みなさんはコンドームが自販機で売られているところって、見たことありますか? 薬局の前などに、たま~に置かれていたりするんですが…はっきりいって絶滅危惧種です。
コンドームを買うのに、コンビニなどで店員さんとやり取りするのが気まずい人もいますし、もうちょっといろんなところにあっていい気もしますよね。
【性の雑学】日本の「自販機コンドーム」はなぜ減った?
昔のコンドームの購入は自販機が主流
実は90年代初頭の時代には、コンドームは薬局の前の自販機で買うのが主流でした。その数にしても、町のいたるところで見かけるほど多かったんです。
【今日の #コンドーム自販機 】世界平和と一緒。 pic.twitter.com/fgNWOVh6Dy
— niche な syuuma✌️ (@niche_syuumatsu) January 13, 2020
また90年代初頭というとHIVの蔓延が問題視され始めたころで、厚生省は「コンドーム自動販売機の設置等の状況について」という文書において、対策としてコンドーム自販機をさらに増やす方針も示しています。
…なのに、今となっては「町のいたるところで見かける」とはとても言えず、見つけたらラッキーぐらいのレアさ加減。
2000年ぐらいを境に、作っていた業者も軒並み製造終了になっているようで、今は全国に1,000台あるかないかだといいます。増やす予定だったのに…?
数が減ったのはコンビニやドラッグストアの台頭が理由
国はもっとコンドームを普及させたいのに、どうしてコンドーム自販機が減ってしまったのか。これは90年代以降のコンビニ、ドラッグストアの急増によるものでした。
日本フランチャイズチェーン協会が公表している統計によると、1990年の全国のコンビニ店舗数は17,408店舗。その8年後の98年には36,265店舗までその数が増えています。
ほかのどれを見てもここまで伸びている業種はなく、この時代にコンビニが普及したことで、小売業界の事情が大きく変化したことが伺い知れます。コンビニがどこに行ってもあるようになったから、コンドーム自販機は必要なくなった…ということですね。
ちなみにコンビニで買うのが主流になった当初は、お会計するのが恥ずかしいからといって万引きする人がいるため、タバコのようにレジの奥に置かれていたこともあったのだとか。
か…買いにくい…。「オカモトのゼロゼロスリーください」とかわざわざ言わなきゃダメなの? …そう思うと、やっぱり自販機を減らさなくても需要があったようにも思えるのですが…。
近年のアメリカやブラジルでは学校に設置する動きが!
日本では90年代以降、もはや過去のものとなっていったコンドーム自販機ですが、実は海外ではまったく真逆の現象が起こっています。
2017年のこと、アメリカのカリフォルニア大学では、とある学生の働きかけにより、キャンパス内にコンドームと緊急避妊ピルの自販機が設置されることになりました。
日本なら「キャンパスでコンドームを売るなんて!」と思う人もいそうですが、そこは国によるセックスへの認識の違いか、この試みには好意的な反応を示す学生が多かったといいます。
以下がその旨を伝えるニュース動画。英語がわからなくても、コンドームやアフターピルが自販機で売られていることはしっかりわかります。
ちなみに同じような試みはブラジルの学校でも行われています。コンドーム自販機は、世界的に見れば少しずつでも普及の道を辿っているのです。
雑学まとめ
コンドームはひと昔前まで、薬局の前の自販機で買うのが普通でした。しかしその役目は便利なコンビニやドラッグストアに奪われ、今はその姿もほとんど見かけないほどに。
しかし海外には少しずつ普及の流れもありますし、そのニーズを考えれば、今後ジュースやタバコぐらいのラインナップを携えたコンドーム自販機が国内に増えることもあるかも!?