自宅で作る「お母さんのカレー」も捨てがたいが、筆者はお店で食べるインドカレーが大好物。特にナン! モチモチで大きなナンがたまらない。
夫はライス派で、いつも意見は真っ二つである。
ある日、夫が「そもそも本場ではナンなんてめったに食べないんだぞ」と言い返してきた。えっ? インドカレーってナンが普通じゃなかったの…?
【食べ物雑学】カレーの本場インドでは、ナンをあまり食べない。
【雑学解説】インドでのナンは贅沢な食べ物!
インドカレーといえばナンがセットだと思い込んでいた筆者。調べてみると、夫の言うとおり! ナンはいつも食べる主食ではないのだそうだ。
というか、インドの人にとってカレーは当たり前のメイン副菜。食べに行くものではなく自宅で作るものだ。
そうなると、お供のナンも作るのか? と思うのだが、ナンを焼くには「タンドール」という大きな焼き窯が必要。それを持っている家庭は稀なのである。
また、ナンの主原料は小麦だが、日本では当たり前のようにある真っ白い精製小麦もインドでは高級品。全粒粉を水で伸ばしてフライパンで薄く焼いた「チャパティ」の方が日常的なのだ。
さらに、日本で食べられているインドカレーは北インド式。インドでは大きく分けて北インド料理と南インド料理があり、南インドではナンを食べない。
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【追加雑学①】こんなに違う!北インド料理と南インド料理
調べてビックリしたのだが、北インド料理と南インド料理は特徴が全然違う。ナンは主に北インドでしか食べられていない。
日本人になじみ深い北インド式カレーは肉が多く、カレーは辛さが控えめでとろみがついている。ナンやチャパティなどの小麦が主食。そして油脂や牛乳を使う。
対する南インド式は、野菜が多くて「ミールス」と呼ばれるおかずのようなものが金属製の器でたくさん出てくる。
カレーは辛くてスパイシー、サラサラの液状だ。主食は米で、油脂が少なくココナッツミルクを使う。多用な食文化が浸透した今でこそ食べられる日本人もいるのだが、北インド式に比べて南インド式は「食べ慣れない感じ」が強いかもしれない。
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超おいしそう!現地で食べる南インド料理動画に目がくぎづけ
現地の有名店で本格的な南インド料理を食べている動画がこちらだ。こうして見るといかにもエキゾチック! ぜひ食べてみたい…!
【追加雑学②】日本のナンはもはや「日本食」。ネパール・タイ・ベトナム料理と融合
実は日本のナンはもはや「日本食」レベル。北インドの人でさえ、「日本に来て初めて(このような)ナンを食べた」という人がいるくらいだ。自宅で作る「お母さんのカレー」が完全にジャパニーズスタイルなのと同じ感じである。
日本人好みのフワフワで口当たりのいい、大きなナン。今でこそ全粒粉や外米、本格スパイスが大好きな日本人もいるが、やはり最初は日本人好みのスタイルにする必要があったのだろう。
日本のインドカレーのお店で働いている多くの人は、インド人ではなくネパールの人。日本に移住して働くネパール人の人口が多かったからだ。
ネパールの人はインドカレーを日本人に合うように柔軟に変化させていったので、ネパール・タイ・ベトナム料理とも融合し、エキゾチックな独特のカレーになった。日本のインドカレー店はほとんどがこのような「インネパ店」だという。
逆に、「南インド料理」と看板をあげている専門店では、ナンではなくインディカ米を使った主食やミールスを食べられる。食べてみたい人は探してみよう!
雑学まとめ
インドカレーには大きくてフワフワのナンがつきものだと思っていたが、あれが「日本式」だったとは…。
ビーフカレー(インドでは絶対に食べない)・ハニーチーズナン・あんこ入りナンなど、日本ならではの形に進化し続ける日本式インドカレー&ナン。多様な食文化を取り入れた日本食が豊かなのを実感した。
スパイス大好きな筆者、今度は本格的な南インド料理もぜひ食べてみたいと思う。