うちの近所には昔ながらの和菓子屋さんがある。ほっこり地味な手作り感あふれるお菓子が並んでいるのがすごくいい感じだ。ガラスの引き戸の中に、季節ごとの和菓子が月替わりで登場する。 毎年梅雨入りの頃になると、涼しげな白い三角形の和菓子が出ている。「水無月(みなづき)」という名前からも分かるように6月にまつわるお菓子だ。上に小豆がのっており、モチモチとしてとてもおいしい。 このお菓子、なぜ6月にしか出さないのかと聞いてみたところ、とても風流な答えが返ってきた。季節ごとのお菓子には昔からの知恵や粋がつまっているよう ...