『走れメロス』『葉桜と魔笛』『人間失格』など、文学史に残る作品を数多く執筆した太宰治。作品と同時に、その人生が波乱に満ちていることもよく知られている。 確認されているだけでも、4度に渡る自殺や心中。婚約者の居る身で駆け落ちをし、その相手とは別の女性と心中を図るという情緒の不安定っぷり。絵に描いたようなダメ人間である。 そんな太宰が欲しくて欲しくて仕方なかったもののひとつが、現代でも栄誉とされる芥川賞だ。受賞したいがために太宰は手紙を書くのだが…その内容もまた、問題ありだった。 いったいどんな手紙を、誰に送 ...