先日、近所を散歩していると、畑の用水路でアメンボがスーッと水辺を移動していた。まるで忍者のように水面を浮けるとは、なんともうらやましい生物である。
田舎育ちの筆者は何の疑問も抱いたことはなかったが、よく考えたらアメンボはどうして水の上に浮けるのだろうか。それも単に浮くだけではなく、歩いて移動までする(歩くという表現が正しいかどうかはわからないが)。
気になったので、さっそく調べてみた!
【動物雑学】アメンボは水の上をどうやって移動してる?
【雑学解説】アメンボの足には水を弾くための油が含まれている
調べてみると、アメンボが水面に浮かんで移動ができるのはその足に秘密があった。アメンボの足の先には水を弾くための毛が生えているのだ。
毛があるだけでどうして水の上に浮けるの? と疑問に思うかもしれないが、ただの毛ではない。アメンボの足先の毛には大量に油が含まれている。
みなさんも水の上に油を落とすと、混ざらずに油だけ浮かび上がっているのを見たことがあるだろう。油は水を弾く性質をもっている。そのため、油を含んだ毛をもつアメンボは水に沈むことなく歩けるというわけだ。
実際にアメンボが水の上を移動している様子は以下の動画で確認できる。
うーむ、たしかにアメンボの足先を見ると、水がへこんでいる。これが毛の油によって水をはじいている結果ということだろう。
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【追加雑学①】アメンボの足は多機能
アメンボの足について調べてみると、驚くべき情報がまだまだあった。なんと、アメンボの足は水の上に浮けるだけではなく、さまざまな機能が備わっているのだ。
たとえば、獲物を察知するセンサー的な機能。アメンボは主に水面に落ちてきた別の昆虫などを食べている。
ただし、水面に落ちてくるのは何も昆虫だけとは限らない。落ち葉だったり、何かのゴミだったりとさまざまだ。
アメンボの足は水面に何かが落ちてきたとき、その波紋を感じ取って、それがエサかどうかを判別している。大きさまで察知できるというから驚きだ。
また、アメンボは自ら足を使って波紋を起こすことができる。水面を波立たせることによって、別の個体に求愛したり、縄張りを主張したりする。つまり、足はコミュニケーションツールとしての役割ももっている。
筆者はアメンボに関して、もっと単純な生物かと思っていたが、足にこれだけの機能が備わっていたとは。人間、いや昆虫は見かけによらないのである。
【追加雑学②】アメンボはカメムシの仲間
ここまでアメンボの足についてお届けしたが、もう1つみなさんに紹介したい情報がある。それは実はアメンボがカメムシの仲間ということだ。
カメムシといえば、あの独特で嫌な臭いを放つアイツである。苦手な人も多いと思うが、そんなカメムシとアメンボが仲間というのだから驚きだ。
外見上は似ても似つかない気もするが…。詳しく調べてみると、アメンボは学術的には「カメムシ目」という分類になるそうだ。つまり、遠い親戚? のようなものだろう。
カメムシ目に属する昆虫の共通点は口の形。アメンボもカメムシも口がストロー状になっており、エサを吸うようにして食べる。
身近な昆虫でいうと、夏の風物詩であるセミもカメムシ目。田舎生活の長い筆者だが、この昆虫たちが同じ分類とは知らなかった。
なんとも奥が深い世界である。
雑学まとめ
今回は水辺にいる昆虫・アメンボについて解説した。水に浮ける秘密も驚きだったが、まさか他にも色々な機能が備わっているとは。恐るべしアメンボの足だ。
ちなみに筆者も子供のころ、水の上を歩きたくて、プールの水面を全力疾走してみたことがある。どうなったかはいうまでもない。みなさんは危ないのでそんな真似はしないように!