激務・薄給の仕事から解放されたい、そう思い宝くじで一攫千金をもくろむ人は多いだろう。しかし、この宝くじ、買ったとしてもなかなか当たらない。たまに当たったとしても、元手を取るくらいで精いっぱいという状態の人がほとんどだ。
実は、宝くじはギャンブルより損をするといわれている。本当だとしたらもう二度と宝くじは買わないが、事実なのだろうか。今回の雑学では宝くじの還元率を検証してみたので、どうか最後までご覧いただきたい。
【生活雑学】還元率低ッ…!宝くじはギャンブルより損をする
【雑学解説】宝くじの還元率は47%
前述の通り、日本の宝くじの還元率は47%である。これは具体的にどういうことかというと、宝くじが100万円の売り上げがあるケースを想定してみよう。100万円×47%=47万円となり、宝くじの購入者への配当金は47万円となる。
残りの53万円は販売元が搾取するわけだが、この47%という還元率、日本の公営ギャンブルの中で最も低い数字だ。これほど割に合わないギャンブルは他にはなく、「宝くじは愚か者に課せられた税金」と呼ばれることもある。愚か者への税金とは、なかなかうまい言い回しである。
一番低い還元率といわれ気になるのは、他のギャンブルがどれくらいの還元率なのか、ということだろう。
平成20年に集計された古いデータだが、総務省の公式サイトに掲載された情報によると、公営競技(競馬、競輪、競艇、オートレース)の実行還元率は58.5%、サッカーくじの実行還元率は49.6%となる。
なるほど、たしかにどちらも宝くじの還元率とされた47%よりも高い。ちなみにこの調査では宝くじの実行還元率も示されていて、45.7%だった。国の公式な調査結果でも、宝くじはギャンブルよりも損する確率が高いことが読み取れる。
宝くじはこのように買う側は利益があげづらいのに対し、売る側は利益をあげやすい。宝くじは紙を印刷すれば商品となるシンプルなものなので、コストがかからないためだ。そして、宝くじを経営しているのはどこかというと、地方自治体だ! 結局得をするのは、役所ということか。
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【追加雑学①】宝くじの1等があたる確率は?
ためしにジャンボ宝くじで例をとってみると、宝くじで1等があたる確率は1000万分の1だといわれている。あまりにも分母が大きすぎてイメージが湧きづらいが、東京ドームを2個₊4分の1の広さに、宝くじを敷き詰めたとして、その広大な範囲の中に、たった1枚だけ1等があるということだ。
そんなケースは実際に起こり得ないだろうが、どれだけ珍しいことかお分かりいただければいいのだ。さらに分かりやすくするために不謹慎を承知でいうが、明日事故で死んでしまう確率の方がはるかに高いのだ。
年末ジャンボ宝くじになると1等があたる確率が2倍となり、2000万分の1と跳ね上がる。
こちらは年末ジャンボ宝くじ第770回(2018年)のもの。
- 1等(7億円):0.000005%
- 1等前後賞(1億5千万円):0.00001%
- 2等(1000万円):0.000015%
当選金額や当選本数は回号によって変わるものの、大体このようになる。ちなみに、7等の300円(購入金額と同じ)の当選確率でさえ10%である。
それでは、ほかの宝くじの当選確率はどうなっているのだろうか? いろんな宝くじの1等の当選確率を比較してみよう。
- ロト6 1等(上限2億円キャリーオーバーあり):0.0000164%
- ミニロト 1等(上限4千万円):0.000589%
- スクラッチ 1等(100万円):0.0008%
このようにみてみると、多くの人が買う「年末ジャンボ」より、ロトくじの方が当たりやすいことが分かる。ただし、ロトの場合は当選者が複数いた場合、賞金は分配されることになるので注意が必要である。
調べたところ、交通事故にあう確率の方が数百倍も低い。そう聞くと、宝くじは一生かかっても当たらない気がしてくる。
【追加雑学②】そんなに低い当選確率なのに買われる理由
こんなに当選確率が低いのに、どうしてみんな買ってしまうのか? 「夢のためだ」という声が聞こえてきそうだが、実は行動経済学で説明できる。
行動経済学の分野でノーベル賞を取った研究によると、人間はあまりに低い確率を過大評価し、高すぎる確率は過小評価してしまうとのことだ。宝くじのように限りなくゼロに近い確率は1%以上あるように感じ、逆に限りなく100%に近い確率は95%くらいに感じるのである。
したがって、宝くじを買う人は限りなく当たる確率が低いにもかかわらず、当たる気がする! と思いこんでしまうのだ。
【追加雑学③】宝くじの高額当選者は他人にその事実をいうのか
みごと宝くじに当選し巨万の富を得た場合でも、想像していたような幸せな人生が送れない場合も多いのだ。
高額当選者の鉄則として「他人に当選した事実をしゃべらない」というのがある。これはなぜか。ちょっと想像してみれば分かると思うが、知人や友人から金をせびられることが考えられる。それによって人間関係が破綻することも容易に想像できるだろう。
自分から伝えた相手ならまだ分かるが、自分とは全く関係のない赤の他人や団体から寄付のお願いがくることもあるようなのだから恐ろしい。だから、宝くじに当選したとしても、他人にその事実をいわないよう気を付けたほうがいい。
【追加雑学④】当選しても受け取りに来ない人も多い!?
当選した人がうらやましいと思っているあなた、実は当選しているかもしれませんよ?
なんと宝くじは販売額のおおよそ2%、すなわち年間200億円ぐらいは換金されないようだ。2016年の年末ジャンボ宝くじの場合、1億円以上の高額当選のうち16本が1年後も未換金だったとか。
もう一度よく宝くじを確認してみれば、あなたも億万長者の仲間入りができるかもしれませんよ。
雑学まとめ
今回は宝くじの還元率についての雑学をご紹介してきた。宝くじはギャンブルより損する確率が高いのだ。当選確率もとても低いので、割に合わないギャンブルだといえる。「愚か者に課せられた税金」だと揶揄されることもあるようだが、それもしょうがないだろう。
もし高額当選したとしても、そのことによって人生が変わってしまうことが多いようだ。いい方向ではなく、人間関係の悪化など悪い方向に傾く場合も多い。金は人を変えてしまう魔力があるということか。やはり、夢を見ずまっとうに働くのが一番なのかもしれない。
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