インターネットや携帯電話が普及する以前は、初めて旅する場所への道のりを調べるには、雑誌や時刻表・路線図などをチェックしなければならず、とても大変なものだった。
しかし、現在ではスマホやPCがあれば、行きたい場所の名前を入力するだけで乗換案内まで教えてくれるようになった。いやはや、便利な時代になったものである。
だが、そんな手軽さゆえに陥りやすい罠も存在している。その罠とは、「駅名を間違えてしまう」こと。
今回の雑学では、イベントなどで間違えやすい駅名と注意点を紹介するので、ぜひ参考にしていただきたい。
【面白い雑学】間違えやすい駅名の雑学まとめ!
【雑学解説】イベント会場の間違いやすい駅名
好きなアーティストのコンサートのチケットを取ったが、馴染みのない土地の会場で開催されるのはよくある話だ。
しかし、もし降りる駅を間違えてコンサートが観られなければ、苦労して獲得したチケットも移動時間も無駄になるし、何より精神的ダメージがデカすぎる。
そんな事態を避けるためにも、ここではイベント会場に関する紛らわしい駅を紹介しよう。
「青海駅」と「青梅駅」
ゆりかもめの「青海(あおみ)駅」とJR青梅線の「青梅(おうめ)駅」は、漢字が「海」と「梅」で偏が違うだけであり、とてもよく似ている。
同じ東京都内にある両駅だが、その距離は50km以上離れており、電車で移動すると2時間程度はかかるのだ。
そして、青海駅はコンサート会場の「Zepp Tokyo」やコミックマーケットも開催された「青海展示棟」などの最寄り駅であり、さまざまなイベントが行なわれる場所である。
そのため、地方からイベント目当てに訪れた人が間違えて青梅駅で降りてしまい、かなりのショックを受けてしまう…というケースも多いらしい。
さらに、一般客だけでなく、イベントに出演するアイドルが同じ間違いをしてしまい、twitter上で話題になったこともあるのだ!
皆様ごめんなさい。
ZeppTokyoに向かっていまして、
青梅駅だと思って着いて、ZeppTokyoの道調べようとしたら、
青梅ではなく青海で、まったく違う場所に来てしまいまして、青梅から青海まで2時間かかってしまうのでライブに出れなくなってしまいました。今日来て下さる方々本当に申し訳ございません。— 小室あいか⚡️HIGHSPIRITS 8/14O-EASTありがとう♥ (@aika_HS) November 27, 2018
アイドルといえども、地方出身で東京の土地勘がなければ、このような事態になってしまうのである。また、かつてはイベントの公式パンフレットに「青海」と「青梅」が誤表記されて、多数のイベント客が青梅駅に降りるという混乱もあったらしい。
イベントに参加する際には、「海」と「梅」の確認は怠らないようにしていただきたい。
「京セラ前駅」に「京セラドーム」は存在しない!
大阪府にある大阪ドームは、プロ野球のオリックス・ブルーウェーブの本拠地であり、コンサートなどの各種イベントも開催される。
そして、大阪ドームは2006年からネーミングライツ(施設命名権)により「京セラドーム大阪」と呼称を変更しているが、これが原因で罠に陥る人が増えているらしい。
スマホの乗換案内などで「京セラ」と入力すると「京セラ前駅」が表示されてしまい、勘違いしたイベント客が滋賀県の近江鉄道にある同駅で降りてしまうケースがあるとのこと。
京セラ前駅には京セラの工場しかなく、もちろん、コンサート会場などありはしない。そして、阪神電鉄なんば線「ドーム前駅」などの京セラドームの最寄り駅とは100km以上の距離があり、すぐに引き返したところでイベントに間に合うことはほぼ不可能である。
こういった悪夢を防ぐため、JRでは「京セラ前駅は京セラドームの最寄り駅ではありません」と注意喚起してるそうだが、イベントを楽しみにしているファンの目にはまったく映らないのかもしれない…。
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【追加雑学①】役所や大学に行く際に間違いやすい駅名
ここでは、受験や書類の提出などの重要なイベントの際に要注意な駅名を紹介する。
「霞ケ関駅」と「霞ヶ関駅」
東京メトロ日比谷線などの「霞ケ関駅」と東武東上線の「霞ヶ関駅」は、ともに読み方は「かすみがせき」である。パッと見だとまったく同じようにしか見えないが、実はカタカナの「ケ」の大きさが違う。
「ケ」が大きい方が、官庁街として知られる東京都千代田区の「霞ケ関」であり、「ケ」が小さい方が埼玉県川越市にある「霞ヶ関」。
川越市の霞ヶ関は、東洋大学や東京国際大学の最寄り駅であり、もし受験の際に間違えて官庁街に行ってしまうと、人生の行方を左右しかねないほどの大惨事になるので気をつけよう!
「都立大学」がないのに「都立大学駅」の謎
東京の東急東横線の「都立大学駅」は、その名前に反して近くに大学は存在していない。
もともとは名前の通り都立大学の最寄り駅だったが、1991年に大学が八王子に移転してしまい、現在のような「名前はあれども大学はない」という形になったのである。
これが原因なのか、都立大学の受験生が間違えて都立大学駅で降りてしまうこともあったとか…。そんな惨事を回避するため? 2005年に都立大学が「首都大学東京」に大学名を変更し、受験生が誤解することはなくなったようである。
しかし、首都大学東京はキャンパスの場所は八王子のままで、2020年から「東京都立大学」へと再改称すると発表しており、以前と同様の混乱を生じる可能性が出てきている。こうなると、さすがにそろそろ駅名を変更した方がいいのではないかと思うのだが…。
ちなみに、都立大学駅のお隣の「学芸大学駅」も1964年に学芸大学が移転してしまったが、学芸大学付属高校の最寄り駅ではあるので、まだ面目は保っているようだ。
【追加雑学②】「富士山駅」と「富士山下駅」、どっちが富士山の最寄り駅?
日本一の高さで有名な山といえば、もちろん富士山である。それでは、富士山を目指す場合、どこの駅で降りればいいかをご存知だろうか? 正解は、山梨県の富士急行線「富士山(ふじさん)駅」である。
しかし、2013年に富士山が世界遺産になってから、外国人観光客などが群馬県の上毛鉄道の「富士山下(ふじやました)駅」で降りてしまうケースがあるらしい。そして、この様子はGoogleのCMにもなっている。
富士山下駅の近くには、江戸時代に富士山を模して作られた「富士塚」の1つである「富士山(ふじやま)」が近くにある。その全高は160mほどであり、20分程度頂上まで登れてしまうらしい。そして、山頂からは本物の富士山もみえるそうだ。
本物の富士山に登りたいけど、かなり大変そうだし…と考えている方は、富士山(ふじやま)に登って富士山見物と洒落込むのも面白いかも!?
「間違いやすい駅名」の雑学まとめ
今回は純粋な雑学というよりも、ちょっとした豆知識という感じになってしまったが、情報としてはかなり役立つものではないだろうか?
しかし、今回紹介したもの以外にも、似たような名前の駅は全国に数多く存在している。馴染みのない土地へと出かける際には、下調べをしっかりしておくのを忘れないようにしよう!
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