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"心頭滅却すれば火もまた涼し"といった人は焼死。犯人は信長!

雑学カンパニー編集部

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「心頭滅却すれば火もまた涼し」といった人は焼死しているということに関する雑学

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戦国時代から安土桃山時代にかけて生きた、快川紹喜(かいせん じょうき)という僧がいる。快川は、あの織田家とも渡り合った戦国武将の武田信玄も師事したほどの人物。当時誰もが認める人格者であった。

快川の残した有名なセリフに、「安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火もまた涼し」というものがある。火さえも涼しいと言ってのけるとは、いかに鍛え抜かれた心の持ち主だったのだろう…。

と思っていたら、この快川紹喜という人物、なんと焼死しているというではないか! 火もまた涼しと言ってしまった手前、火を目の前にしても逃げるわけにはいかなかったのだろうか。

いやいや、火もまた涼しとか言いながら焼け死んでもうてるやん! と思わずツッコミたくなってしまう。

今回はこの「心頭滅却すれば火もまた涼し」の真意発せられた背景に迫ってみたぞ! 快川紹喜の男らしさにうならされる雑学を紹介しよう!

【面白い雑学】「心頭滅却すれば火もまた涼し」といった人は焼死している

「心頭滅却すれば火もまた涼し」といった人は焼死しているという雑学

秀吉くん
あちゃ〜…今回は殿が関係するネタっすねえ…

信長さん
だってアイツが逆らうんだもん…

【雑学解説】「心頭滅却すれば火もまた涼し」は焼かれた時に言った言葉

まず快川紹喜の言った「安禅必ずしも山水を用いず、心頭滅却すれば火もまた涼し」は、「禅を行うのに必ずしも清らかな環境が必要ということはなく、心を落ち着けていればどんな苦境であっても屈することはない」という意味である。

問題は快川紹喜がこれをどんな状況で口にしたかということだ。それはまさに焼き討ちにあっている真っ只中、焼死する寸前のことだった。その場に居合わせた僧たち150名を前に、このセリフを言ったのだ。

快川紹喜の焼き討ちを命じたのは泣く子も黙る天下人、織田信長

秀吉くん
出てきたっすねえ…
信長さん
悪役の紹介みたいにしやがって…

どうして焼き討ちにされたのかというと、快川紹喜が織田家と敵対していた、佐々木次郎・三井寺の上福院・足利義昭の家臣である大和淡路守、の3人を寺にかくまったことが原因だ。

信長の配下にあった織田信忠が、3人を引き渡すように要求しても快川紹喜は応じなかった。なぜかといえば、かくまった3人は織田家と武田家が対立するなか、武田家についた3人だったからだ。つまり快川紹喜は武田家の義を重んじたのである。

元を辿れば快川紹喜は武田信玄によって恵林寺に招かれ、和尚となった。武田が他国との交流を交わす際には外交僧を、武田が死んでしまったときは葬儀にて大導師も務めたのだ。

武田には義理がある。だから武田の仲間は自分が焼き討ちされても売れない。

…なんだこの男は! 男の中の男ではないか!

そして炎に包まれる最中でも、自分の行いに悔いはないとでもいうかのように「心頭滅却すれば火もまた涼し」と言ってのけたのだ。

…かっこよすぎる!

信長さん
うーん…なかなか根性のあるヤツだ…。
秀吉くん
敵ながらあっぱれっすよ!

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【追加雑学①】焼き討ちした織田信長はもともと快川紹喜を慕っていた

焼き討ちした織田信長はもともと快川紹喜を慕っていたという雑学快川紹喜を焼き討ちにした信長だったが、実は信長は武田信玄が亡くなったあと、快川紹喜を自国に迎え入れようとオファーしたことがあったのだ。信長もまた快川紹喜を慕っていたのである。

これを受けても快川紹喜は武田への義を重んじ、信長のオファーを断っている。織田家が圧倒的な勢力を誇っていたのはいうまでもないのに揺るぎもしないとは、まったく一本筋の通った男だ。

このことが焼き討ちとは直接関係がないにしても、信長は自分になびかなかった快川紹喜に対して妬みの感情も持っていたのではないだろうか。

信長さん
うるせえ!

いずれにしても天下人すらも認める徳の持ち主だ。僧の鏡のような男だったのであろう。

【追加雑学②】「心頭滅却すれば火もまた涼し」の元ネタを考えた人は?

「心頭滅却すれば火もまた涼し」という言葉を考えたのは、実は快川紹喜ではない。元ネタがあるのだ。元は中国の詩人、杜荀鶴が考えた詩「夏日題悟空上人院」の一部だった。

こんな詩を考える人だ。杜荀鶴とはかなりの人格者だったに違いない。

…と思いきや、この人物、才能を認められ地位を手にすると調子に乗りだし、かなりの人に嫌われていたんだとか。

秀吉くん
残念すぎる人っすねえ…

「心頭滅却すれば火もまた涼し」は「心頭、火を滅却すればまた涼し」の読み間違いだなんて話も。火を消したら涼しくなるのは当たり前の話ではないか…。

そんな人物の詩に快川紹喜ほどの人間が感銘を受けていたのはいかにも笑い話だが、この読み間違いも快川紹喜の人となりが起こさせたものだろう。

「心頭滅却すれば火もまた涼し」の雑学まとめ

「心頭滅却すれば火もまた涼し」の雑学まとめ快川紹喜についての雑学を紹介した。「心頭滅却すれば火もまた涼し」は、快川の一本筋の通った人柄をまさに表したような言葉だった。

義を重んじ、たとえ自分が死んだとしても貫き通そうという心意気には感服させられる。それでいて、読み間違いをしていたなんてちょっとドジっ子なエピソードがあるところも人間らしくていい。

快川紹喜のように男らしく生きられたら…などと思うが、それでもやっぱり火は熱い。

信長さん
余に逆らうなっていうことだ!
秀吉くん
殿!そういうことじゃないっす!

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