キラキラネーム。それは、一般的に学がないだの常識がないだのと非難されがちな名前たち。
“光宙”と書いて“ピカチュウ”、“泡姫”と書いて“アリエル”など、「それ、本気で言ってるの?」レベルの名前から、「読めなくはないけどちょっと変かも…」な名前など、そのバリエーションは様々だ。共通していえるのは、どこか違和感を覚える名前であること。
90年代半ばごろから台頭してきたとされるキラキラネームは、それ以降の若い世代にみられる流行とされ、若者の学のなさを揶揄する材料とされてきた。
だが100年ほど前に、学がありまくるのにキラキラネームを我が子に付けまくった偉人が存在したことをご存知だろうか。
【面白い雑学】森鴎外の子供たちの名前は元祖キラキラネーム
【雑学解説】文豪・森鴎外は5人の子供にキラキラな名前をつけていた!
森鴎外。国語の教科書や資料集で顔を見たことがある人も多いのではないだろうか。
めちゃくちゃいかついおじさんだ。
数多くの作品を残した森鴎外は、日本の最高学府、現在の東京大学医学部を卒業した超エリート。東大医学部の予科に入学したときは12歳、なんと2歳ごまかして入ったというのだからびっくりだ。
作家であると同時に、陸軍のトップで軍医でもあった、様々な顔を持つ多才な森鴎外。作家として文豪と称されるだけで十分にすごいことなのに、お医者さんとしても活躍していたなんて、もうすごいなんてもんじゃない。
そんな森鴎外が子供にキラキラネームを付けちゃっただなんて信じられない…。
いったいどんな名前なのだろうか。
よ、読めない…!森鴎外の5人の子供たちの名前!
それでは森鴎外の5人の子供たち、一気に紹介しよう!
- 長男・於菟(おと)
- 長女・茉莉(まり)
- 次女・杏奴(あんぬ)
- 次男・不律(ふりつ)
- 三男・類(るい)
うーん、読めない…。読めないし、日本離れしたちょっと違和感のある名前…。
間違いない。キラキラネームである。
於菟・杏奴・不律はそもそもふりがながないとわからないし、長女の茉莉、三男の類は今では違和感のない名前だが、100年前の当時からしたらやっぱり違和感があるだろう。
いったいどうして、森鴎外はキラキラな名前をつけたのだろうか。
実はこれには理由があるのだ。
ドイツへの留学経験があり、早くから国際的な感覚を身につけていた森鴎外は、自分の子供たちに対しても世界で通用する人間になってほしいという思いがあった。
森鴎外の本名「林太郎」は外国では発音が難しく、子供たちには世界でも溶けこめる名前を、という理由でキラキラさせたみたいだ。
たしかに、みんなヨーロッパぽい名前。読みにくくて不便なのでは…とも思うけど、キラキラな名前には、子供たちへの期待と愛情がたっぷりとこもっていたのだ!
【追加雑学①】森鴎外は子煩悩だった!?
そんな変わった名付けをした森鴎外は、いかつい顔して実はとっても子煩悩なパパだったようだ。
筆まめで子供たちには頻繁に手紙を送り、育児や教育にも積極的。娘の写真を人に「かわいい」と褒められなくて怒ったり、子供たちにハゲ頭をばかにされるなどイタズラをされても許しちゃったり、親バカエピソードも多く残っている。
元祖キラキラネームの名付け親なだけでなく、元祖イクメンでもあったのだ!
そんな森鴎外に溺愛されて育った子供たちは、森鴎外を「パッパ」と呼んで心から慕い、後にそれぞれ森鴎外に関する思い出を綴って出版したりしている。子供たちもまた、パパが大好きだったようだ。
なんだかとてもほっこりする、素敵な親子関係である。
【追加雑学②】森鴎外の愛した意外な食べ物
エリートでイクメン。完璧で素敵なパパ。そんな森鴎外だが、食べ物の好みは変わっていたようだ。
森鴎外が好んで食べていたメニューがなんと「饅頭茶漬け」!その名の通り、白いごはんにおまんじゅうを乗せてお茶漬けにしたものである。
甘い饅頭ともちもちなごはんのマリアージュがとっても美味…かどうかは食べる勇気がないのでわからない。
しかしよくこんな組み合わせを考えたものだと感心してしまう…。これもまた、才能なのかも?
森鴎外の雑学まとめ
今回は、100年前のキラキラネームと森鴎外の意外な一面について紹介した。硬派でお堅いイメージが強い鴎外のギャップには驚きだ。
子供たちへの愛情をこめて、その名前にキラキラネームをつけた鴎外。いつの時代も親が子を思う気持ちは変わらない。平成のキラキラネームにも、それぞれの親なりの思いがこめられているのかもしれない。
おすすめ記事
-
日本一長い名前の人は12文字?世界の長い名前の人たちもご紹介!
続きを見る