筆者はマラソンと聞くと小学校の国語で習った、太宰治の短編小説『走れメロス』の話を思い出す。 メロスは話の中で、自分が処刑されることをわかっていても、友情のために走り続けた。あらすじを思い出すだけでも、目頭が熱くなる名作だ。 『走れメロス』はあくまでもフィクションだが、なんと実際のオリンピック史にも、愛する者のために走った人物がいた。 オリンピックは世界一を決める大舞台だ。「君のために優勝してみせるよ」と誓った選手も、きっと数多くいるだろう。しかし今回紹介する人物は、オリンピックに優勝することでしかその恋を ...