皆さん「パフェとサンデーってどう違うの?」と聞かれて、はっきり答えることができるだろうか。
筆者はパフェとサンデーの違いを「えーっと、パフェは細長いグラスに入っていて、サンデーは、もっとこう、平たい形の、脚のついたお皿みたいなのに入ってて…あれ? でも細長い器に入ってるのにサンデーって呼んでるお店もある気がする…」と、取り留めもない答えしかだせる気がしない。
…皆さんも同じ状態であることを期待しながら、今回の雑学記事ではパフェとサンデーの違いについてしっかりと紐解いていこうと思う。
【食べ物雑学】パフェとサンデーの由来と違いは?
【雑学解説】パフェとサンデーは同じもの!?
パフェとサンデーの区別の仕方は、「パフェは細長い容器に入っていて、サンデーは丸い容器に入っている」「パフェは昼間に食べるデザートで、サンデーは夕方以降に食べるデザート」など様々な説が提唱されている。
しかし実際には、パフェとサンデーのあいだにこれといって明確な違いはないのだ! しいていうなら、「どの国で生まれたか」というだけなのだ。
「パフェ」はフランス生まれ
「パフェ」はフランス語で「完全なる」を意味する「parfait(パルフェ)」を由来とした和製の言葉である。
フランスで、昼食後に食べるデザートとして「パルフェ」は考案された。卵黄に砂糖・ホイップクリームを混ぜたものを凍らせたアイスクリームのような冷菓に、ソースをかけたりフルーツを添えたりしたデザートで、日本の「パフェ」とは異なる。
日本での「パフェ」は、フルーツやアイスクリーム・ゼリー・ホイップクリームなど、いろいろなものが何層にも重ねられているイメージだが、フランスでの「パルフェ」はあくまでもアイスクリームがメインということだ。
「サンデー」はアメリカ生まれ
「サンデー」誕生の秘話は興味深い。なんでも、1880年代頃アメリカでクリームソーダが大流行していたそうなのだが、禁欲的なキリスト教の指導者が、日曜日と宗教的な祝日にはクリームソーダの販売を禁止してしまったらしい。
これに対して、クリームソーダを販売していたお店たちが、代わりに販売したのが「サンデー」だったということだ。
この「サンデー」は、クリームソーダが日曜日に販売中止となってショックを受けていた、クリームソーダ好きの人達に大好評! たちまち大人気スイーツとなった。
つまり、「サンデー」の名前の由来は「日曜日」ということだ。しかし、「サンデー」のスペルは「Sunday」ではなく「Sundae」である。「Sunday」はキリスト教において聖日であるため、キリストに敬意を表してスペルを1文字だけ変えたそうだ。
ちなみに当時の「サンデー」は、アイスクリームにチョコレートなどがトッピングされたシンプルなもの。この「サンデー」を食べ残し、これにソーダを加えたものは「マンデー」と呼ばれたらしい。
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【追加雑学①】パフェとサンデーの分け方は店によって様々!
明確な違いはないということで、パフェとサンダーの区別の仕方は店によってそれぞれ全く違う。
パフェを提供している代表的な店をいくつか調べてみた!
タカノフルーツパーラー
パフェといえば、「タカノフルーツパーラー」。
老舗フルーツ専門店「新宿高野」のパーラーで、季節に合わせた期間限定パフェをはじめ、フルーツサンドやワッフルも人気である。こちらは、サンデーはなく、全て「パフェ」で統一されていた。
デニーズ
みんな大好きデニーズは、商品のイメージや商品の語感などでその都度決めているという。
著者のデニーズイメージでは、サイズの大きいものが「パフェ」、小さいものが「サンデー」という気がする。
ロイヤルホスト
スイーツのメニューが豊富なロイヤルホストでは、高めのグラスで上品なイメージのデザートが「パフェ」、カジュアルなスタイルでアメリカっぽいイメージのデザートが「サンデー」としている。
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シャノアール
落ち着いた雰囲気が人気のシャノアールでは、ソフトクリームやフルーツなどを高く積み上げたものが「パフェ」で、低く盛り付けたものを「サンデー」としているらしい。
ちなみに高く積み上げたものをパフェというのは、以前販売していた「ビッグパフェ」の名残りだということだが、「ビッグパフェ」がもうなくなっていたのにびっくりしてしまった…。
このように、パフェとサンデーはお店ごとに好きに使い分けていいなんて、なんだか拍子抜けしてしまう。
ちなみに、上に挙げたお店以外のファミレスでは、「不二家レストラン」や「びっくりドンキー」のパフェが人気が高いそうだ。
「不二家レストラン」に関しては、もともと不二家は洋菓子店なのだから、その美味しさは当たり前といってしまえば当たり前である。しかし、びっくりドンキーはCMのせいか、正直ハンバーグのイメージが強すぎる。なんでも「メリーゴーランド」という可愛い名前のパフェが人気らしいので、ぜひ一度食べてみたい。
【追加雑学②】パフェとサンデーはアラモードとは違う?
アラモードの発祥は、なんと日本である。神奈川県横浜市にある老舗ホテル「ホテルニューグランド」のパティシエが考案した。「アラモード」という名前の由来は、「現代風の」や「流行の」を意味するフランス語が由来らしい。
横に広い器にプリンなどのメインとなるデザートを乗せ、アイスクリーム・フルーツ・ウエハース・ホイップクリームなどが盛られている。
アラモードに関しても、パフェやサンデーと同じで明確な違いはなく、呼び方はお店によって様々だそうだ。
パフェとサンデーの雑学まとめ
今回の雑学ではパフェとサンデーの違い、加えてアラモードの違いを解明した。長年なんとなーく疑問に思っていたことが、どっちも同じ! という結論だと少し拍子抜けしてしまう…。
しかしお店によって分け方が違うとなると、このお店はどの基準で分けてるのかなー? なんて考えながらメニューを選ぶのも楽しそうだ。