「コンドームを買うのってなんか恥ずかしい」
これは古くから根付いている日本の風潮で、今も多くの企業や団体がこの先入観をくつがえそうと奮闘しています。そんななか東京は原宿にて、かなり思い切った方法で普及を訴えているお店があることを知っていますか?
その名もコンドーム専門店「コンドマニア」。このお店、売りものはコンドームなのに、オシャレの街・原宿のど真ん中にあるんです。
【性の雑学】原宿のシンボルとなったコンドマニアとは?
今はすぐ近くの別の場所に移転しているのですが、2018年まではこんな感じで「コンドームを買うのが恥ずかしい」なんて言わせる余地もない佇まいで頓挫していました。
コンドマニア
#南青山に建てたい施設 pic.twitter.com/4mCWP36Kp5
— うーろんた🥤 (@oolong_ta) December 18, 2018
なんというか…ここまでオープンにコンドームを売り出しているお店って、未だかつてないですよね! そして目立つ店構えになっていることにも、やはり理由があります。
恥ずかしいからって裏通りに店を作っても意味がない
コンドマニアが原宿にオープンした90年代前半といえば、HIVの流行が国内でも徐々に取り沙汰されるようになったタイミング。
「FASHIONSNAP.COM」のインタビューで、事業部マネージャーの根岸さんも、アパレルの仕入れで海外に出向いた際、現地の啓発活動をたびたび目にしていたと語っています。
そして日本でコンドームを買えるお店にしても、当時はコンビニやドラッグストアのような気軽に入れる店舗は今の半分以下ぐらいの数しかありませんでした。
売っていてもやはり「恥ずかしい」という風潮から、レジ奥に並べられていたり、包み紙に巻かれて売られていたり…という状況。これじゃあ、コンドームに対してHIV予防のイメージなど浸透していくはずもありません。
この状況を危惧した結果、オシャレの街として名高く、若者が集う原宿のど真ん中にコンドマニアがオープンされることになったのです! 今より性のリテラシーが低かった当時を思うといかにも英断ですよね。
たしかに「アダルトショップのように目立たない立地では啓発活動にならない」というのは的を射ています。
外国人の観光スポットにも!
コンドマニアはその目立つ立地から、日本の地理に詳しくない外国人観光客にも人気なんですよ。
これだけオープンにコンドームを売り出しているお店は海外でもそれほどないのもありますが、実のところ日本のコンドーム技術は世界最高峰。「こんなコンドームがあるのかい?」と珍しがって買っていく人が多いんです。
海外に行くとコンドームの厚みは0.07ミリぐらいが相場で、0.01ミリの薄さを誇る「サガミオリジナル001」や「オカモト ゼロワン」などは、海外の人からすれば異次元の製品なんですよね。
またこんな感じでオシャレなコンドームがいっぱい並んでいるので、他県からきた日本人観光客にも人気だといいます。
東京に来て初めて見たのがTSUTAYAで、初めて行ったのがコンドマニアでした pic.twitter.com/pcf7l5kYKA
— チョロナリア@我推悉燃 (@jjn_f) September 8, 2019
2018年に移転。以前より目立たなくなったが…
前述したように、コンドマニアは2018年5月に神宮前通りの改修工事に伴って移転となっており、今は以前ほど目立たない立地になっています。
しかしその入りやすさは健在! 以下の動画で丁寧にレビューしてくれていますので、ぜひその雰囲気を堪能してみてください。
実店舗でここまで圧巻のラインナップを並べているところもほかにはないですよね。渋谷パルコや神戸三宮にも店舗展開されているので、お近くのお店へ足を運んでみては?
2019年には自動販売機プロジェクトも始動!
そしてそして…コンドマニアのコンドーム啓発活動はまだまだ止まりません。2019年からは「コンドーム自動販売機プロジェクト」が始動! 現在、設置希望者を募集中の状況です。
実際に設置されている例もあり…
学生の中には既にご存知の方もいらっしゃると思いますが、中央大学多摩キャンパスの生協の薬局コーナーにコンドマニア自動販売機が設置されました!中央大学の皆さん、是非ご利用下さい。#中央大学 #多摩キャンパス #生協 #コンドーム #自販機 #コンドマニア pic.twitter.com/H20AztqWCF
— Condomania(コンドマニア) (@Condomania_jp) January 6, 2020
こんな感じで順調に増えている様子。うん、デザインがカワイイ!
コンドームの自販機ってそれこそ昭和の時代なんかは薬局の前などによく設置されていたのですが、今はほとんど見かけないですよね。お店より自販機のほうが買いやすい人ってやっぱりいるでしょうし、これはどんどん普及していってほしいところです。
雑学まとめ
「コンドームを買うのが恥ずかしい」という日本の風潮に、原宿の一等地という目立つ立地にて、堂々たる立ち振る舞いで対抗したコンドーム専門店・コンドマニア。
セックスをするのが自然なことならば、コンドームを買うのもやはり自然なこと。同店のような働きかけによってコンドームがより、日常生活におなじみの存在になっていくといいですね。