日本で生活している限り、基本的には税金を支払っていく必要がある。しかし、所得税や消費税、相続税など税金には様々な種類があり、その金額もばかにならない。
そもそもどういうふうに税金が決まっているかよくわからない…。そのためには税金の仕組みをきちんと理解しておく必要がある。
あなたが稼いで得た所得に対して課せられる「所得税」だが、所得額が高くなるほど税率があがる累進課税の制度を採用していることは皆さんご存知だろう。ただ、その仕組みを誤って理解しているかも!? この際、きちんと把握しよう!
【生活雑学】所得税の税率があがるのは超過分のみ
【雑学解説】所得税は超過分に対し税率が段階的に上がる
日本では所得が高くなれば税率も高くなる「累進課税」の制度を採用している。
そして、各所得に対する税率は以下の通りとなっている。
所得 | 税率 | 控除額 |
4,000万円越え | 45% | 4,796,000円 |
1,800万円を越え4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
900万円を越え1800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
695万円を越え900万円以下 | 23% | 636,000円 |
330万円を越え695万円以下 | 20% | 427,500円 |
195万円を越え330万円以下 | 10% | 97,500円 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
4,000万円以上の所得があると、税率が45%にもなるわけだ。よく高所得者は所得の半分が税金でもっていかれるというが、あれは誇張したものではなく事実であることが分かる。
この表を使って計算しようとすると、「わたしは所得が300万円だから税率は10%で、税金は30万円払うのか」と判断する人も多いはず。しかし、この計算方法は誤りだ。これでは税金の払い過ぎになる。
変更後の税率が適用となるのは、所得のはみだしている割り増し分だけ。所得が300万円であれば195万円までは税率5%が適用され、はみ出た残り105万円に関しては10%の税率が適用となるのだ。
つまり、この場合の正しい税額は195万×5%=9.75万。はみ出し分の105万×10%=10.5万を足して、20万2,500円となる。
当初の計算と比べると、所得税が10万円も低くなった。計算方法が若干めんどくさいと感じる人もいるだろうが、それぞれの税率には控除額というのが定められている。
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たとえば税率10%の場合、控除額は97,500円。もし上記の計算法をしなくても、この控除額に当てはめれば、30万円-97,500円で20万2,500円という先ほどと同じ数字が出てくる。
税率10%の対象となる所得の範囲内ならどの数字をいれても97,500円を控除すれば、正しい税額が算出できるのだ。何だか不思議…。
【追加雑学】個人事業主は自分で税金を計算して納付する
多くの人は社会に出たら会社員として働くことになる。会社員では住民税や所得税などの税金関係は会社が事務手続きをやってくれるので、特に意識していないという人も多いだろう。
給与明細の控除額の欄に住民税や所得税といった項目があって、それが控除された額が手取りとなっているわけだな。
しかし、自営業やフリーランスの場合、そもそも会社に所属していないのだから自ら税金を納める手続きが必要となる。
住民税に関しては自治体から納付書が送られてくるので、それに記載された金額をコンビニや銀行で支払えばよいのだが、所得税に関しては自分で税額を計算する必要もあるのだ。
この手続きのことを「確定申告」と呼び、1月1日~12月31日までの1年間に得た所得に対する税金を、確定申告書や決算書などの書類をそろえ、翌年の2月下旬から3月上旬のあいだに税務署に申告する必要があるのだ。
確定申告をしないで放っておくと、延滞税や加算税がかかり、本来納めるべきはずの税金より高額の税金を支払うことになるので、個人で事業をおこなっているかたは確定申告を忘れずに行おう。
雑学まとめ
いかがだっただろうか。私も195万円以上の所得を得ると一律で税率があがると考えていたのだが、考えてみるとそれだと所得が1円異なるだけで税額が大きく変わることになるので不公平だ。
実際、不公平感をなくすために税金を徐々にあげる仕組みをきちんと用意してくれているわけだな。さすが我が国日本である。