水上をプカプカと漂うラッコ。つぶらな瞳でエサをねだる姿がとても可愛く、水族館でも大人気だ。
そう、ラッコはいつだって可愛い。可愛いんだけど…実は彼らの可愛さを語るうえで、寝るときの姿に適うものはない。
なんと、ラッコは手をつないで寝るのである! そんなに仲良しだなんて微笑ましい! もしくは寂しがりやなのか?
今回はそんな、ラッコの生態の雑学を紹介しよう。
【動物雑学】かわいすぎ。ラッコは手をつないで寝る
【雑学解説】ラッコが「手をつないで寝る」理由とは?
野生のラッコは、昆布など、海底に根を張る海藻に巻き付いて睡眠をとる。どこにもつかまらないで寝ていると、気付かずに沖合に流されて危険な目に遭うことがあるからだ。また海藻の密集地帯で眠ることで、天敵へのカモフラージュになるという意味もある。
では、水族館のラッコはどうだろう。つかまるための昆布など当然生えていない。
そこで「じゃあ、近くにいる仲間と手をつなげばいいじゃん!」と、なったわけだ。
ただ、水族館は海のように広くもないし、流されながら眠っていても別に危険にさらされることはない。
でも、彼らの習性的には何かにつかまっていたほうが安心できる。だから仲間が近くにいると手をつないで眠ることがあるのだ。精神安定剤みたいな感じなのかな。
もちろん、水族館に危険がないことはラッコたちも重々承知だ。そのため、流されながら眠るラッコもいれば、手をつないで眠るラッコもいる。
では、ここで可愛いラッコの手つなぎ動画を見てみよう!
最高に癒される! お互いの手を探してキュッとつかむ姿にキュンとするぞ! ラッコの睡眠時間は1日に11時間ほどと長いので、水族館に行けば生で見られるチャンスは多いかも?
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【追加雑学①】ラッコは顔にピタッと手を当てて体温調節をする
ラッコにはまだまだ可愛い習性がある。次に紹介するのは、手で目や口を隠す仕草だ。
全身毛で覆われているラッコだが、手のひらだけには毛が生えていない。つまり手のひらはラッコの身体で一番体温が下がりやすい場所である。
そこで、目・口・頬などにピタッと手のひらを当てて温める。「見ざる・言わざる・聞かざる」状態で可愛さ満点だ!
以下の動画で、実際に手のひらの体温調節をするラッコが見られる。
こ、これは…またしても可愛すぎる! 寝ているときが一番可愛いと思っていたが、やはりこちらも捨てがたい…。
【追加雑学②】ラッコは毛並みのお手入れに余念がない
さて、次に紹介するラッコの可愛い仕草は、顔や身体を洗う毛づくろいだ。ラッコはかなりのキレイ好きで、暇さえあれば顔や身体をムニムニと手で触っている。
なぜキレイ好きなのかというと、ラッコの毛はキレイな状態を保たないと保温効果が得られないからだ。
ラッコには体温を維持するため、8億~10億本もの体毛が生えている。これらの毛並みが綺麗に揃っていることで水を弾き、海水の冷気をなるべく肌に触れさせないようにしているのだ。
…何がって思ったより毛深いことにびびっているんだが…。同じようにモフモフに見える猫でも数百万本レベル。ラッコの毛深さはマジで規格外である。
顔を毛づくろいする姿はまるで小顔マッサージのよう。目を細めた表情に「極楽~」の一言が聞こえてきそうだ!
もうね…どの仕草が、とかじゃなくて全部可愛い。それでいいでしょ。
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【追加雑学③】ラッコはマイストーンをもっている
ラッコはお腹の上で貝を割って食べる。これはラッコの習性のなかでも、特によく知られているものだ。しかし、貝を割るときに使う石を持ち歩いていることを知らない人は、けっこう多いんじゃないか。
これがマイ箸ならぬマイストーン。ラッコは気に入った石を使い続けるのだ!
きっと使い勝手の悪い石もあって、割るたびに探していては都合が悪いんだろうな。
しかも、進化の過程でその石を収納するポケット(お腹のたるみにしまっている)までできてしまったというからびっくりする。
ラッコはみんなマイバッグにマイストーン持ち。…エコは関係ないけど。
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【追加雑学④】ラッコの食欲はハンパじゃない
ラッコは、1日に体重の約25~30%の量の食事をする。体重が30キロだとすれば、1日に10キロ近く食べる計算だ。
…いや、フードファイターとかそんなレベルじゃない。明らかにおかしい食事量である。
ラッコがこんなに大量の食事を摂る理由は、彼らの本来の生息地を想像するとよくわかる。アメリカ北部やロシア、北極海など…いずれも極寒の地なのだ!
同じく極寒の地に住むアザラシやペンギンなどは、皮下脂肪をたっぷり溜め込むことで寒さに耐えている。でも、ラッコは皮下脂肪をあまり溜め込むことができない。だから寒さに耐えるため、ただただ食べまくるのだ。
食べる=カロリーを摂取すること。そしてカロリーは熱量である。このように、彼らは食べることで体温を維持している!
ちなみに主食はカニ・エビ・アワビ・ウニ・イカ・二枚貝など、人間からしてもちょっとうらやましいラインナップ。お腹すいてきた…。
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【追加雑学⑤】 ラッコ界のアイドル・メイちゃん
動物がショーを行えば、だいたいその施設の名物になる人気者が出てくる。ラッコ界もそれは例外ではなく、アイドル的存在のラッコがいるぞ!
ラッコ界の人気者として有名なのは、三重県の鳥羽水族館にいる「メイちゃん」。とってもサービス精神旺盛なのだ!
「ドアを閉める」という大技を何気なく披露する天才ラッコのメイちゃん。
立ちながら歩いたり、拍手をしてみたり…。飼育員さんとの呼吸がぴったりで、お客さんへのサービスも完璧。人気も出るわけである。
さらにこちらの動画では、飼育員さんに肩たたきをしてあげる姿も。癒やされるわあ…。
三角コーンを掴んでグルグル回る芸もおなじみ。水しぶきをあげながら回転する姿は、さながらアーティスティックスイミングだ!
飼育員さんによると、このグルグル回る行動はメイちゃん特有のもの。鳥羽水族館じゃないと見られない! 三重に行くときは要チェックのスポットである。
【追加雑学⑥】国内で飼育されているラッコは7頭しかいない…?
珍しいのはメイちゃんだけでなく、国内でラッコが見られる水族館はかなり限られている。絶滅危惧種で輸出が規制されていたり、水族館での繁殖が難しかったりするため、なかなか数が増やせないのだ。
2020年現在、日本で飼われているラッコは7頭まで減っているという話も…。想像以上に少ない。
昔は北海道にも野生のラッコが生息していたというし、地球がいかに動物の住みにくい環境になっているのかを考えさせられるよね…。
参考までにラッコを飼育している水族館を一覧にしておく! お近くの施設があればぜひ。
- アドベンチャーワールド(和歌山県)
- 神戸市立須磨海浜水族園(兵庫県)
- マリンワールド海の中道(福岡県)
- 新潟市水族館 マリンピア日本海(新潟県)
- のとじま水族館(石川県)
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ラッコは手をつないで寝る|雑学まとめ
今回の雑学ではラッコが手をつないで寝ること、その他の可愛い仕草についての雑学をたっぷり紹介した!
あんまりにも可愛いもんだから、自分の可愛さを知っていてやっているのかとさえ思ってしまう。しかしラッコの仕草はどれも彼らが自然界で生きていくための大切な習性である。
水族館へ出かける際は可愛さと同時に、その進化の奥深さにも浸ってみてほしい。