「性教育が遅れている」「コンドームの使い方を知らない人が多い」ということが、日本ではもう長らく問題視されていますよね。セックスというなかなかオープンにできない行為のこととあって、この問題解決は一筋縄ではいかないものがあります。
ところで、日本のこの事情はたびたび耳にしていても、それと比べられる海外のコンドーム事情って、詳しく知らない人も多いんじゃないですか?
アメリカやヨーロッパのように性教育の進んでいる国もあれば、海外といっても日本と同じような事情をもった国もやはりあります。そういった国の取り組みにこそ、日本のコンドーム事情を変えるヒントがあるのではないでしょうか。
【性の雑学】韓国のコンドーム事情とは?
韓国では10代のセックスがタブー?コンドーム事情は日本より厳しい
韓国の性教育は、はっきりいって日本より遅れています。
「10代の若者がセックスをするなんてまずあってはならない」というのが世間の認識で、若者がコンドームを買う姿を見ると眉をひそめる人もいるぐらいです。
さらに2016年には女性家族部という行政機関が「未成年は特殊形状のコンドームを使ってはいけない」という、意味不明な法律まで作ってしまう始末。
特殊形状というのは具体的にはツブツブの付いたコンドームですね。これが女性に刺激を与えてしまうからダメとかなんとか…。
うーん…コンドームは膣に触れることを想定して緻密に作られているので、むしろ着けている方が優しいのですが…。ともかく韓国のコンドーム事情はかなり深刻…ということです。
韓国のコンドームは日本より便利な一面も
その状況もあって、韓国では「コンドームを持っているのが恥ずかしい」という感覚もやはり強いのでしょう。製品自体もそんな世間の風潮に合わせる仕様になっています。
しかし、これは日本より便利かもしれません。注目すべきはパッケージの大きさで、持っているのが目立たないことを狙っているのか、コンパクトでポケットにスッと入ってしまいそうなサイズなんです。
以下は、韓国でコンドームを買う様子を映した動画。自販機が置かれているのも、買うのが恥ずかしい風潮からでしょうね。
めちゃくちゃ小さくないですか? ちなみに動画で買っていたのは1,000ウォンのコンドームでしたが、これは日本円なら100円ほど。そう、韓国のコンドームはパッケージが小さいだけでなく、内容量も少なく、ほとんどバラ売りのような感じで売られているんです。
コンビニで扱っているようなものも、3~5個入りまでが主流だといいます。日本だと5個入りが最低ラインで「こんなに使わないんだけど…」と思うこともしばしば。必要なだけ手に入るのも韓国の便利なところですね。
現状を変えるべく立ち上がったイヴ・コンドーム社がすごい!
日本にもコンドームの普及に奔走する団体がたくさんあるように、韓国にもこの深刻な状況を問題視し、行動している企業がありました。
韓国のウェルネスブランド、イヴ・コンドーム社は、創立者のジーナ・パクさんがアメリカの経済誌『Forbes』にて「アジアを代表する30歳未満の30人」に選ばれるほど。今、世界的に注目を浴びている企業です。
同社は10代のセックスをタブー視する韓国の風潮を変えるべく、高校の同級生3人で立ち上げられました。
お店で買いにくい若者に対して商品を郵送するサービスや、コンドーム自販機の設置など、コンドームの普及に積極的な取り組みを見せています。
身体や環境に優しいブランドイメージが状況の改善につながるか?
何より興味深いのは、そのブランドイメージを使ってコンドームの印象も変えていこうとしていることです。
イヴ・コンドーム社が売り出している「ヴィーガンコンドーム」は、動物実験を行わず、動物性素材を一切使わないことがポリシー。手間をかけて作られた安心感の高い製品です。
パッケージもナチュラルな色合いを用いた、”あくまで医療機器”という感じのデザインになっています。
ほかにも「ナプキンやタンポンは化学物質が使われているものもあり、使うたびにゴミが出てしまう問題もある」という理由からシリコンの生理カップを開発するなどの取り組みも。
身体や環境に優しいことを徹底するその姿勢が、今注目されているのです。
雑学まとめ
韓国のコンドーム事情は日本よりずっと厳しく、「特殊形状のものを10代は買っちゃダメ!」なんて法律が作られるぐらい。
しかし、そんな風潮を問題視して改善に奔走する企業もあり、その取り組みは世界から注目されるほどでした。
ジーナさんのような影響力があるかは別にして、やはり何事もひとりの行動から変わっていくものです。私たちもまずひとりひとりが「コンドームを毎回、正しく使う」というところから始めてみませんか?