痢を抑えることができる。
冬場であれば使い捨てカイロをお腹に当てるのもいいし、何も持っていない場合はお腹をさすって温めるのもいいだろう。
また、白湯などの温かい飲み物を飲めば、腸を温めつつ下痢で排出した水分の補給にもなる。逆に、冷たい飲み物は腸を刺激して下痢をさらにひどくするので気をつけよう!
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ツボを押す
世の中にはさまざまな効果をもつツボがあるが、下痢に効くツボももちろん存在する。ツボの名前はそのまんま「下痢点」である!
下痢点は、手の甲側の中指と薬指の両指の骨が交わるところにあるくぼみのこと…と言葉で伝えてもわかりづらいと思うので、下記の動画を御覧いただきたい。
このツボを押すことで交感神経を活発化し、腸の働きを司る副交感神経が弱まるという。緊急の際には下痢点を押して、トイレまでの道のりをなんとか耐えしのごう。
体の左側を下にして寝る
自宅で腹痛になったが、下痢止めは切れている…。そんなときは、体の左側を下にして横になってみよう。最近の研究によると、左側を下にすると消化器官の負担が軽くなり、便意を抑えられるようになるらしい。
ちなみに、同じ腹部でも食べ過ぎによる胃のもたれの際には、体の右側を下にして横になるといい。胃の出口は右側にあるので、食べ物がスムーズに流れて消化が早くなるのだ。
「下剤vs下痢止め」の雑学まとめ
冒頭で張り切って紹介したものの、残念ながら新しい「矛盾関係」を見つけることはできなかった。しかし、下痢の対処法など、皆さんのお役に立つ雑学をお届けできたと自負している。
だが、今回の雑学が本当か疑問に思っても、自分の体で試そうとするのは絶対にやめていただきたい。下剤と下痢止めを同時に飲むことで体に負担がかかるだけで、いいことは1つもないのだから…。