いつのまにかジーパンがジーンズ、ズボンがパンツになったように、スパゲッティもパスタに変化した。たしかに「お昼、スパゲッティ食べようよ!」というより、「お昼、パスタ食べようよ!」と言った方が断然おしゃれだ。
そんなパスタ界のさらなる新生が「生パスタ」である。知っているようで知らない生パスタの定義…普通のパスタとの違いや使い分けを知れば、もっとおいしくパスタが食べられるようになるぞ!
【食べ物雑学】生パスタと普通のパスタの違いとは?
【雑学解説】定義としては普通のパスタの方が厳格!
実はもともとイタリアで一般的なパスタといえば生パスタだった。当初は食べるたびに麺を作っていたのだが、それではいちいち時間と手間がかかる。
このため、乾燥させて長期保存できるパスタ麺が発明された。それが普通のパスタ、いわゆる乾燥パスタである。
また両者には、定義として生パスタの方が「自由」、普通のパスタは「厳格」という真逆の性質がある。
乾燥パスタはイタリアの国民食として大切に保護されており、パスタ専用小麦粉である「デュラムセモリナ粉100%であること」などが義務付けられている。乾燥パスタを名乗るには厳格なルールがあるのだ。
対する生パスタは、使う粉から混ぜ込む材料までシェフの好みが反映され、かなり自由な創作麺となっている。通常はパンに使う薄力粉や卵が練り込まれ、素材の味を楽しめるのが特徴だ。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、何でもかんでも「生パスタの方がおいしい」とは限らないことも覚えておこう。
スポンサーリンク
【追加雑学①】こんなに違う!生パスタと普通のパスタの違い
乾燥パスタは、プリプリとした歯切れのよさが特徴だ。芯が少し残ったかための「アルデンテ食感」が好きな人も多いだろう。
長期保存が可能な一方、茹で時間が長くかかるので、大人数分茹でるのはちょっと大変だ。ソースを吸わず、麺の中まで味が浸透しないので、食感がダレにくく、伸びにくいのもメリットだろう。
トマトソース、さっぱりした冷製パスタ、スープパスタ、オイル系のパスタとは特に相性がいい。
対する生パスタは、水分量が多くモッチリした歯ごたえが特徴。日本で生パスタがブームになったのは、モチモチ系の食感を好む国民性が関係したのかもしれない。
茹で時間は2~3分と短く、すぐ茹で上がるのも嬉しい。麺の中にソースが浸透するので味はしっかり絡むが、そのせいもあって伸びやすい。茹でたらすぐ食べるのが鉄則だ。
濃厚なクリーム系、具沢山のボロネーゼなど、ソースや具との一体感を楽しめるのが生パスタ最大の魅力である。
【追加雑学②】普通のパスタを生パスタに変身させる裏技がある
乾燥パスタと違って常備するのが難しい生パスタ。お店で食べるしかないと思っている方に、ぜひ試してほしい裏技がある。ちょっと時間をかけるだけで、普通のパスタがまるで生パスタのようになるのだ。
方法は簡単。バットなど、パスタを広げられるサイズの入れ物に、乾燥パスタを並べて水を注ぐだけである。通称「水漬けパスタ」とも呼ばれるこの方法で1~2時間放置すると、パスタが水を吸ってモッチモチの生食感になる。
もちろん卵の風味などはしないが、生パスタ特有のモッチリした歯ごたえになるため、クリーム系のパスタを食べるときにはとてもおいしくなるのが嬉しい。また茹で時間も1~2分に短縮される。
明日はカルボナーラ! と決意したら、前の日の晩に水漬けにしておくのがベストだ。
まさかの3分!水漬け生パスタで究極のカルボナーラを作る飯テロ動画
乾燥パスタを水に漬けておきさえすれば、調理時間はなんとたったの3分! この動画を見ると無性にカルボナーラを食べたくなるので注意しよう。
雑学まとめ
筆者は一方的に「生パスタの方がおいしいに違いない」と思っていたのだが、それは大きな間違いだったようだ。普通のパスタと生パスタの特徴を覚えて、メニューに合わせた麺を選ぶようにしよう。
乾燥パスタと比べて日持ちしないのがデメリットの生パスタだが、製造技術と保存技術が向上し、最近では180日保存可能なタイプもあり、自宅でも気軽に常備できるようになった。見かけたらぜひ購入してみよう!