「チャラララララ~、チャラララララ~、ララ~」。突然だが、このメロディがわかるだろうか。ヒントはマジックのときのあの曲。
このヒントで大多数の方は、頭の中にあのメロディが流れてきたことであろう。そう、「あの曲」である。
はて、誰もが知っている「あの曲」。どれだけの人がタイトルを知っているのか。
「あの曲」のタイトルは「オリーブの首飾り」である。少し怪しげな曲調がマジックという不思議体験とマッチしている。「マジックといえばこの曲」というところまで定着したこの曲は、フランスで作られた曲であった。今回はそんな「オリーブの首飾り」についての雑学をご紹介していく!
【サブカル雑学】マジックで使われるあの曲のタイトルは「オリーブの首飾り」
元の題名は「EL BIMBO(エル・ビンボ)」っていったかねぇ。
【雑学解説】「オリーブの首飾り」が日本で使われるようになったのはいつから?
この曲が生まれたのは1974年のフランス。作曲者はクロード・モルガン。フランスではディスコナンバーとしてヒットし、ヨーロッパ・アメリカで流行したあと、日本へ広まることになる。
日本では、ポール・モーリア率いる「ポール・モーリア・グランド・オーケストラ」が日本公演の際に演奏したことをきっかけだ。ワインで有名な企業「メルシャン」がワインのCMで起用したこともあり、広く知れ渡っていった。
フランスでは原題の「EL BIMBO(エル・ビンボ)」のタイトルで発表され、赤ちゃんという意味をもつらしい。日本でも当初「嘆きのビンボー」というタイトルが考案されたが、日本では「貧乏」という言葉が連想されてしまい、現在のタイトルに変更された。
マジックで使われるようになったのは1975年、松旭斎すみえ(しょうきょくさい すみえ)という女性プロマジシャンが自身のマジックショーの中で使用したことから始まる。
ちなみに、松旭斎とは奇術師に与えられる呼び名で、明治時代から受け継がれている由緒ある称号である。
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【追加雑学】「オリーブの首飾り」には歌詞があった!
今までマジックショーのBGMとしての認識が高かった「オリーブの首飾り」だが、調べていくと歌詞が存在することがわかった。
印象的なメロディはそのままに、恋人と別れ旅立つ女性の気持ちを歌った内容の歌詞は、80年代「CHA-CHA-CHA」でヒットした石井明美が歌っている。この曲はTBS系「世界・ふしぎ発見!」のテーマソングとしても起用され、お茶の間でも人気を博した。
この曲が発表されたのは1989年のことで、「オリーブの首飾り」といえば、この曲を連想する人が多いが、実はこの曲よりも先に日本語詞をつけ歌っている歌手がいた。
1976年、松旭斎すみえ氏がマジックショーで「オリーブの首飾り」を初めて使った翌年、初代うたのおにいさん・田中星児が、いち早くこの曲を日本語楽曲として発表しているのだ。
田中星児は当時から「カントリーロード」や「ビューティフルサンデー」などの、海外楽曲をカバーした作品を発表しており、「オリーブの首飾り」は「カントリーロード」のB面として発表されている。
タイトル・メロディ・歌詞の内容まで、石井明美が歌っているものと似ているが、こちらは男性目線での恋人との別れを歌った内容になっている。B面での発表ということもあり、当時の映像があまり残っていないが、下の映像では2:48ごろから歌っている映像がある。
映像でも本人自らマジックの動きを披露するなど、この当時からマジックの定番ソングとして定着していたことがわかる。
雑学まとめ
今回はマジックのあの曲「オリーブの首飾り」についての雑学をご紹介してきた。
マジックショーで松旭斎すみえ氏が使った翌年に発表された、日本語詞バージョンでさらに人気に加速をつけた「オリーブの首飾り」。以降、長年マジックの定番ソングとして愛用されたことで、10年のときを経てカバー曲が出され、長寿人気となっていった。
ちなみに、原題「EL BIMBO」は日本以外の国ではマジックで使われることはないとのことで、マジックで使う「あの曲」といって通じるのは日本人だけのようだ。
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