この広い地球には、さまざまな理由から「体に毒をもつ」生き物がいる。代表的なものでは、ヘビや蜘蛛(くも)などが有名だが、今回ご紹介したい雑学は毒をもつという「鳥」についてである。
「おしゃべりが得意」「ゆかいな求愛ダンスを踊る」など、鳥類にもいろいろな特徴があるものがいるが、毒をもつ鳥とはどんな鳥なのだろうか。無類の鳥好きの筆者が調べてみた!
【面白い雑学】ピトフーイという鳥は、人間を殺すほどの毒をもっている
【雑学解説】ピトフーイがもつ猛毒「ホモバトラコトキシン」が強力すぎる。
その名前だけ聞くと、「かわいいんだろうな…」という印象のピトフーイ。みなさんはこの名前を聞いてどんな姿を想像するだろうか?
まずはその姿をごらん頂こう。こちらが猛毒をもつ鳥である!
つぶらな瞳にモフっとしたまんまるの体。…かわいい!
黒いというのもあって、カラスのちっちゃい版にも見える。子どものころから長くインコを飼育してきた筆者は心惹かれる。こんなにかわいい姿をしているのに、「人を殺せちゃうほどの毒」をもっているというのだから驚きだ…!
ちなみにこの「ピトフーイ」という呼び名は、ニューギニアにのみ生息している数種の鳥の総称である。この黒っぽい体にオレンジ色の入った「ズグロモリモズ」がその代表格で、ピトフーイの中でもとくに高い毒性をもつ。
ピトフーイのもつ毒は「ホモバトラコトキシン」というのだが、なんとこの毒、羽根と皮膚、そして筋肉に潜んでいるのだ。 ニューギニアに行って気軽に触れ合っちゃったら大変なことになってしまう!
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【追加雑学①】ピトフーイの毒の注意点
たとえばピトフーイを何かの間違いで「食べちゃった」場合。
そのへんの鳥を捕まえて食べるなんてことはまずあり得ないのだが…人間はピトフーイの「羽根一枚分」で死に至るという。
というのも、この「ホモバトラコトキシン」、ねずみだと数ミリグラムで死んでしまう猛毒だという…!
さらに悪いことに羽根にも毒があるので、「落ちている羽根」に触れるだけでも毒をもらってしまう。ニューギニアに行っても、鳥や落ちている羽根には決して触らず、ましてや食べることのないように気をつけよう。
【追加雑学②】毒のないピトフーイ「ムナフモリモズ」
現在、ニューギニアに住む約6種類の鳥がピトフーイと呼ばれている。
クロモリモズ・ムナフモリモズ・サビイロモリモズ・カワリモリモズ・ズグロモリモズ・カンムリモリモズだ。
これらのピトフーイのうち、一種類だけ毒をもたないものがいるという。それは「ムナフモリモズ」だ!
毒があるから「ピトフーイ」って付けたんじゃないんかい! とツッコミを入れたくなるが、このムナフモリモズだけは無毒なのにピトフーイなのだ。「ムナフ」ちゃんだけは、触っても大丈夫。毒鳥グループの「ピトフーイ」にも、ひとりは癒やし系が必要だよね!
雑学まとめ
ピトフーイについての雑学を紹介してきた。「見た目はかわいいのに猛毒」という、この激しすぎるギャップ。
鳥類好きにとってはものすごく興味をそそられる生き物である。実際にニューギニアに行ってピトフーイたちに触れて確かめ…たら絶対ダメ!
ピトフーイたちに関しては、その様子の観察や美しいさえずりだけを楽しんで、そっとしておいたほうが身のためだ。