味覚がお子さまの筆者は、コーヒーに砂糖とクリームが欠かせない。クリームには普段、お買い得な「コーヒーフレッシュ」を使っているが、たまには高級な生クリームを入れて、至福の味わいに浸ることもある。
断然「動物性生クリーム派」の筆者だが、家人はあっさりした「植物性生クリーム(いわゆるコーヒーフレッシュ)派」。
ふと疑問に思ったのだが、この2つには具体的にどんな違いがあるのだろう。値段や保存期間の差も気になる…!
【食べ物雑学】植物性と動物性の生クリームの違いとは?
【雑学解説】気がついてなかった…そもそも「生クリーム」じゃない!
実は生クリームには「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令=乳等省令」という法律があり、「生乳や牛乳を原料とし、植物性油脂や添加物を含まず、乳脂肪分18%以上のものを生クリームと呼ぶ」と定められている。
まさか「生クリーム」と名乗るための法律があるなんて…。そう思ってよく見てみると、市販の植物性クリームにはたしかに「生クリーム」とは書いていない。植物性油脂を使っている段階で、生クリームとは呼べないからだ。
前述のコーヒーフレッシュしかり、ホイップクリーム・植物性ホイップなどと書いてある。筆者は泡立てたものをホイップクリームというのだと思っていた…。
動物性生クリームは、牛乳が原料の乳脂肪。間違いなく「生クリーム」である。対する植物性は、植物性油を添加物で生クリーム風に仕上げた加工品。「生クリームっぽい」だけで、決して生クリームではないのだ。
【追加雑学①】植物性と動物性の特徴でメリット・デメリットがある
筆者が動物性、家人が植物性クリームを好むように、それぞれには異なった特徴がある。これは一概に「動物性生クリームの方がおいしい」などとは言い切れないものだ。
動物性生クリームはとにかく濃厚でリッチな味が特徴。いかにも「乳脂肪です!」と全力投球してくる濃い味わいだ。濃厚好きにはたまらないが、この乳臭さが乳製品嫌いにはデメリットとなっている。
また、泡立てても固いホイップがたちにくく、絞りだし袋でキレイな装飾をするのが難しい。気合を入れすぎると分離してボソボソした舌触りになってしまう。
少しでも早く泡立てたい人は、ほんの少しレモン汁(ポッカレモンで可)を入れると、タンパク質が固まって早く泡立てられるのでオススメだ。
対する植物性は、濃厚な乳臭さがないかわり、さっぱりしていて食べやすいのが特徴。反面、コクや旨みには欠けるので、物足りない人もいるかもしれない。また、動物性より価格が安く保存期間が長いというメリットもある。
最大の特徴は固いホイップクリーム状に泡立つことで、しっかりしたクリームはヘタりにくい。パンケーキの上に鬼盛りにすることが可能なため、インスタ映えするのはこちらのクリームである。
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【追加雑学②】禁断のミックス戦法!店舗でもこの裏技を使っているところが多数
動物性か植物性かは、お財布事情や好みに合わせて選べばいいのだろうが、やはりどちらのクリームにも捨てがたい部分がある。両方を味わえるようないい方法はないだろうか…。
そんなことを考えていたら、なんと裏技が存在するという。外食店舗ではよくあるらしい、動物性と植物性のミックス戦法だ。業務用製品としては「コンパウンドクリーム」と呼ばれている。
動物性生クリームのコクや風味、口どけのよさを活かしつつ、植物性を混ぜたことで泡が立てやすくなり、製菓材料として重宝されている万能アイテムだ。
もちろん自宅でも、2種類をミックスして使うことは問題ない。誰かの誕生日ケーキを手作りしよう! と思ったときなど、ぜひ試してほしい裏技である。
もし動物性生クリームが余ったら…バターを作ればいいじゃないか!
自宅用に動物性生クリームを買ってくると、紙パックひとつを使い切るのになかなか苦労させられる。賞味期限も短くて焦ってしまうが…。
これに関してはバターを作れば解決である。
ただし、以下の動画を見てもお分かりのとおり、かなりの力技だ。家族総出で挑戦できる人、腕力に自信がある人はチャレンジしてみよう…。
雑学まとめ
今回改めてスーパーなどで生クリームのパッケージを観察してみたら、たしかに植物性には「生クリーム」と書いていなかった。知らないと気にも留めない違いだが、生クリームを名乗るためには厳しい条件があるのだ。
ただし記事内で触れたように、生クリームを名乗れないからといって、植物性が動物性に劣るという話ではない。またミックス戦法など、それぞれの利点を活かす方法もある。目的や好みに合わせて上手に選んで、素敵な生クリームライフを送ってほしい!