日本のネット社会で、いまや欠かすことのできない顔文字文化。ブログやメール・SNSでも、顔文字はいたるところに散らばっている。
文章のみで会話や自己表現をすることを当たり前のように求められる現代、より鮮明に感情を表すことができる顔文字は、コミュニケーションツールとしても優秀。
同じ文章でも顔文字の有無やその種類によって受ける印象が全く変わるのだから、円滑なコミュニケーションに顔文字は非常に役に立つものであり、もはやなくてはならないものだ。
そんな顔文字はいったいいつ、どんな経緯で生まれたものなのだろうか。今回はちょっと気になる、日本初の顔文字についての雑学をご紹介していくぞ!
【サブカル雑学】日本初の顔文字は「(^_^)」
【雑学解説】顔文字が初めて生まれた「アスキーネット」
記念すべき日本初の顔文字が書き込まれたのは、1986年6月20日。
「アスキーネット」の掲示板でのことである。「アスキーネット」とはインターネットの黎明期に普及していた通信サービスだが、1997年にサービスを終えている。
このアスキーネットの掲示板に、「(^_^)」が書き込まれた。
当初は、現代のような感情を表現するためでなく、ハンドルネームに記号として記した「サイン」だった。今では(^_^)を見れば「笑顔だ!」とわかるものだが、当時のアスキーネットの住民たちは最初「顔」だとは識別しなかったようだ。
一人のユーザーがサインとして(^_^)を使い始めると、瞬く間に広がって掲示板内で流行する。
ユーザーたちが少しずつパターンを変えて使い始めた顔文字。次々に新しい顔が生まれ、バリエーションが増えていった。それに伴い、当初は記号でしかなかった顔文字はだんだんと会話の中で感情を表現する使い方になっていったのだ。
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【追加雑学①】顔文字の「欧米型」と「日本型」
ところで、(^_^)のような顔文字は日本独特のものである。
欧米でも顔文字文化は存在するが、日本とは少し異なっているのだ。日本の顔文字が縦向きなのに対して欧米では横向き。
- 「:)」にこっ
- 「:(」うーん
- 「:p」あっかんべ
- 「XD」わーい
こんな感じだ。
一見すると、これこそ記号にしか見えないよ! って感じだが、首を左に傾けてみたらなるほど、顔に見える。
日本の顔文字と比較するとスタイリッシュでシンプルに感じる。こちらもバリエーションは実に様々である。
この欧米型顔文字は日本よりも歴史が古く、1982年に誕生したようだ。
日本と欧米それぞれ独自に顔文字文化が誕生、発展していったとは不思議なものである。
【追加雑学②】絵文字の起源は?
現代、顔文字と並んで感情を表現するコンテンツに絵文字がある。記号を組み合わせる必要もなく、表情以外も動物や食べ物、国旗など様々な「絵」を瞬時に入力することができる絵文字は顔文字以上に便利なコンテンツだ。
絵文字の起源には諸説あるが、一説には日本で平成初期に流行したポケベルがはじまりだといわれている。
携帯電話がなかった当時、連絡手段として重宝されていたポケベルだが、短い文章しか送ることができなかった。そんななか、ドコモが画期的な文字を取り入れた。「♡」ハートマークである。
短い文章にポジティブな感情を付け足すことができるハートマークは若い世代に大ウケ。その後、種類を大幅に増やしてガラケーに受け継がれ、なくてはならない機能になったのだ。
また、いまや当たり前になっているiPhoneの絵文字。これもまた、アメリカでは当初ないものだったのだ。
iPhoneを日本で展開するにあたり、ソフトバンクがApple社に要請したのだそう。絵文字に慣れた日本のユーザーにiPhoneを普及させるためだ。
iPhoneが日本で広く受け入れられた理由の一つには絵文字の存在もあったのかもしれない。いまやiPhoneの絵文字は世界中で「emoji」として親しまれている。
雑学まとめ
今回は顔文字の起源についての雑学をご紹介した。初めて顔文字が登場したとき、ユーザーたちが顔と認識しなかったのには驚きだ。
顔文字に見慣れているから、もう顔にしか見えないが、初めて目にした人々には一体どのように映ったのだろう。
きっとこんな顔だったにちがいない。
Σ(・□・;)