イカ墨パスタを食べるとき、私はいつもこう思う。「おいしい。けどなぜイカなのだろう? 同じ頭足類で墨袋を持つタコでもいいのではないか? 気になってフォークが進まない…。」
考えすぎ? けど、ぼーっと生きているとおかっぱの女の子に怒られてしまうから…。
純粋においしいいとだけ思いながら、イカ墨パスタを食べられるように今回はこの雑学について調べてみた。イカ墨パスタがあってタコ墨パスタがないのには、ちゃんとした理由があったのだ!
【食べ物雑学】タコ墨パスタがない理由とは?
【雑学解説】イカ墨とタコ墨の違いとは?
イカもタコも敵から襲われたときの自己防衛として吐き出す墨。同じように感じるが、その質には大きな違いがあるのだ! 以下、2点について説明をする。
- 墨の使い方の違い
- 墨の量の違い
それでは、それぞれについて解説していこう。
イカ墨とタコ墨の「墨の使い方」の違い
まずは墨の使い方の違いから。
イカの出す墨はトロトロしていて、海中である程度塊のまま残るようになっている。そのため墨の塊がイカの分身のようになり、それに敵が気を取られているあいだに逃げる「分身の術」的な墨の使い方だ。
一方、タコの出す墨はサラサラで、海中で一気に広がる。その墨が煙のようになり、敵の視界を奪っているあいだに逃げる「煙幕の術」的な墨の使い方である。
トロトロとサラサラ、パスタに使うとしたらどっちだろう? 間違いなくトロトロの方が良さそうだ。パスタとのからみ方も違うし、サラサラだとスープパスタになってしまわないだろうか。
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イカ墨とタコ墨の「墨の量」の違い
次に墨の量の違いを説明しよう。
前述した墨の使い方の動画を見てわかるとおり、墨の絶対量は圧倒的にイカの方が多い。
実際に同じサイズのイカとタコで墨の量を比べると、イカ13gに対しタコは8gと大きな差がでている。さらに、タコは水揚げ時にほとんどの墨を吐き出すそう。
結局、タコはイカの1/10ほどの量しか墨が取れないらしい。タコよ、もっと気合いが必要ではないだろうか。
トロトロで量が多いイカ墨と、サラサラで量が少ないタコ墨。パスタを作るとなるとどちらが採用されるか、結果は明らかだ。
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【追加雑学①】タコ墨にはコストと手間がかかる
コストと手間も、タコ墨パスタが作られない大きな原因だ。
イカは標準サイズ1杯で、2皿のイカ墨パスタが作れる。タコはイカの1/10しか墨が取れないとなると、同じ2皿のパスタを作るのに10杯ものタコが必要になる。
手間もそうだ。イカの墨袋は表面に近く取り出しやすいのに対して、タコの墨は内臓の奥深くにあり、非常に取り出しづらくなっている。もしかすると、タコは墨袋の中に見られたくないものがあるのかもしれない。思春期真っ只中だ。
【追加雑学②】実はタコ墨の方がおいしい
量も少なく、コストと手間も余計にかかるタコ墨であるが、実はイカ墨よりも旨みが多いことがわかっている。ここでいう旨みというのはアミノ酸のことだ。人はおいしいものを食べるときに「アミノ酸を感じる〜!」 とはならないが、実は旨み成分の元はこのアミノ酸なのである。
タコ墨はイカ墨と比べて、アミノ酸の含有量が数倍も多い。その数倍多いアミノ酸を摂取するためには、イカの数倍の量を獲らないといけないのだが…。
「どうぞ〜タコ墨パスタ7,000円です!」
あなたなら7,000円のタコ墨パスタを食べるだろうか? 富豪でもない限りきっと食べないだろう。私だったら700円のイカ墨パスタを10回食べる。間違いなくそっちの方が幸福度が高い!
タコ墨パスタを真剣に作ろうとすると、1皿7,000円は下らないそうだ。ちなみに大手レシピ紹介サイトにも、タコ墨パスタが載っていることを確認した。きっと投稿者は富豪なのだろう。盛り付けられたお皿がとてもおしゃれだった。
タコ墨の雑学まとめ
今回は、イカ墨パスタはあるのにタコ墨パスタがない理由についての雑学を紹介した。イカ墨と比べ量も少なく手間が増えるという、タコ墨のコストパフォーマンスの悪さが原因であった。でも旨みはイカ墨以上のタコ墨。
はっ! 思いついてしまった…! 富豪をターゲットにタコ墨パスタ専門店を開けばもしかしたら…!!