今回の雑学テーマは、現代人の食生活で、ごく身近にあり重宝しているカップ麺について。
お湯をかけて待つだけで食べられることや、リーズナブルな価格、たくさんのバリエーションのおかげで、カップ麺は一人暮らしのいわば生命線であり、食事・弁当作りに疲れている主婦にとってもいざというときの救世主だ。
そのカップ麺が世間の人に広く知られブームとなったきっかけは、なんとあの浅間山荘事件だったのだ! 昭和に起こった重大事件がきっかけ!? カップ麺と浅間山荘事件がどう関わったというのだろう。
カップ麺にお湯を入れて3分待つ間に考えてみよう。今こうしてカップ麺が食生活の一部になったきっかけ…。浅間山荘事件とは!? なぜカップ麺が登場するんだ!?
【食べ物雑学】カップ麺がブームになったきっかけは浅間山荘事件
【雑学解説】浅間山荘事件の報道がカップ麺の広告になった
テレビで、昭和の重大事件! を特集した番組があると、決まって上位にランクインする衝撃的な事件。大きな鉄球を建物にぶつけているシーンとともに紹介される事件。それが、浅間山荘事件だ。
この事件は、連合赤軍というテロ組織のメンバー5人が、警察から追われながら偶然通りかかった浅間山荘で、管理人の奥さんを人質にたてこもったいわゆる人質事件だ。
事件が長期化し、テレビで大々的に生中継していた。その視聴率はなんと89.7パーセント! まさにほとんどの国民がテレビに釘付けになって事件の行く末を見守っていたことになる。
山荘を包囲する機動隊の様子も、幾度となくテレビに映し出されていたのだが…。そのなかに、食事をしている隊員たちの姿もあった。寒空の下、隊員たちは立ったまま湯気がほくほくとあがる何かを食べている。
機動隊の人たちが食べているのは何!? と大勢の視聴者が思った。
それが! カップ麺だったのだ!
実は当時カップ麺は、袋に入ったインスタント麺と比べるとなんと5倍も高かった。当然一般人が買おうと思う値段ではなく、スーパーにもほとんど置いておらず、顧客は主に自衛隊や警察だった。カップ麺は一般の人々にはほとんど知られていなかったのだ。
隊員たちがおいしそうに食べているその食べ物に、テレビを見ていた人々は興味津々だった。これがきっかけとなり問い合わせが殺到! 思いもよらぬ宣伝となり、カップ麺が爆発的に売れる大ブームとなったのだ。
昔も今も、テレビの影響力はすさまじい…。
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【追加雑学①】浅間山荘事件が長期化した理由
浅間山荘事件の映像として印象的な、大きな鉄球で山荘を破壊するシーン。実はあれは最後の突入の日の映像で、事件発生から逮捕までなんと10日もかかっていたのだ。なぜそれほどまでの時間がかかってしまったのか。これにはいくつかの理由があったのだ。
- 山荘には十分な食糧があった
- 山荘が崖の上に建っていたため、まるで要塞だった
- 犯人が何も要求してこなかった
- 犯人を生け捕りせよ! の命令
- 銃は使用禁止
山荘にたてこもったことが犯人にとって好条件となっており、家族の説得や犯人を眠らせないための擬音攻撃、さまざまな作戦を練り突入も試みたのだが、犯人を説得することはできず時間がどんどん経過していった。
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【追加雑学②】カップ麺が活躍した背景
浅間山荘事件が起きたのは2月、長野県の山の中での事件だった。気温はマイナス15度。機動隊員に用意した弁当や地元の住民が差し入れた炊き出しのカレーも、隊員たちの元に届く前に凍ってしまう…。
ここで、カップ麺が大活躍したのだ!
- お湯さえあればその場で作れる
- 3分待てば食べられる
- 食器がいらない
- 極寒のなか、温かい物を食べられる
世間では知られていなかったカップ麺だが、このように画期的で優秀な食品だということは、自衛隊ですでに実証済みだった。事件以前に自衛隊が大口顧客だった経緯があったからこそ、カップ麺を現場での食事に取り入れることができたのだ。
カップ麺は、当時の浅間山荘事件での機動隊員の食事としては最適だった。事件が長期化するなかで、機動隊員たちのお腹を満たし体を温めた。
【追加雑学③】浅間山荘は今も残っている
鉄球をぶつけ放水するシーンを見れば、浅間山荘は取り壊されたと思う人がほとんどだろう。いや、そう考える方が自然だ。が! あの浅間山荘は今も残っているのだ!
歴史に残る恐ろしい事件の舞台となった場所…。怖い…でも見てみたい気もする…。
当時の所有者はあの忌まわしい事件が起きた山荘を手放したのだが、今は中国系の企業が買収し放置されているようだ。今の持ち主だという企業も、よくあの山荘を買ったもんだ…。しかしそのおかげか、今も山荘を見ることができる。
浅間山荘のあたりは、現在レイクニュータウンという別荘地になっている。夏は避暑地として訪れる人も多いが、冬場はひっそりとした場所だ。分かりにくい場所ではあるが、浅間山荘はそのまま残っておりちょっとした観光スポットになっている。赤い屋根が目印だ。
事件当時の報道を発見!その動画がコチラだ!
事件当時の緊迫した様子をとらえた報道番組だ。突入の瞬間から、人質の確保・犯人逮捕までが鮮明に映し出されている。
どれほどの大事件だったのか、映像を見て改めて恐ろしくなる。そして、この浅間山荘が今も残っているというのだから驚きだ。
カップ麺の雑学まとめ
今回は、浅間山荘事件とカップ麺についての雑学を紹介した。映像しか見たことがなかった事件だが、すさまじい事件だったのだ…。テロ組織の行動は、今も昔も想像を絶する。
ちなみに、浅間山荘事件で犯人が104発発砲したのに対し、警察はたった16発威嚇しただけだったという。とても胸が痛くなる事件だ。
しかし、もし浅間山荘事件でカップ麺を食べる機動隊員の姿がテレビで映されなかったら…ここまでカップ麺が身近な食べ物にならなかったかもしれない。
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