エスニック好きの筆者は、タイ料理店に行くと必ず生春巻きを頼んでしまう。独特の歯ごたえと具の豊富さ、何よりたまらないのは、あの甘酸っぱいチリソース!
ところでこのチリソース…よく見てみると、普通のものではなく「スイートチリソース」となっているのだ。チリソースとスイートチリソースって何か違うのだろうか…。
そう思って調べてみると、なんとまったく違うソースだったことが判明した。似たようなものだと思い込んでいる人…筆者意外にも多いのでは!?
【食べ物雑学】チリソースとスイートチリソースの違いってなに?
【雑学解説】トマトのあるなしで風味がかなり異なる「別物」
日本人にとって「チリ」という言葉は辛い味付けを連想させる。もしくは甘辛い味付け、だろうか。エビチリが真っ先に思い浮かぶ人も多いだろう。
しかし実は、日本人がいう「チリソース」は、厳密には「スイートチリソース」を指している場合が混在している。
筆者も知らなかったのでお恥ずかしいのだが、チリソースとスイートチリソースは原料が違う。チリソースを甘くしたのがスイートチリ…という単純なものでもない。
まずスイートチリソースの分かりやすい特徴は、透き通っていること。色は赤いが透明感があり、匂いをかぐと酸っぱそうな風味を感じる。甘みは主に砂糖でしっかりつけられている。
ベースは唐辛子で、砂糖と酢を加えているのが「甘い・辛い・酸っぱい」の秘密だ。唐辛子の赤みのみでトマトは使われていないので透明感があり、味わいも軽やかに仕上がっている。
これに対して、チリソースはしっかり赤くて透明感がない。唐辛子が入っているのは一緒だが、一般的にスイートチリより辛みも強く、甘みや酸味は控えめだ。
これはチリソースのベースがトマトだからである。トマト本来の甘みと酸味で味に奥行きを出しているものの、砂糖と酢で味付けされたスイートチリのように強い主張はしない。こちらのほうがスパイシーで大人むけの味といっていいだろう。
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【追加雑学①】使われる料理にも大きな差がある
スイートチリソースは筆者が大好きなタイ料理・ベトナム料理でよく使用されている。たとえばタイ料理の特徴は「甘くて酸っぱくて辛い」ことだが、これは正にスイートチリの特徴そのもの。
砂糖と酢をしっかり効かせたスイートチリソースは、あっさりした春雨や生春巻きによく合うのだ。最近では辛さの段階も選べるようになっているし、辛みがごく控えめなものなら子どもも喜ぶ味付けである。
一方、チリソースはもともとメキシコ先住民が「舌を刺すような辛さ」という意味で使う「チレ」という言葉が語源とされ、スパイシー大好きなメキシコ人には欠かせないソースだ。
家庭でエビチリを作るときにトマトケチャップを使うように、トマトを原料にしたチリソースは魚貝類によく合う。メキシコ人はタコス・トルティーヤ・チリコンカンなどにこれでもかと振りかけるそうで、メキシコ料理には必須である。
日本の冷蔵庫にある確率が高いのは圧倒的にスイートチリソースだろう。本格的なチリソースはスパイシーすぎて家庭では使いづらいかもしれない。
【追加雑学②】余ったらどうしよう…気軽に消費できるアレンジメニュー
家庭でもオシャレに生春巻きを食べよう、といざスイートチリソースを買ってきても、実際には使い切れなくて余らせてしまうことも多い。エスニック料理以外にもなんとか使う工夫をしたいところだ。
まずおすすめなのが、そのままつけるだけの方法。スイートチリソースは揚げ物と相性がいいので、唐揚げに絡めるだけでいつもの味がエスニックに大変身する。変わったところではエビの天ぷらもおいしい(筆者が実践済み)。
またマヨネーズと混ぜるとクリーミーなディップになるので、生野菜スティックにつけたり、ゆで卵にかけるとちょっとした前菜になる。
炒め物に加えるのもおすすめだ。野菜炒めはもちろん、チャーハンにも応用できる。焼き肉のたれとスイートチリソースでチャーハンを作ると、甘辛さがたまらない新鮮な味になるので試してみよう!
雑学まとめ
個人的には本格的なチリソースの激辛感とスパイシーさも捨てがたいが、家庭でアレンジしやすいのは圧倒的にスイートチリソース。余らせるのが心配な人も、意外といろいろ使えるのでオススメだ。
筆者も恥ずかしながら、調べるまで違いをよく知らなかったが、トマトのあるなしで風味には大きな差が出る。今度「チリソース」を食べるときは、今食べているのがどちらなのかよく観察してみてほしい。