表彰式で流れるアノ曲…といえばきっとみんな同じ曲を思い浮かべるだろう。
「ちゃーんちゃーんちゃちゃーんちゃーん、ちゃららららんらんらーん…」
どうしてかわからないけれど、表彰する場では必ずと言っていいほど流れるこの曲。…なんだか聞いているだけで誇らしい気持ちが生まれてくるような気がする。
みんな一度は聞いたことがあり、知っている身近な曲だが、タイトルはあまり知られていない。今回はそんな誰もが知っているようで知らない表彰式の「あの曲」についての雑学を紹介しよう!
【生活雑学】表彰式で使われる曲のタイトルは?
【雑学解説】表彰式のあの曲はヘンデル作曲「見よ、勇者は帰る」
「見よ、勇者は帰る」はもともと、「マカベウスのユダ」という古代のユダヤを描いたオラトリオの中で流れる一曲だ。オラトリオとは音楽劇のこと。
王権争いが激化していた当時のイギリスで、争いに勝利した新国王を讃えるために勝者をなぞった英雄ユダの物語をオラトリオにしたのだ。
そんな「マカベウスのユダ」のなかで、「見よ、勇者は帰る」は凱旋するユダを民衆が迎える歓喜に包まれた合唱曲。
やはり、表彰式の場にぴったりな気がする。
「マカベウスのユダ」が1747年に初めて公開されてから、イギリスでは空前の合唱ブームとなった。「見よ、勇者は帰る」もそのブームに乗って広がり、功労者を讃える場面で度々使われることとなったのだ。
日本には明治初期に軍楽隊のレパートリーの一つとしてそのメロディが伝わった。明治7年に海軍の運動会で演奏され、その後も軍の表彰式の音楽として使われることに。
それがきっかけで、「見よ、勇者は帰る」は今でも「表彰式のBGM」として定番の曲として広く親しまれているのである。
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【追加雑学①】ヘンデルは「ハレルヤ」の作曲者でもある
「見よ、勇者は帰る」の作曲者ヘンデル。音楽の父・バッハと並ぶバロック音楽の偉大な作曲家である彼は「音楽の母」とも呼ばれた。
実はヘンデル、この曲の他にも定番クラシック曲を生み出している。
ずばり、「メサイア」。通称「ハレルヤコーラス」だ。
よく教会や結婚式で流れる定番曲。「ハーレルヤ、ハーレルヤ、ハレルヤ、ハレルヤ、ハレールヤー」と妙に高いテンションで歌われる。
私たちが「ハレルヤ」と呼んでいる曲は「メサイア」という題のオラトリオ。「ハレルヤコーラス」はその中の第2部の最終曲だ。
とても有名なこの曲だが、流れる時には必ずあることをしなければならないのをご存知だろうか。
1743年初めて「メサイア」が公演されたときのこと。当時のイギリス国王・ジョージ2世が「ハレルヤコーラス」を聴いて感激のあまり思わず立ち上がったという。
以降「ハレルヤコーラス」が流れる際には「立って聴く」のが習慣となり、現代でも起立して聴かなければならないとされているのだ。
【追加雑学②】運動会の定番クラシック曲は?
表彰式で流れる曲について紹介したが、表彰式の他にも身近なクラシック曲は結構ある。なかでも運動会はクラシック曲をよく耳にするイベントだ。
運動会でも知っているけど名前は知らない定番のクラシック曲があるはず…。
組曲「道化師」第2曲「ギャロップ」ドミトリー・カバレフスキー
馬が全速力で走るときの走り方をあらわす用語「ギャロップ」。音楽用語としてもテンポの速い曲を示す言葉として使われている。
その言葉通り思わず「走らなければ」という思いに駆られるこの曲。運動会のかけっこでお馴染みのド定番曲だ。
「天国と地獄」ジャック・オッフェンバック
「カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂〜」のCMでもお馴染みの定番曲。
こちらもテンポの良さに思わず走りたくなってしまう運動会の定番BGMだ。
「クシコスポスト」ヘルマン・ネッケ
借り物競争でよく流れているイメージのこの曲。
タイトルは「郵便馬車」。まさに走るシーンにぴったりな疾走感溢れるBGMだ。
雑学まとめ
今回の雑学では表彰式で流れる「あの曲」について紹介した。
「見よ、勇者は帰る」は、曲の内容、作られる背景からしても表彰の場にふさわしい曲だった。
クラシックと聞くと古典的な難しいイメージもあるが、意識してみると身近な生活に根付いていることがよくわかる。気づかないうちに根付いている定番クラシック曲を探してみるのも楽しいかもしれない。
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