毎日の食事に欠かせない調味料。しょうゆ。でもほぼ毎日使うわりに、我が家はいつもいつも濃口しょうゆ。
ほかにどんなしょうゆがある? 料理によって使い分けるならどんなのがいい?
と思ったら、「しょうゆソムリエ」なる人がいるとか! いやいや、しょうゆソムリエ? ワインじゃなくて? グラスに注いじゃうの?
考えれば考えるほど「しょうゆソムリエ」というもの自体が謎になってきた…。ということで、しょうゆソムリエとはいったい何者なのか、そしてしょうゆについてのちょっとした雑学も併せてご紹介するぞ。
【生活雑学】しょうゆのソムリエがいる
【雑学解説】しょうゆソムリエは日本に3人いる
聞き慣れない「しょうゆソムリエ」だが、現在日本に3人いる。群馬の高橋万太郎さん・香川小豆島の黒島慶子さん・福岡の大浜大地さんだ。
3人の活動内容は基本的にしょうゆの魅力を発信することだが、それぞれに特徴がある。高橋さんは「職人仕立てのしょうゆの普及」・黒島さんは自身の出身地である「小豆島で作られるしょうゆの普及活動」・大浜さんは「九州のしょうゆの研究」がおもな活動内容だ。
ソムリエというとワインを思い浮かべるだろう。ワインのソムリエは、レストランなどで料理やシチュエーションに合わせたワインを提供したり、ワインのテイスティングをおこなったりする。
ではしょうゆソムリエはどうだろう? そこはやはりソムリエである。ワインと同じように、料理に合わせたおすすめのしょうゆを紹介したり、テイスティングなんかもできてしまうのだ。
おもしろいのが、福岡の大浜さん。大浜さんはしょうゆソムリエであり福萬醤油の7代目でもあるのだが、彼がオーナーとして経営している店「バル福萬醤油」は、なんとしょうゆのテイスティングバーだ。
日本だけでなく海外のものもあり、約250種類のしょうゆが置いてあるとのこと。そしてこのバル福萬醤油のバーカウンターで、利き酒ならぬ利きしょうゆができるのである。もちろんしょうゆソムリエ大浜さんの話も聞くことができるぞ。
では、この「バル福萬醤油」のCM動画を紹介しよう。鯛茶漬けが食べたくて店に入ったら…。出てきたのはなんとキュウリ!?
「しょうゆのテイスティング」というと、小さいスプーンでちょっとなめてみて…というイメージだろうか。バル福萬醤油では、食材と一緒にしょうゆを味わう方法をとっている。そうすることで、しょうゆの味や香りをしっかり感じることができるのだとか。
そしてこの動画に出てくる鯛茶漬けと卵かけごはんのおいしそうなこと。これはやばい。飯テロだ。お腹すいた…。
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【追加雑学①】「しょうゆソムリエ」は資格が必要?
ワインのソムリエは民間資格ではあるが試験があり、それを突破することでソムリエの資格を取得することができる。ではしょうゆソムリエには資格があるのか?
残念ながら、しょうゆソムリエは試験も資格もない。公的な資格があるわけではないので、いわゆる「自称」である。極論をいってしまえば、「私はしょうゆソムリエです!」と宣言すればしょうゆソムリエになることは可能だ。
だがしかし、実際にしょうゆソムリエとして活動しているこの3人は、とにかくしょうゆへの熱量がものすごい。高橋さんは300を超えるしょうゆ蔵訪問・黒島さんは小豆島にフォーカスしたしょうゆへの想い・大浜さんは九州しょうゆのテイスティングで90%の銘柄を当てることができるという。
しょうゆソムリエの資格はない。こうじゃなきゃダメという規定もない。だからこそ、「しょうゆソムリエ」と名乗るにはそれ相応の知識が必要なのだ!
【追加雑学②】しょうゆ選びのポイント
しょうゆには、「白・淡口・甘口・濃口・再仕込・溜」の6種類がある。それぞれに特徴があり、食材に合わせてこの6種類の中から選ぶのがおすすめだ。
白しょうゆや淡口しょうゆは、素材の味を楽しみたいときにおすすめ。しょうゆの色が薄いので、お吸い物や茶わん蒸しなどのような、素材の彩りを生かしたい料理に最適。
甘口しょうゆは、九州では一般的に使われているしょうゆだ。その名の通り甘みのあるしょうゆだが、同じ九州内でも地域によってその甘みはだいぶ違う。おかかごはんや焼きおにぎりがおすすめ。
全国的にいちばんポピュラーなのが、濃口しょうゆ。これがあれば、だいたいどんな料理も大丈夫だ。
再仕込しょうゆは熟成期間が長いため、うまみが濃く、味や香りのバランスがいいのが特徴。お刺身や冷ややっこに合う。
溜しょうゆはこの6種類の中でもっとも濃厚なしょうゆ。卵かけごはんがおすすめ。
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【追加雑学③】地域によるしょうゆの特徴は?
九州は甘口・関西は白や淡口・関東は濃口と、なんとなく地域によって違いがあるしょうゆだが、その違いはなぜ生まれたのだろうか。
九州のしょうゆが甘くなった理由は、なんと江戸時代までさかのぼる。当時日本は鎖国真っただ中で、長崎の出島でのみ貿易が行われていた。そのため、九州は輸入された砂糖が比較的手に入りやすかったとされる。
関西の薄口と関東の濃口は、しょうゆだけでなく味付け自体にも異なる傾向がある。もともと関西がダシ文化であることと、素材の味と色を大事にしているからだという。
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ただ、白や淡口はその名前から塩分も薄いと思いがちだが、ところがどっこい、塩分濃度は濃口より高いので注意が必要だ。塩分のしょっぱさが、素材の味を引き立てるんだとか。
関東は、土壌の性質から素材に泥臭さや生臭さがあるため、それを消すために濃口に。さらに水も硬水なので、調理してもその味が染み込みにくいため、しょうゆをはじめとして濃い味付けが主流になったともいわれている。
雑学まとめ
しょうゆソムリエという肩書で活動している人を、今回の雑学ではじめて知ることができた。しょうゆへの愛がすごい。
しょうゆにはいくつか種類があることは知ってはいたが、やっぱり買うのはいつも濃口しょうゆ。とりあえず濃口1本あればある程度の料理はできるし…なんて思っていたが、素材や調理方法に合わせてしょうゆを変えてみたくなったぞ。
味覚は人それぞれなので、自分に合う「これ!」というしょうゆを見つけてみてはいかがだろうか。しょうゆソムリエにお願いするのも良いかもしれない。